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電力

太陽光発電の「売電」に関する決定 217

ストーリー by hylom
これも一種の格差 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

少々古くなったが、読売新聞の「『太陽光発電』買い取り費、全世帯に料金上乗せ」という記事によると、家庭用太陽光発電の余剰発電分を買い取る新制度で、買い取は通常の電力使用料金のおよそ倍額で電力会社が買い取り、その買い取りコストを全世帯に転嫁することで決定したと経済産業省が小委員会で公表したとのこと。

太陽光発電の普及促進のため、導入コストを償却できる期間を短くしようと言う考えだと思われるが、問題は低所得家庭を含む全世帯に太陽光発電による売電分の負担をさせるということ。

ドイツなどでも今回の日本での決定と同様に高く売電できるため、電気料金の収支が黒字になる世帯などもあり、太陽光発電付き賃貸住宅もある。

しかし、太陽光発電で売電をしながら実際の使用は通常の電力会社からの供給を頼ったり、太陽光発電ではない電力会社からの電力を中継して売電するなどの防止策などは考えられているかは報道の範囲では分からない。

集合住宅に住む立場としては、太陽光発電を導入したくても導入できないのに、その普及促進のために電気料金を一方的に高くされるのにはモヤモヤ感を抱く。電力会社はほとんど負担しないというのも腑に落ちない。しかしながら、個人的には普及率が高くなるにつれ、発電パネルの単価が下がるほうを期待したい。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by movi (18995) on 2009年07月27日 22時20分 (#1612686)

    電力会社はほとんど負担しないというのも腑に落ちない。

    彼らの負担はね、見えないところにあるんだよ
    太陽光発電の普及の思わぬリスク [srad.jp]を読んでみると良い

    • Re:電力会社も気の毒に (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2009年07月28日 17時35分 (#1613241)

      >彼らの負担はね、見えないところにあるんだよ
      その見えないところも含めて、
      ・一般家庭の電気代は据え置き
      ・売電から電気会社が買い取る値段を少し安くして
       その分をリスクヘッジに回す。
      という形にならないってとことが腑に落ちないのでは。

      リスクがあるというのなら
      売電できますよー。電気代安くなりますよー。って言うだけでなく
      一般家庭が電気を売電することによる問題点も、
      もっときちんと説明して、
      「同じ電気でも一般家庭の売電する電気の価値は少し低い」
      って言えばいいんじゃないのかな。
      # 自分の家のなかで消費する分には、電気を買わずにすむわけで
      # その分電気代が安くなるんだからさ。

      親コメント
  • by funya (14942) on 2009年07月28日 18時29分 (#1613287)
    火力、原子力に依存している今の日本の状況がおかしい。火力を減らさざるを得ないのは当然。
    原発の総合的な環境負荷と信頼性の低さに比べれば、太陽電池や風力、水力を導入しなければ
    ならい。そのコストを払うのは仕方がない。

    現状でとんとんとか言われているが、石油の値段がちょっとあがれば、そんなのは問題なくなって
    しまう。

    日本は中緯度、日照量の低さという不利な点はあるが、それでも太陽電池の比率を上げて
    電力供給のリスクと、環境へのインパクトを減らすのが重要だと思う。それを払うのは
    電力会社だし、それを価格に反映させるのも当然だと思う。リスクはあるが安い電力
    も一緒に売り出しても良い。
    • by s-kei (16661) on 2009年07月29日 0時48分 (#1613540)

      >石油の値段がちょっとあがれば、そんなのは問題なくなってしまう。

      この一言に尽きます。
      昨年の例で言うと、一般的な家庭の電気料金は「燃料費調整」によって月あたり250~550円ぐらい値上がりしています。
      それでも吸収しきれないほど原油が高騰し、電力会社は昼間に電力を売ってもアシが出る状態になり、大赤字を計上しました。
      それを取り戻すため、値上がりは今年になってからも続きました。

