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ドイツでは電力供給過多のため電気料金が下がり続けている 225
ストーリー by hylom
うらやましいと言うべきか 部門より
うらやましいと言うべきか 部門より
danceman 曰く、
ドイツでは電力供給が過剰であることに加え、「再生可能エネルギーに優先権を与える法律」が施行されていることが影響し、今年と来年にそれぞれ新たに建設される石炭火力発電所は赤字運営を余儀なくされそうだ(Bloomberg、Slashdot)。
ドイツにおいては、火力発電所の利益は下がる一方であるという。電力供給が過剰となっていることから、電気料金が3年連続で下落しているためだ。実際、10月7日には1MWhあたり9.48ユーロだった利益が、5月13日には5.10ユーロにまで下がっているという。さらに、2016年には赤字になるとの予想もある。
ドイツでは法律により、太陽光発電や風力発電、水力発電といった方式で生み出された電力を優先的に買い取ることになっている。ドイツは2025年までに国内で供給される総電力量の45%を再生エネルギー由来のものにすることを目指しているが、この法律が功を奏し、2010年の時点では30%であったのが、すでに来年の段階で42%となる見込みだという。一方の火力発電所は32%から28%に下がるだろうとのこと。
こうした理由からドイツでは、「石炭火力発電所への設備投資は不利な投資」となっているそうだ。
下がっているのは事業者間の取引価格だけ。 (スコア:5, 興味深い)
本家でもコメントがついてるけど、ドイツの家庭や企業が支払う電気料金は上昇し続けていて下がる気配はない。
下がっているのは電力事業者間の取引価格。
ttp://www.gepr.org/ja/contents/20130304-03/
税金で補填されるからどんだけ安く売っても懐は痛まないという、要は政府公認のダンピング。
高い電気料金払った上に、税金でも自然エネルギー(笑)を買い支えている酷い状態。
おかげで原子力どころか一般火力ですら民営発電事業は成り立たないぞと。
Re:下がっているのは事業者間の取引価格だけ。 (スコア:2)
その”まともに計算した”計算式全体を公開してみればいいんじゃないの
Re:下がっているのは事業者間の取引価格だけ。 (スコア:2)
電気は需要と供給のバランスが崩れると電圧変動や停電が発生します。
震災前は原子力で需要の底分ぐらいを供給し(深夜余った分で揚水発電の水を上げ)、
火力発電と水力発電をうまく組み合わせて、高品質な電力が供給されていました。
今の日本の送電網だと小規模発電がいくら増えた所で、地産池消で終わります。
AC200Vに変換するのが電柱の上のドラム缶みたいなトランス(柱上トランス)の仕事で、そこから周辺の建物に給電されています。
今の送電網の仕組みではトランスは一方通行なので、それを超えてよその地域へ電気を供給する事は出来ません。
(実際には家屋の密度などによっても違いますが●●町●丁目単位ぐらいでブロック分けされてるイメージです。)
そこでスマートグリッドって話が出てくるのですが、そんなものがすぐに出来ますか?
制御システムの確立、柱上トランスの交換、変電所の改良、それを日本全国に波及させる作業・・・
光ファイバー網の整備と同じで田舎まで普及させるのは長い時間と多額の費用が必要になります。
スマートグリッドが出来るまでの間、地産池消するとして雨などで発電されない際にはそのブロック丸ごと発電しなくなりますよね?
