ムーアの法則を延長する「空気チャンネルトランジスタ」または「金属空気トランジスタ」 35
ストーリー by hylom
時代は3次元か 部門より
時代は3次元か 部門より
maia曰く、
豪RMIT大学(メルボルン)の研究者が、金属ベースの空気チャンネルトランジスタ(ACT:Air Channel Transistor)を開発した。ACTは35nm未満のエアギャップによって対向した電極を使い、基板から垂直方向にトランジスタを構成していく(GIGAZINE、IEEE Spectrum、Nano Letters掲載の論文)。
35nm未満は大気中の平均自由行程以下であり、散乱の影響がない。空気中、真空中、高放射線下でも作動する。微細化ではなく立体構造によってトランジスタの密度を増加させることができ、またシリコン半導体製造に比べて処理工程が簡素化され、製造コストを大幅に削減できる。現在は電極にタングステン、金、プラチナを用い、概念実証を終えた段階だが、ACTの理論速度はTHz(テラヘルツ)であり、今後10年間で商用レベルのトランジスタを開発するという。
真空管? (スコア:1)
空気に向かい合った金属というと、そういうのを想像してしまいます。
微細化して、低電圧でも制御ができるようになったということかなぁ。
電極の劣化が気になります....
Re:真空管? (スコア:1)
私も真空管を思い浮かべたのですが、
電子を飛ばす距離が「大気中の平均自由行程以下」ってことは
「電子が大気の分子にぶつかることはないんだから、わざわざ真空にしなくても真空管と同じような動作になる」
って原理かな、と。
Re:真空管? (スコア:1)
そう言われて記憶をたどってみると
10年ちかく前くらいにどこかで誰かが「微細化して電極を十分近くすれば真空化が不要になるので、真空管の原理によるトランジスタの集積回路はありうる」と言っていた記憶が…
スラドでは無かったな…2chだったかな…
SFのような気持ちで聞いていたが、ちゃんと研究されていた話だったのかもしらん
Re:真空管? (スコア:3, 参考になる)
ムーアの法則を救うのは真空管かもしれない [srad.jp]
Re:真空管? (スコア:1)
どうもありがとうございます。
これだったのかな…記憶が曖昧だ
Re: (スコア:0)
説明されてもこれじゃあなあ
Re: (スコア:0)
ミグ21亡命事件の時にミグ21には高集積真空管が使われていたとかいう話があったなあ。
Re: (スコア:0)
要は真空管なので3/2乗特性を持つことになりますね
オーディオマニアがアップを始めそう
Re: (スコア:0)
まぁそんなことしないでも、今のCMOSプロセスは配線間の絶縁に真空(減圧)を導入することもできる時代ですので。
どうせ製造中は真空プロセスなんだし、コンタミが増える変な気体を導入する必要はないと思う。
Re: (スコア:0)
真空管だとして
どうやってMOSFETの動作を実現すんのかわかんない
GATEは何処?
Re: (スコア:0)
FETは電圧さえ合えば、3極管、真空管と差し替えることができるよ。
Re: (スコア:0, 興味深い)
電界放出
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E7%95%8C%E6%94%BE%E5%87%BA [wikipedia.org]
に必要な電場は一定なので、単純に微細化して距離が1/5になれば、必要な電圧も1/5ってことになると思う。微細な構造が電場から受けるクーロン力の揺れに耐えられるのかはよくわからないけど。
# 注意:「電場」は「電界」の低年齢向け用語で、閾値は40歳あたりです。
まだ萌芽ですな (スコア:1)
生暖かく見守ってあげましょう。
その後育って「成果物」が目の前に現れるのを楽しみに。
# その後消息を聞かない例は枚挙に暇がないわけで。
シリコンの時代は「人類滅亡の日」まで続く (スコア:0)
http://eetimes.jp/ee/articles/1502/03/news019.html [eetimes.jp]
この記事のタイトルは言い過ぎかもしれませんが、新しいトランジスタが出てきてもそうそうシリコンの代替にはなりません。
なにせコストが圧倒的に違うので。
今回の技術も、3次元構造にできるとか、処理工程が簡素化とかありますが、その程度でシリコンの開発規模の前で戦えるのかどうか疑問。
というか、シリコンのCMOSでもロジック向けの3次元構造は研究されてますが、コストの問題でまだ実用化されていないだけです。
フラッシュメモリが微細化に行き詰った後、3次元化でさらに飛躍したように、ロジック向けでも微細化に行き詰ったら3次元化でまだまだ行けると考える人もいます。
速度に関しても、シリコンベースでもトランジスタ単体なら既に500GHzに達しています。理論限界とかではなく、試作結果で。
ムーアの法則の限界を突破するとか、シリコン代替を目指すなら、もっと尖った性能が必要なんじゃないのかなぁ。
Re: (スコア:0)
今でもダークシリコンとか言ってるのに縦に積み上げて熱は大丈夫なんだろうか。
Re: (スコア:0)
Intelがおそらくはモバイル用途のLakefieldでメインメモリと10nmプロセスのロジックと22nmプロセスのロジックのチップを積み重ねるので、
デスクトップ/サーバー向けの最大クロック重視でなければ今の技術でもいけるっぽいです。
Re: (スコア:0)
本気で考えてるところは、冷却方法も併せて検討してます。
チップ内に水冷管やヒートパイプを仕込む研究をしてるところもあります。
他にもこんな、構造設計による冷却とかも。
http://eetimes.jp/ee/articles/1705/23/news034.html [eetimes.jp]
そんな狭いギャップに空気分子が入り込むのか? (スコア:0)
と言う疑問がそもそも湧くんだけども。
ほとんど真空になってるんじゃ無いの?