      このように一過性の値上がりだけでも日本の経済に大打撃を与えたのですが、問題は今後も値上がり基調だと見られていることです。

      米国エネルギー情報局(EIA)や国際エネルギー機関(IEA)は、今後20年のうちに原油価格が恒常的に120ドル/バレルを超えるようになると予測しています。
      http://www.eia.doe.gov/oiaf/ieo/graphic_data_highlights.html [doe.gov]
      http://www.worldenergyoutlook.org/docs/weo2008/WEO2008_es_japanese.pdf [worldenergyoutlook.org]
      原油の価格の予測なんて当たらないことで有名ですけど、それでも採掘価格の上昇はIEAの報告書でも繰り返し指摘されているところです。
      またオイルサンド(砂にコールタールがまじったようなもの)なんてものまで採掘されていることからわかる通り、質の低下も指摘できます。
      さらに原油の価格と連動して、天然ガスやウランの値段も乱高下しています。

      その一方で太陽電池は今後も値段が下がっていって、もう10~15年もすると火力発電と同じぐらいの発電コストになると見られてます。
      アメリカなど最近計画を前倒しして、2015年までに同じにすると息巻いてます(Solar America Initiative)。
      http://steab.org/docs/Sandia_Photovoltaics_Program.pdf [steab.org] (5ページ参照)

      発電所ってのはたいてい30年とか40年使われますから、今から新しく火力を造るよりも、今から頑張って太陽電池を量産し始めた方が、
      結局は安くつきそうなんですよ。お天気任せだし色々面倒 (^^; ですけど、それでもその分原油やガスを燃やす量を減らせますから。
      あと太陽電池は、輸出もできますね。

      つまり
      ・今確かに電気代は上がるけど、それは去年みたいな原油高騰の影響よりはずっと小さい。
      ・今確かに電気代は上がるけど、その分、国内の景気や雇用は良くなるはず。
      ・今確かに電気代は上がるけど、その分、将来の原油高騰の影響は小さくなるはず。
      と言えます。
      自分の家に設置できなくても、電気代の負担が増えても、結局は何らかの形で身の回りにその恩恵が戻ってくるはずなんですよ。
      またその恩恵の額は、負担より大きくできるはずです(実際、ドイツなどは余裕で元が取れている)。
      http://www.env.go.jp/earth/ondanka/conf_re-lcs/rcm.html [env.go.jp]

      負担にばかり目を向けずに、その恩恵を是非積極的につかまえて欲しいと思います。
      実際のところ、そうしなければ温暖化対策なんて進みませんし。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2009年07月28日 22時42分 (#1613466)
      > 火力、原子力に依存している今の日本の状況がおかしい。
      その認識がおかしい。
      http://www.iae.or.jp/energyinfo/energydata/data1017.html [iae.or.jp]
      親コメント
  • ソーラーもこれから (スコア:2, すばらしい洞察)

    by nemui4 (20313) on 2009年07月28日 8時34分 (#1612826) 日記

    太陽電池についていつも思ってて、思ってるだけで全く調べていない疑問。

    太陽電池を作る時の環境へのインパクトというか汚染の具合。
    半導体なんでしょ?薬品とか使ったり、色々あるんじゃね?とか思ってる。
    メンテも必要だろうし、古くなったら廃棄、取り替えというサイクルもあるだろうし。
    その辺の話全く見たこと無いのは取るに足らないことなのかなぁ。
    とか思いつつも口には出したことがない。

    他の「エコ」関連テクノロジー全般に対してもこの疑問は少なからずあるし。

    #エコカー減税やエコポイントなんてエコロジーなじゃくて、エコノミー補助にしかなってないと思ってる。
    #主目的はどうみても景気促進だよね。
    #適当なサブジェクト思いつきませんでした。

    • by metier (17448) on 2009年07月29日 0時20分 (#1613526)