すべての道具立てが確立するまでは、屋根上の太陽光発電はピークを削ってくれる存在程度にしかなりません。
メガソーラーはもっと上のトランスに接続されていますが、発電量が制御できず不安定な点は変わりません。
安定した停電しない電力を供給するには「発電量を制御できない電源」の発電量(底と頂点)の分を
火力など即応性が高く発電量が制御できるもので裏打ちする必要があるのです。
そこを理解したうえでもう一度考えてみてください。
Re:下がっているのは事業者間の取引価格だけ。 (スコア:1)
PCB入り機器の更新ですらその有り様なのにスマートグリッドとか来世紀の話だろ…。(´・ω・`)
Re:下がっているのは事業者間の取引価格だけ。 (スコア:1)
太陽光や風力の出力は変動しますが、予測もできます。
実際の発電量や予測の実績等のデータ:2012年分の日本語訳 [challenge25.go.jp]、最新版(英語) [fraunhofer.de]。
変動に対応するために、送電網の拡充等の費用や時間がかかり、またガスタービンや揚水、需要制御等で補う必要がある(将来的には、Power2Gasや燃料電池等も活用?)のは事実です。しかしどの国でも、太陽光や風力が電力量の3割程度まで(あるいはそれ以上)ならば、そうした追加コストは中長期的にみて小さい [iea.org]と評価されています。
定量的に論じられた方が、よろしいかと。
Re:ポジティブに考えると (スコア:2)
言っとくが太陽光でなんてのは今現在夢物語だからね。
Re:下がっているのは事業者間の取引価格だけ。 (スコア:3, すばらしい洞察)
・北緯38度付近だと、南中の時でも、陸地面積に対して、受けるエネルギーは、太陽常数のcos(38度)=0.78倍になります。
つまり3km2の陸地面積に対して受け取る太陽エネルギーは、410万kWではなく、320万kWです。
・さらに、夜間は当然発電できないし、南中していない(太陽の角度が低い)時は受け取るエネルギーは減ります。
つまり、変換効率を10%としても「32万kW」という数値はピーク出力にすぎません。それを原発の出力と単純にと比較するのは机上の空論にもほどがあります。
で、以前の計算 [srad.jp]からの引き写しになりますが、
・堺の太陽光発電所は、敷地面積13ha=130,000m2=0.13km2で、最大出力6290kW、年間発電量は660万kWhです。
660万kWh÷365日÷24時間=平均750kWですから、「平均出力はピーク出力の約12%」にすぎません。
つまり、太陽電池の変換効率と合わせると、「太陽光発電所の年間平均出力は、太陽定数から求めた理論最大値の1%にも満たない」ってことです。
一方の、原子力発電所ですが、事故がなかったときの通常運転時で、稼働率はだいたい70%でした。つまり、200万kWの原発は、平均出力で見るなら140万kW相当。
140万kW÷750kW=1800ですから、堺太陽光発電所の1800倍、敷地面積240km2(福島第一原発の面積の80倍、だいたい15km四方、もしくは半径9kmといったところ)で、やっと「年間発電量が福島第一原発と同じ」になります。
Re:下がっているのは事業者間の取引価格だけ。 (スコア:2)
Re:下がっているのは事業者間の取引価格だけ。 (スコア:2)
Re:下がっているのは事業者間の取引価格だけ。 (スコア:2, 興味深い)
計算すればするほど、こういう現象が発生するのは必然だと思えます
Re:下がっているのは事業者間の取引価格だけ。 (スコア:2)
> もし日本の地熱エネルギーを100%電力に変えられるなら福島第1原発の総出力のなんと10倍という計算になります。あらすごい。
100%変えられるという非現実的な想定をしても原発10基分にしかならない、
ってもう研究開発するの時間と金の無駄じゃないですか。
Re:下がっているのは事業者間の取引価格だけ。 (スコア:1)
ヒラメイタ!
太陽電池の効率を 1,000% とか 10,000 % にしたら、もっと少ない面積で電力をまかなえるよ!
Re:下がっているのは事業者間の取引価格だけ。 (スコア:2)
電力が少ないなら、働かなければ良いのだ。
働かないと何億何兆円損するよ?と疑問に思うかもしれないが、実際のところ、社会はそんなにギリギリで動いているわけではない。
考えてみれば、今日中にしなければならない仕事なんてのは、ほとんど無いのだ。
我々人類は自然を支配した気になっていたが、自然とともに生きることが自然なのだ。
Re:下がっているのは事業者間の取引価格だけ。 (スコア:2)
電力→水素の変換効率 (スコア:2)
少し調べてみたのですが、最近はPEM電解と呼ばれる、燃料電池の逆方向の仕組みを用いて8~9割ぐらいの効率が出ているようです。
・効率75%の製品 [h-tec.com]
・9割近い効率という試作品 [ginerinc.com]と技術情報 [nrel.gov]
学術的なレビューらしきもの [sciencedirect.com]も見つけましたが、門外漢で読むのが骨なので、リンクだけ、、。
Re:電力→水素の変換効率 (スコア:2)
すみません、レビュー論文へのリンクを間違えておりました。これです。