Re: (スコア:0)
空気チャンネルってよりも空隙とかの方が正しい様にも思うね。
Re: (スコア:0)
もともとの用語は真空チャンネル(vacuum-channel transistor 150nm)なんで、空気チャンネル(air-channel transistor 35nm)の「空気」は単に「真空ではない」という意味だと思いますよ。
パッシベーションは? (スコア:0)
回路上に保護膜形成出来るのですか?
純粋な心をなくしたくないが (スコア:0)
従来の効率や限界を上回る系ってどの分野にも山ほどあるけどどれ一つとして実用化されてないんですよね
スピントロニクスとかどうなったんでしょうか?
少し昔の科学の本とか読むと聞いたことも無い実用化されなかった未来技術が驚くほど多数紹介されててどれも面白そうなんだけど、
現在それらの技術はまったく研究されてないとか知ると哀しくなる。
Re: (スコア:0)
真に有用なものの存在が知られたときには、それが既に従来の技術の限界になっている。
Re: (スコア:0)
40年近く前、ワシが若かった頃の話。
ジョセフソン素子が実用化すればGHzのクロックで動くCPUができるとか言われてた。
その後ジョセフソン素子は一向に実用化しなかったがCPUのクロックはGHzを超えた。
何十年も着々と研究は進められているのに実用化には程遠いという点で核融合みたいなもん。
磁気メディアに垂直磁気記録を取り入れれば記憶密度が10倍になるとかいう話も聞いていた。
HDDも磁気テープも着々と記録密度が向上し垂直磁化とか知らない間に当たり前になってた。
Re: (スコア:0)
着々と進歩して普及したものは享受者には認識されず
「どれ一つとして実用化されてない」と切り捨てられるのです…
Re: (スコア:0)
ジョセフソン素子の磁気センサが当たり前になったのは結構昔だったような。
the.ACount
Re: (スコア:0)
あれ、物心ついた頃から白色LEDが当たり前にある世代?
Re: (スコア:0)
フラッシュメモリのMLCなんかもですね。
Re: (スコア:0)
私が子供の頃に読んだ本には「壁掛けテレビ」が90年代に実現するって書いてあったなぁ。
Re: (スコア:0)
液晶テレビは1996年だそうな。1984年には出てるけど。
the.ACount
しばいてもいいい? (スコア:0)
それって、共立とかでお皿に乗せて買えるトランジスタになりそうですか。
って思ったんだけど、振動とか、どうなるんだろ。
話は聞かせてもらった (スコア:0)
ガラガラ-
話は聞かせてもらった
テラヘルツ波で人類は進化する!!
Ω ΩΩ ナンダッテー
Re:話は聞かせてもらった (スコア:1)
そう言えばテラヘルツ波って聞かなくなったな。
the.ACount
Re:話は聞かせてもらった (スコア:1)
黒体放射のピーク値を算出するウィーンの変位則 λmax= b / T (b=2.8977729(17)×10−3 K⋅m) によれば、体温 T=36.5+273を代入してみると 波長 9.363μm となり、この周波数は 32THz ほどになる。
そう、人類ばかりか、ほぼすべての生物がすでにテラヘルツ波を利用していたんだよ!
カシミール効果とか (スコア:0)
いろいろ影響ありそう
微細化したときの宇宙線の影響(間隙物質のイオン化)とか
熱振動とか
カシミール効果とか
地磁気とか