      投入エネルギー量が削減エネルギー量とバランスするまでの時間
      多結晶シリコンで1.5年、アモルファスシリコンで1.1年、化合物薄膜(CIS)で0.9年

      排出CO2量が削減CO2量とバランスするまでの時間
      多結晶シリコンで2.4年、アモルファスシリコンで1.5年、化合物薄膜(CIS)で1.4年

      出典:太陽光発電のエネルギーペイバックタイム・CO2ペイバックタイムについて [aist.go.jp]

      よく言われる20~30年というのは投資を回収するまでの期間なので、
      太陽電池の購入を経済的に回るようにする施策は、温暖化対策としての嘘はついていない。

      主導が経済産業省なので嘘臭く見えるけど、電力会社の管轄省庁は経済産業省なので環境省はイニシアティブを取りにくいんだろうな。

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      • by s-kei (16661) on 2009年07月29日 1時48分 (#1613573)

        ちょっと横ですが。
        >環境省はイニシアティブを取りにくいんだろうな

        推測ですが、彼らはあえて経産省に譲ったんじゃないでしょうか。
        というのは経産省が今回の方針を打ち出す直前、環境省が下記のようなレポートを出しているんですよ。

          低炭素社会構築に向けた 再生可能エネルギー普及方策について(提言) [env.go.jp]

        えらい長たらしい名前の上にとんでもない分量のレポートなんですけど、結論は
        ”再生可能エネルギーの普及には確かにすごいお金がかかるけど、それ以上に便益(経済的なもの)の方が大きくなるはずやで”
        です。環境保護の効果もちゃんと付いてきますし、エネルギー自給率も向上します。ドイツでも実証されてるようなことが、日本でも可能だというレポートです。

        たぶんこのレポートで、環境省は関連する利権を全部取ることも出来たと思うんですよね。実際、ドイツは環境省が主導してますし。
        でも実際に施策を打ち出したのは経産省で、その発表とほぼ同時に環境相から歓迎のコメントが出ています [env.go.jp]。

        真相は語られて無いのでわかりませんけど、これ以来、環境省と経産省があんまりケンカしなくなったように思えます。

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    • by s-kei (16661) on 2009年07月29日 2時26分 (#1613587)

      >太陽電池を作る時の環境へのインパクトというか汚染の具合
      >その辺の話全く見たこと無いのは取るに足らないことなのかなぁ。

      ご想像の通りで、そういう面でみても環境保護になります。
      原油や石炭を燃やす火力発電所の方が、桁違いに多量の汚染物質を排出しちゃいます。
      だから重金属汚染とかそういう面でも、太陽電池の方がずっとクリーンです。
      下記に代表的な論文があります(要約。全文閲覧は有料)。他にもあると思う。
      http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/es071763q [acs.org]

      ただし、中国の一部で見られるようなズサンな汚染対策の場合は別ですが。
      # 製造時の環境保護がなってない国や製品は、関税上げるようにするべき時期だと思う。

      ---------
      >主目的はどうみても景気

      一部だけ取りましたが、その見方は正しいと思います。
      商売的な考え方で普及を進めると、結局は環境保護も効率よく進むので。

      経済成長と環境保護って、実際は両立できるんですよ。

      # もちろん、闇雲に高い目標を掲げればいいってもんでもないですが。

      親コメント
    • そもそも、太陽電池パネルが実用的な寿命のあいだに生み出す電力の総量は
      それを作り・売り・取り付けるのに使った石油を発電に使った場合に生み出
      す電力を上回っているのでしょうか?
      もし、そのまま燃やしたほうが得だってんなら、ナンにもならない以上に詐
      欺でわないかな?