・M. Carmo et al., A comprehensive review on PEM water electrolysis [sciencedirect.com]
技術的課題としては
・高圧になるほどメンブレンを透過してH2とO2が混ざり合いやすくなり、対策が必要に
・強酸性&高圧高電流な環境に耐えるメンブレンや電極の材料が限られる(白金族やチタンベースの材料等)
・スタック化(大型化)
等々が挙げられています。こりゃ確かに大変そう。
Re:電力→水素の変換効率 (スコア:2)
>ターゲットはエネルギー貯蔵の方法であって
Power2Gasのように既存のガスインフラに供給する場合、その分は既存ガス貯蔵設備からの供給が抑えられ、実質的に貯蔵しているのと同等の効果があります。念のため。
あとPEMの設備全体での効率ですが、市販品ベースでも約60%(5kWhの電力を投入して1Nm3の水素 [www.ceth.fr]=約3kWh分の発熱量)というものがすぐ見つかります。価格等の技術課題はともかく、少なくとも、現時点での効率が「10~40%」に留まるとは限らない、という点はお認め頂きたいなと。
電力→水素への変換効率まとめ (スコア:2)
まとめておきます。
>「水の電気分解の効率って諸説あるんだけど、10%~40%」
調べました限り、AC氏のこの表記は誤解を招くものです。
・一般的な工業用電気分解装置による水素生成の効率は、2012年時点で70%前後 [electrochemsci.org]とのことです。
実際の製品でも、装置全体の消費電力に対して6割(低位発熱量(LHV)ベース)/7割(高位発熱量(HHV)ベース)前後のエネルギーに相当する水素を得られるものが複数みつかります。
・例1 [h-tec.com](定格電力ベースで14kWh×24時間入力で水素5.8kg、等。効率は最大75%)
・例2 [www.ceth.fr](消費電力量5kWhあたり水素1Nm3、等)
・例3 [itm-power.com](システム全体の効率が最低でも70%、最大77%)
(参考:水素に関する諸定数はこのまとめ [www.hess.jp]が便利)
また開発中のものでは、変換部の効率が8~9割前後のものも見つかります。
・例 [ginerinc.com]と技術情報 [nrel.gov]
電気→水素→電気のRound-tripの効率なら3~4割程度になりますし [greenpeace-energy.de](独語ですが、PDFの20ページ目)、それはそれで揚水や蓄電池と比べて論じる意味もあるでしょう。
しかし電気に戻さずに水素のまま利用(Power-to-Gas [mgssi.com])するならば、上記のように現状でも6割/7割以上の効率が得られます(ちなみに電力→メタンでも65%ぐらい [gasnaturally.eu](LHVなら55%ぐらい?)だそうです)。
情報を追加しておけば、こうして電力から生成した水素のコストが2013年時点で既に4.19ポンド/kg、燃料電池車で使うと燃料費はディーゼル車の約半分 [itm-power.com]、などの例が見つかります。
以上より、
・水素をまた電力に戻す場合は確かに効率が低いが、それでも3~4割程度は出せる。
・水素のままで使う場合は現状でもシステム全体でも6~7割前後の効率が実現しており、また今後さらに向上が見込まれている。またコスト的にも、少なくとも現時点でガソリン等より安く生成できるようになっている。
ということが言えます。
一方のAC氏は、資料に明示されている数値を無視して、電源容量を常時100%使い切るという非現実的な試算をされた上に「不思議ですね」などとご自分でおっしゃる [srad.jp]など、遺憾ながら電源容量と消費電力の違いも分かっておられないご様子で、指摘差し上げても [srad.jp]、訂正や具体的論拠の提示が無かったことを、付け加えておきます。
家庭用(夕方):↑、大口(昼間):↓ (スコア:4, 参考になる)
幾つか統計資料を投下しときます。
・家庭用の電力料金は、この十数年で約2倍に上がっています(5ページ) [challenge25.go.jp]。ただし上昇分の半分は、税金等によるものです。
・一方で卸(や、賦課金が減免されている大口向け)電力価格は、再エネの普及を本格的に始めた2004年頃と同水準になっています [vik.de]。
・市場取引価格は、全体的に昼間(=企業が活動する時間帯)が安くなっています [renewables...tional.net](元の報告はこちら [solarwirtschaft.de]、ただしドイツ語)。太陽光の普及によります。
・買取制度(EEG、いわゆるFIT)による買い上げ価格は、今年初めの時点で太陽光で9.5セント~13.7セント/kWh、陸上風力で8.8セント/kWh前後 [germanenergyblog.de]等で、平均的な火力発電に近くなってます。(一方で日本の買い取り価格は、この2倍以上。もっと下げたらいいのに)
・再エネは現時点で電力の約1/4を供給するようになっていますが、その普及がドイツ経済全体に与えている影響は、全体にポジティブです [diplo.de]。今後、化石燃料の高騰の影響を抑えつつ新しいビジネスを産み出すことで、さらに経済に貢献するとみられています。
