
凧を飛ばして発電する空中風力発電システム 28
発電 部門より
ドイツのエネルギー企業 RWE が凧による空中風力発電 (AWE) システムの実験をアイルランド・メイヨー県バンゴーエリスで実施するそうだ (プレスリリース、 The Next Web の記事、 動画)。
この AWE システムはオランダの Kitepower が開発した「Falcon」と呼ばれるもので、ダイニーマ素材のテザー (長さ 358 m) で地上基地 (GS) のウインチに結ばれたグラスファイバーの骨組みを持つ膨張式の巨大な凧 (60 m2、80 kg) を飛ばして発電する。
凧は横風を受けて 8 の字を描いて飛ぶよう中間のコントロールユニット (KCU) で制御され、ウインチのリールからテザーを引き出す強い力を発電に用いる。テザーが完全に引き出されたら最低限の力で巻取りを行い、再び引き出しによる発電を繰り返す仕組みだ。引き出しと巻取りの 1 サイクルは 100 秒間で、80 秒間は引き出しにより 130 kW を発電、残り 20 秒間は巻取りのため 20 kW の電力を消費する。
AWE は従来の風力発電システムと比べて安価に構築可能であり、重いタワーを必要としないため容易に移動できるほか、より高高度の強い安定した風を利用できるとのことだ。