      参考サイト武田邦彦 (中部大学): 標語の前提と語尾・・・希望と現実 [takedanet.com]

      --
      **たこさん**・・・
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2009年07月28日 17時30分 (#1613233)

    この話、kmori58 さんのブログで昔読んだことあります。
    http://d.hatena.ne.jp/kmori58/20090220/p1 [hatena.ne.jp]

    あと、現状の太陽光発電システムでは、トータルコストとしては
    ペイしないという話があります。
    http://www.gns.ne.jp/eng/g-ken/doukan/agr_430.htm [gns.ne.jp]
    環境負荷はともかく、コスト的には、まだ時期尚早なわけですね。
    で、このスレッドの話題は、トータルだと増大するこのコストを、
    誰が負担するかという話なわけです。

    国も、発電効率よりも、トータルコストの方を主眼に研究開発を
    推進すればいいのに...

    • >貧乏人から金を取り上げて、太陽光発電趣味の金持ちにプレゼント

      こちら [srad.jp] でフォローしましたが、今回の制度は
      電力会社が電気料金を原資に、必要な発電所を建てる事業です。火力発電所や原発と同じです。
      まだ普及規模が小さくて値段の高い技術を使っている、というだけです。

      また太陽光発電を導入した家も、建設資金を出し、長期間にわたって場所を提供し、それなりの点検や保守も行います。買電収入も、せいぜい駐輪場1台分です。

      たまたま駅の近くに自転車を一台停められるスペースを持っていた家を、うらやむ気持ちは分からないでもありません。
      だからといって国のインフラの整備をそこまで悪趣味な言葉でけなすのは、ご自分でどこかおかしいと思いませんか。

      親コメント
  • 倍額で購入してもらえると信じて太陽光発電を導入すると、数年後には倍額での買い取り制度が廃止されたりする予感がする。

    • by qem_morioka (30932) on 2009年07月28日 19時41分 (#1613365) 日記

      いっかい補助金打ち切ってる前例あるからね。

      200万かけて太陽光発電システムいれるか
      部屋増やしてベランダ広くできるかどっち?

      うちの財務省はベランダを取りました。
      確かにそのとき導入しなくてよかったなと今は思いますね。

      システムがもっと安くなってから入れてもいいけど
      せめて半額だな。

      親コメント
  • 詐欺が可能? (スコア:2, おもしろおかしい)

    by saitoh (10803) on 2009年07月28日 19時36分 (#1613359)
    太陽電池パネルをつけた家がつけてない隣の家と結託して、隣の家で受けた電力を太陽電池で作ったふりして電力会社に売ると・・・。 買値の倍で売れるのなら、多少の設備投資をしてもペイするのでは?

    これって刑法的に詐欺になるのだろうか?

  • あまり消費電力が多くない日中に発電量が多いのが使いにくいんだよね。
    だから、当面は売電とかでもいいと思うんだけど、将来的にはエネルギーを
    蓄積する方向に行くべきなんじゃないかと思う。

    たとえば、日中の余った電力でお湯を沸かしておくとかして家庭内で使う方法は
    あると思います。高効率キャパシタが実用化されて、蓄電しておいて、夜にそこ
    から放電して使えば、電力会社から売電する必要は減りますよね。

    売買電は一時的な対策で、恒久的には燃料電池とかも含めて、世帯内でエネルギー
    供給・消費を完結させる方向に行くのがいいのではないかと。

    • by Anonymous Coward on 2009年07月28日 21時01分 (#1613409)

       しばらく前のクローズアップ現代(だったと思う)で、駐車している電気自動車を大容量バッテリーに見立てて、太陽光発電で充電し、夜間に家庭用電源として利用するという構想が語られていました。
       電気自動車が今後主流になるとして、案外アリかもと思ってしまいました。

      親コメント
  • 倍にはなりましたがそれでもヨーロッパの半額です。 30年たってもペイできないといわていましたが、これで20年ぐらいでペイできるようになるのかも。 太陽電池の業界ではすでに日本メーカーは遅れを取っていますが、 このまま後進国として終わるんでしょう
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吾輩はリファレンスである。名前はまだ無い -- perlの中の人

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