・なお「フランスから電力を…」という理屈の批判がありますが、実際のところ、ドイツはフランスに対して電力を売っている量の方が多いです [livedoor.jp]。国境でやりとりしてる量だけ見るとドイツの輸入が多く見えますが、それはドイツ経由でさらに他国へ輸出されている電力があるから。そもそも、やりとりしてる量自体が小さいです。
すごく大ざっぱに言えば、家庭が普及の初期費用を払うことで、大口向け電力価格への化石燃料の高騰の影響を中長期的に抑えた形になってます。他国に対してむしろ国内企業が有利になってきたので、EUに文句を言われています。
ちなみにこの間、原油の価格は数倍に値上がりしています [eia.gov]。ガス [ecodb.net]も、安くなっているのは米国だけですね。石炭も昔に比べれば高い [ecodb.net](今後はどうなるのかな)。
Re:家庭用(夕方):↑、大口(昼間):↓ (スコア:3)
言い換えれば、家庭からお金を徴収して企業の利益にしたってことだよね。
消費税を増税して、企業の減税を進めるどこかの国の政府と全く同じ方向。
そういう意味ではどこかの国の政府がドイツ流の太陽光発電を進めるのは一貫した政策と言えるのかな。
Re:家庭用(夕方):↑、大口(昼間):↓ (スコア:3)
日本とドイツでは、似て非なる点があると思います。
再エネは運転用の化石燃料費が要りませんけど、普及初期にはどうしてもそれなりにお金がかかってしまいます。
ドイツの場合、その費用を出す主体として家庭用電気料金が選ばれ、その代わりに企業はそれ以上に国内雇用や景気を良くすることで応えた形です。
一方で日本の現状を見ますと、そこまでのコンセンサスが取れていない段階で、太陽光について他国よりも非常に高い買い取り価格が設定され、のみならず当初予定を遙かに上回るペースで導入が進んでしまいました。そこは批判の対象になり、また是正が必要な点と思います。
# 何故急にあのように高い価格になったのか、個人的には今でも理解に苦しみます。そのような暴走まで想定した法体系になっていれば良かったと悔やまれます(現行法では、大臣が動かないと予定外の減額等は無理のようです)。
Re:家庭用(夕方):↑、大口(昼間):↓ (スコア:2)
もしも、家庭からお金を徴収して企業の利益にするという方針を仮定するなら、異常に高い買い取り価格や、
申請時の価格のまま、長期間買い取り価格が保証される制度も一貫性がありますね。
仮定の話だから、これが理由だと言い切るつもりはありませんが。
Re:家庭用(夕方):↑、大口(昼間):↓ (スコア:2)
現状の日本の課題の一つを言い当てておられるように思います。
そもそもそのお金がどこにどれだけ流れて行って、どういう風に使われたのかという、コスト構造の調査が不足しているように思います。
技術開発、人材教育、広告費等に使われたのはどれぐらいか。設置地域周辺の経済にはどの程度貢献してるのか(現状だとめちゃ少ないのでは…)。各種手続きにかかった費用は。
そしてこうしたお金が、最終的にどの程度、発電コスト低減に寄与し、また社会に貢献しそうなのか。あるいは無駄になりそうなのか。というか、パネルが安くなってそれ以外のコストの割合が増えた今、そもそもどこのコスト低減に注力すべきなのか。
経産省の資料 [meti.go.jp]でもある程度のデータは集められてる(たとえば42ページ目あたりから)のですが、まだまだ大ざっぱです。例えば米国でのこの分析例 [lbl.gov]と比べられると、何が足りないかイメージできるかもしれません(59ページのこの報告書全部が、米国とドイツのコスト構造の違いの分析)。
ここまで高いお金を出して頂くなら、その行き先をもっと透明にした上で電力消費者に理解を求めるべきなのだろうと思います。手間はかかるでしょうが、金額と影響範囲を考えれば、、。
業界側も、たとえば欧州のEPIA [epia.org]はいろいろな分析・予測資料を出しているんですが、日本のJPEAのサイトの資料 [jpea.gr.jp]は貧弱です。いくら数年前まで弱小貧乏業界だったといっても、せめて今後のコストの見通しのコミットメントぐらいは欲しいと思います。
Re:家庭用(夕方):↑、大口(昼間):↓ (スコア:2)
既に示した資料で指摘されてますが、ドイツ国内の太陽光+風力の合計66GW以上に対し、フランスとの連系線の容量は3GWしかなく、日常的な変動を補うには役不足です [livedoor.jp]。加えて、原発をそのような調整力として使うのは、特性やコストの面で不利と思われます。
また仮に3GW程度の調整力不足で「崩壊」するというならその分はガスタービンの発電所でも建てておけば済む話で、その程度の容量が「生命線」だなどと主張されるには当たらないと存じます。
真似てはいけないドイツの脱原発 (スコア:2)
http://sankei.jp.msn.com/smp/life/news/140626/trd14062608440006-s.htm [msn.com]
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
Re:真似てはいけないドイツの脱原発 (スコア:1)
この記事は川口マーン惠美っていう人の記事だけど。あっちこっちで同じ主張してるけど、専門家でもなんでもないんだよな。
ただ日本エネルギー会議の人間らしいから、原発推進派であることははっきりしてるようだけど。
産経新聞でもこの程度の人を引っ張り出さざるを得ないってことを鑑みると、ドイツが失敗してるっていう主張はあまり説得力
が無いんじゃないかね。
Re:真似てはいけないドイツの脱原発 (スコア:2)
この川口氏の場合、一部の負の面だけを強調して、国全体では雇用や景気を良くしてる [diplo.de]ことを無視されていることの方が問題かと思います。
(強いて言うなら、そのような詭弁を用いられても何ら責任を取らされるような職ではなさそうではありますが、それは論の正当性に直接関連しませんね。)
Re:ドイツの家庭用電気料金は10年で3倍に。 (スコア:2)
はい、日本に話の焦点を移されるなら、今の日本の太陽光の買取価格は他国に比して(同じような導入ペースだった時期のドイツを含めても)大幅に高く、賦課金が問題になるだろうと思います。(他のコメントでも散々書いていますが)個人的にも、早く引き下げるべきと思います。
一方のドイツですが、今年2月時点でやっと国民の半分ぐらいが制度の見直しが必要と考えています [renewables...tional.net]。ただし再エネの普及(Energiewende、エネルギー変革の一環)自体は69%が利益のあることと考えており、また7割は今後も電気料金が上がることを覚悟しているようです。(大元の調査(独語) [www.bdew.de]はBDEW(日本で言えば電事連のような存在?)によるものですから、調査主体によるバイアスも心配しなくて良いかと思います。)
買い上げ価格の設定 (スコア:2)
確かにドイツの2009年頃と近いのですが、2009年と言えば既に5年前です。その間、たとえば太陽電池パネルの値段も下がっていますから、少なくとも当時の価格そのままではまずいのは、分かりますよね。
分かりやすいように、もうちょっと以前のドイツの状況を例に挙げてみます。
普及を本格的に始めた頃の価格で言うならば、たとえばドイツは2004年頃は約70~90円/kWhという、今からすればとんでもない値段で買い上げていました(この資料 [lbl.gov]の15ページ)。
でもそれでも、2004年の導入量は1GW未満 [challenge25.go.jp](数字だけで申し訳ないですが、12ページの表をご参照)と、昨年度の日本の7分の1以下の導入ペースだったんです。そこまでしないと、メーカーも量産せず、流通・施工等の現場の人材も増えなかった、と言えます。そんな極端な売り手市場だったからこそ、高い額を設定したんですね。
ところが2014年現在では、太陽電池や周辺機器などのハードウェアだけでなく、施工・運用等のサービスを手がける企業まで、国内外に選り取り見取りです。競争がとても激しくて、倒産や吸収合併も日常茶飯事です。そのような買い手市場においては、買って利用する側からすれば、なるべく安い額で済ませるのが合理的です。
おっしゃるような為替や、国毎の事情の違いなども比較の際になるべく考慮する必要はあります。ただ最終的に判断基準となるのは、”予定通りの導入ペースになったかどうか”ではないかと思います。また変化の激しい業界ですので、内外の比較検討の際は昔の価格よりも、直近の世界的相場の方が、より参考になるのではないかと思います。
税金と「再生エネルギー買い取り賦課金」が半分を占めるドイツ (スコア:1)
たとえドイツの電気料金が1万円でも、半分くらい占めるのが税金と「再生エネルギー買い取り賦課金」。
図録▽電気料金の国際比較 [ttcn.ne.jp]
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
Re:月の電気代が1万とか安過ぎるだろ。 (スコア:4, 参考になる)
うちは12年前から設置してるけど、3kWくらいの出力で、季節にもよるけどピークでは売電2万円を超えることも。
最新型のパネルは数倍になっているし、10kWくらい行くんじゃないだろうか。
パワーコンディショナーの性能も上がってるのかな。
8万円は滅多にないと思うけど、5,6万円は行ってるところもあると思うよ。
10kW以上のパネルを設置すると、設置費用の補助金が貰えないけど、補助金は多くないので大容量にして、売電額を増やしたほうがお得だと思う。
ちなみに、売電契約時には電力会社に出力を申請するうえに、接続するトランス単位なので、大容量を設置すりゃいいってもんじゃない。
売電した電気は発電所まで送られるんじゃなくて、一番近所のトランスまで送られるだけ。
トランスは、電柱の上とかに載ってる小さいドラム缶みたいな変圧器の事。
だから、売電した電気は、そのトランスを共有している各世帯で使われるわけ。
ということは、その各世帯が使う以上の電気は売電できないわけ。
周囲に家が少なくて、トランスを共有している家がわずかとか、太陽光発電パネルを設置してる世帯が複数あるとか言う場合には売電できない恐れがある。
太陽光パネルの設置は計画的に。
Re:月の電気代が1万とか安過ぎるだろ。 (スコア:1)
住んでる人数が同じだったら、使う家電の数も似たような物にならない?
豪邸ったって部屋の広さと数が大きいだけで、誰も居ない部屋のエアコンや照明を
毎日つけっぱなしで過ごしてるとか、そういうんじゃないでしょうし
Re:月の電気代が1万とか安過ぎるだろ。 (スコア:1)
地方の伝統的な民家(平屋で8畳間×6部屋を冠婚葬祭ではひとつづきにして使うような)だと、
増築部分の洋間以外エアコンもなかったりするし、実はあんまり電気つかわないのでは?
Re:月の電気代が1万とか安過ぎるだろ。 (スコア:1)
>場所は首相のお膝元
溜池山王とか、都心もいいとこじゃないですかー。
あれ?違う?
電気が宅急便で送れればいいのに(マグネシウムとか) (スコア:1)
送る事自体にエネルギーがかかって無理か?
Re:×石炭火力発電所は赤字運営が余儀なくされる (スコア:2)
火力発電所が無くなったら需給調整できなくなるし。
余った電力はどっかに捨てればいいとか思ってるのかな。
ドイツの場合は隣国に激安で売りつければ捨てたことと同じか。
Re:×石炭火力発電所は赤字運営が余儀なくされる (スコア:1, 参考になる)
Re:×石炭火力発電所は赤字運営が余儀なくされる (スコア:2)
Re:×石炭火力発電所は赤字運営が余儀なくされる (スコア:1)
日本も真似てやればいいと思う、ただビジネスモデルはもう少し整備しないといけませんが
Re:×石炭火力発電所は赤字運営が余儀なくされる (スコア:2)
DT反応で出てくる中性子で次の燃料(トリチウム)を生成するデザインなんだから、それだと燃料生産できなくなるじゃないですか。
実証炉~商用炉を起動する際に必要なトリチウム確保の目処ってもう立ってるんでしたっけ?
Re:×石炭火力発電所は赤字運営が余儀なくされる (スコア:2)
Re:値上がりしてる、と言われてるが? (スコア:3)
このあたりでしょうか。
調べる限りドイツの再生エネ買い取り政策は失敗としか思えませんね。
チェリーピッキング (スコア:2)
別コメントにも書きました [srad.jp]けれど、家庭が再エネ普及の初期費用を負担する代わり、大口向け電力のコストは抑えられています(特に昼間)。国全体の経済にとっては、再エネの普及が利益になっています [diplo.de]。
一方でこの川口氏の論は、負の面だけを強調して、全体的に利益になっている点は無視されています。
それは部分による全体の否定、もしくはチェリーピッキングで、詭弁だと思います。
Re:チェリーピッキング (スコア:2)
算出されてないから信用ならん数字だって言うのは妥当だと思うけどなあ
Re:チェリーピッキング (スコア:2)
元の資料 [diplo.de]には、「限界コストはほぼゼロに等しくなります」と書かれているだけで、「メンテナンスコストを度外視」してるなどとは記されていません。
しかしこのAC氏は、
・「度外視」してるという具体的な証拠を、そもそも示しておられません。火力発電等のメンテナンスコストに対してどのぐらいと計算されているから、「度外視」なのでしょうか?その定量的な証拠はどこなのでしょうか。それとも、こちらが気付いていないとでも思われていたのでしょうか。
(証拠を全く示さずに主張を続けられる方に対しては大甘ですが)こちらからツッコミを入れるならば、風力発電の最近の買取コストは既に平均的な火力発電に近くなっています [srad.jp]が、それでも普及が続いています [wind-energie.de]。本当に「度外視」しているなら運営が成り立たずに普及が止まるはずで、事実と矛盾していると存じます。
・仮に「メンテナンスコスト」の計算に何か不備があったとしても、それがどの程度「ダメ」なのか、国全体では利益になっているというデータにどの程度、どのように影響を与えるから「ダメ」なのか。定量的な論拠を何も示しておられません。
全体での利益になっているというデータに対し、それを覆せるような定量的な証拠を何も示されないまま、「村」などの陰謀論 [srad.jp]を並べただけで、「(こちらの言葉だけ真似て)チェリーピッキング」「ダメ」などと批判されています。重ねて指摘しますが、具体的証拠なしに批判されるのは、事実上の印象操作と存じます。
# 余所でも同様の手口を使っておられそうなので、IDで。
Re:チェリーピッキング (スコア:2)
重ねて言いますが、「限界コストがほぼゼロに等しくなる」旨が記された公的資料 [diplo.de]に対し、「ダメ」等と批判を加えてこられたのは貴方です。相応の論拠を示す責任は貴方にあり、問われても示せないなら、それは印象操作だと言われても仕方ないと思います。
元の資料は「ほぼ」という表現をわざわざ入れているのですから、何らかの費用はかかるけれど、ゼロでも無い。でも直前に対比されている化石燃料火力発電に比べ、それが無視できるほど全体の利益が大きくなる、ということを意味すると解釈できます。(おそらくは、再エネの値下がりと、化石燃料のさらなる値上がり等によって?)。曖昧な表現であるのは確かですが、それでは、全体の利益が大きくなるという結論をひっくり返すことは出来ないと存じます。
それでも貴方が「ダメ」などと断定的に批判されるなら、相応の定量的な資料を示される必要があると思います。
また「頭を冷やした方がよい」ということでしたら、こんなところで匿名で威張っておられないで、資料の出所のドイツ大使館へその旨お知らせして差し上げたら、皆様の役に立つのではないかと思います。もちろん、「メンテナンスコスト」や「送電線」(その他に何を追加されますか?)や、対比されているであろう化石燃料発電コストの見通し等の定量的、具体的な証拠を添えて、ね。
Re:チェリーピッキング (スコア:2)
結局このAC氏、自分のソースは提示されないままのおつもりのようですね。電力関係者によく見られる癖ですね、、。
・ドイツにおける各種電源の発電コスト(LCOEベース)の比較。下記P16(PDFの18ページ目)。
Fraunhofer ISE, LEVELIZED COST OF ELECTRICITY RENEWABLE ENERGY TECHNOLOGIES [fraunhofer.de]
陸上風力は火力と同等。太陽光はまだ褐炭には及ばないが、大規模ならCCGTのガス火力並。
火力のコストは4~10ユーロセント/kWh(5.6~14円/kWh)ぐらい。最安は褐炭、国内産だが、今後全廃予定。
比較的低炭素&柔軟性のあるCCGTは8~10ユーロセント/kWh(11.2~14円/kWh)ぐらい、でもガスは輸入、かつ値上がり懸念。
・世界における風力発電(陸上)の運用・メンテナンス(O&M)コストの平均的な値は、現時点で一般にUSD0.01/kWh~0.025/kWh(1~2.5円/kWh)(下記PDF5ページ目)。
IRENA, RENEWABLE ENERGY TECHNOLOGIES: COST ANALYSIS SERIES, 2012. [irena.org]
またO&Mは基本的に国内産業、かつ今後も低減が見込まれます。
ここで現時点の値だけ、それも一番安い褐炭(4円/kWh)と、比較的高いO&M(2.5円/kWh)を比較し、しかも国の貿易収支に与える影響の差を無視するならば、4対2.5ですから、そりゃ確かに「ほぼゼロ」などとは言えないでしょう。あるいはそこでさらに、未熟な日本市場だけを判断基準にされ、世界の最新のコストも調べておられなければ、下手するとO&Mの方が高いと思い込まれている方も、どこかに居られるかも知れませんね。
でもここで扱っている、ドイツ大使館の資料は、ドイツにおいて、2030年まで、さらにはそれ以降まで、かつ輸出入に与える影響まで論じている資料です [diplo.de]。そのような近視眼的、あるいは現在の日本を基準とした判断は不適切です。
もしドイツが予定通り石炭全廃へ向けて進むならば、今後多く用いるようになると思われますのはCCGTです(彼らは他のオプションも複数並行して開発を進めていますから、数十年後にどうなるかは不確実性もありますが)。その発電コスト(限界コストもこれに近いですよね)が軽く10円/kWhを超える一方、風力のO&Mは現時点でも1円/kWhを切っているかも知れません。また前者の値上がりと後者の値下がりにより、今後両者の差は拡がることが見込まれます。
その上、元の資料 [diplo.de]がページを割いて論じている輸出入への影響は、風力のO&Mはほぼ無視できるでしょうが、ガスの輸入ではそうは行きません。
残念ながら、原文では「(限界コスト)」の表記が妙な位置にあって、彼らがどのように定義しているのか正確に分かりません(翻訳の不備かと思いますが…これは本当に指摘してあげる価値がありそう)。
それが上記のような化石燃料費と風力等のO&Mの単純比較で、その比がせいぜい10対1程度というならば、桁違いの差があるとは言えても、「ほぼゼロ」と表現するのには抵抗があるかも知れません。
しかしそこでもしも、両者の今後のコスト変化に加え、(彼らが同じ資料で論じている)貿易収支への影響の差まで反映して考えるならば、「ほぼゼロ」と見なせるような(たとえば50倍、100倍といった)差も付くように思います。
(私が「限界コストの計算方法」を問うたり、「国全体での利益」を挙げて論じてきたのは、それが理由です。)
元の資料 [diplo.de]全体を通して読んで頂ければ分かりますが、彼らは単純な発電(or限界)コストだけ、あるいは現時点での状況だけでは物事を論じていません。今後数十年の国のエネルギー供給と安全保障がかかっているのですから、それが自然と思います。
一方、ソースも示さずに開拓者の批判ばかりされてきたAC氏は、どうでしょうか。上記のような情報に触れて、少しは得をされたでしょうか。触れていなかったら、どのような損をされたと考えられるでしょうか。
「頭を冷やして」よくお考え頂ければ、幸いです。
Re:値上がりしてる、と言われてるが? (スコア:2)
隣国と接続できない(いや技術的には出来るけど、政治的に難しいという意味で)という点は確かに、不利な要因ですね。
またそれでなくても、今みたいに予定を大幅超過した無茶なペースでの導入を続けたりすれば、ほんとに品質に悪影響が出かねないと思います。一方で、日本にはドイツと異なり、調整力に富むダム式水力(揚水含む)や、(本来は調整力に富む)地熱資源が多い点では有利とも言えます。
変動する太陽光や風力も、出力予測を行った上で(起動停止が容易な)ガスタービン等(将来は需要制御、燃料電池等も?)を組み合わせて運用することで、全体では安定な(かつ、化石燃料消費量を減らした)電力供給が可能です。そうしたインフラの整備には時間もお金もかかりますけど、電力需要量のたとえば3割程度までは、どの国でも、そうした系統安定化のための追加コストは中長期的に小さく済ませられると見られています [iea.org]。(一部の方々が主張されてるように「100%再エネ!」とかになると、また話は別でしょうけど。)
日本でも検討が進められているようです。たとえばこの資料 [meti.go.jp]の後半に、北海道や東北を具体例に挙げた紹介があります。スペイン(+ポルトガル)と規模や連系線の状況が似てるので、対比されてますね。
Re:値上がりしてる、と言われてるが? (スコア:2)
再エネは設備を導入するときに一番費用がかかるということもありますが、こと現時点の日本においては、そもそも化石燃料の価格が上がっていることが大きい [itmedia.co.jp]です。
なお世界的には、今後新規に建設される発電所は、急速に再エネの比率が高まる [folioshack.com]と見られています。再エネを使った方が、コストが安くなるためです。現時点で4割ぐらいですが、2030年には8割ぐらいになると見られています。
# ただし、今の日本の太陽光みたいな高い買取価格を続けてたらアカンのは自明かと。
Re:矛盾 (スコア:1)
ドイツの電力は、輸入より輸出が多いんだよ。
スイス、オーストリア、デンマークなどなど、周辺国への電力輸出が多いんだよね。
フランスからの輸入は多いんだけど、フランスがドイツの先にあるこれらの国に原子力発電の電力を売ってるだけと考えたら理解できるかな?