原子1個で1ビットを記録する技術 35
ストーリー by hylom
限界リミットへ 部門より
限界リミットへ 部門より
あるAnonymous Coward曰く、
オランダ・デルフト工科大学の研究者が、1ビット当たり原子1個を使って情報を保持するメモリを開発したそうだ。記録密度は現時点でハードディスクの500倍にも達するという(Engadget、Techcrunch、Nature Nanotechnology、Slashdot)。
このストレージは、銅でできた記録面に走査型トンネル顕微鏡を使って塩素原子を配置することでデータを保持する。塩素原子は格子状に整然と並ぶため、そのうち幾つかの原子を取り除くことで塩素原子が2つの位置をとれるようになり、0と1の表現ができるという。
ただし、このストレージは絶対温度77度の真空中でしか安定しないとのことで、実用化にはまだ遠そうだ。
どちらかというと (スコア:4, 興味深い)
HDDの記録密度のほうに驚いたんだけど……
原子一個一個で記録しても500倍程度にしかならないのか。
勝つて言はず、敗れて語らず、
謙譲を崇ぶ者は君子也、怨怒を起す者は小人也。
Re:どちらかというと (スコア:1)
自分も驚いたので確認しました
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/723207.html [impress.co.jp]
これによると、おおよそ10^3 Gbit / in^2 位
ゴニョゴニョ計算すると1bit / 10 nm^2位 なので一辺が3 nm程度
原子1個が0.1nmとすると、まあオーダーは合ってますね
スゲーなぁ〜
#計算間違ったらゴメン
リンクには、研究者いわく、実用化は時間の問題と言っているので、期待しましょう
ただ、これで本格的に頭打ちな気がしますね
現状の書物を全て保管するのにどの位の面積必要なのでしょうか?
ファインマンの予言は当たるかな?
Re:どちらかというと (スコア:1)
今、私の目の前にあるHDの高さが12 cmで容量は3TB
購入は5年前、当時3万円位の機種
ザックリ計算でガワの面積を採用して5x5in^2とすると、100GB/in^2となりますね
非常に荒っぽい試算だけど、原子記録に対して数万とか百万分の一位のオーダー
現状技術て凄いな、、、、
Re:どちらかというと (スコア:1)
その計算は、面積辺りの原子数でしょ?
HDDの磁性体は厚みがあって、それが記録を保持する力を提供してる。
関連トピック見ると百万個とか使ってるみたい。
今回の技術だと、結晶表面しか使えないから厚みが原子一個分しかない。
で、これを原子レベルで積層出来るかと云うと無理っぽいから、体積あたりの密度は別物かと。
-- Buy It When You Found It --
Re: (スコア:0)
塩素原子の「ある or なし」で「0 or 1」を示してるようなので、原子1個にもっと情報を詰め込められれば記録密度は上げられるかと(実現可能かはさておき)。
物理的な段差を判定基準にしてるようなので、それをもっと精度上げたりSTM(走査トンネル顕微鏡)のような電子状態まで読めるものを応用すれば、もっと
情報は詰め込めそうです。
塩素原子だけでなく複数の元素や分子を利用するとか。たぶん書き込みや読み取り時間は増大しちゃうけど…。
あとは原子1個単位でスピンや電荷などの電子状態を制御するとか?
Re: (スコア:0)
それだけHDDの方がチューニングされているということでしょ
面積的には (スコア:2)
原子4つ分で1ビットじゃないのかな。
Re:面積的には (スコア:5, 参考になる)
https://arxiv.org/ftp/arxiv/papers/1604/1604.02265.pdf [arxiv.org]
こちらはNatureの完成原稿1歩手前くらいのバージョンだと思います。
画像(Figure 1, 2)を参考にすると
○ ○
○■○□○
○ ○
○□○□○
○ ○
○□○□○
○ ○
(○は銅原子、■には塩素原子が無い、□は塩素原子が有る)
という表現方法なので、実際はかなり広い場所を使っているようです。
ビットのように見える黒いものは、実は塩素が無いピットになっています。
塩素原子が無い状態はまわりに塩素原子が存在することで安定しているので、穴が上下左右で連続することは避けねばなりません。
なお、上図で空白になっている場所は少し奥に銅原子が詰まっていると見てください。
平坦な銅板の上にあるデコボコに規則正しく塩素原子を並べている……えーと、きれいに並べた野球ボールの上にテニスボールを乗せてるようなもんと。
この銅と塩素の十字型(原子4つ分)を1ユニットとして6つ分で1ビットを表しています。
▲△
▲△
△△
ON/OFFを表すのは黒い▲の部分だけで、その他は塩素有りで固定されています。
▲は「塩素原子がどちらかに無いという状態」と見てください。
安定性については、77Kでは数時間は保つということらしいです。
#このごろは0.1nmがむっちゃデカく感じるし1000光年がむっちゃ近所に思える
素人の疑問 (スコア:0)
固体物体中の原子って、結構入れ替わったり移動したりしなかったけ?
Re:素人の疑問 (スコア:2, 興味深い)
だから、77Kまで冷やさないと使い物にならないのでは?
とは言え、窒素の沸点だから液体窒素を冷却に使える訳で
実用化に際しての敷居はそれ程高くないという印象。
Re: (スコア:0)
ハードルね
Re: (スコア:0)
その低い敷居につま先をぶつけたらいいのに
Re: (スコア:0)
ひょっとすると過去に不義理をはたらいたのかもしれません。
液体窒素に。
Re:素人の疑問 (スコア:2, おもしろおかしい)
記憶の入れ違えなんてよくあることです
Re: (スコア:0)
ちょっと液体窒素浴びてくる。
Re:素人の疑問 (スコア:1)
いわゆる拡散とかですね。
金属の再結晶や析出は拡散の結果低エネルギー状態に落ち着く現象ですが、高純度銅とかでは室温でも再結晶しますから、このメモリを室温で動作する(というか長時間状態を保持する)ようにするのはまだまだハードルが高いでしょうね。
装置の大きさ (スコア:0)
それで現在の所装置全体ではどのくらいの大きさになるの?
読み取る方法は? (スコア:0)
記憶装置として使うには読み取る方法もないといかんと思うけど
読み取る方法は顕微鏡で眺める以外にないなら記憶装置ってのはちょっとどうかと
Re: (スコア:0)
X線結晶構造解析じゃ駄目?
Re: (スコア:0)
針でピックアップするんだろ
原子500個で1ビット (スコア:0)
凄いと見るべきなのかどうか
原子1個じゃあ宇宙船放射線で一発で飛びそう
(そのためのデータ訂正に原子何個分。。。)
Re:原子500個で1ビット (スコア:3, 参考になる)
今回の奴は原子1個でビット反転障壁が0.3eVもあるので結構すごいです。
とはいっても、宇宙線ではふっとびますが。
後、今回は超高真空でやってますけど、大気下だと酸素に塩素空孔から攻撃されそうですけど大丈夫なのかな。
ちなみに今回の論文でも簡単なエラー検出機構がついていて、グリッドをセグメントに分けて、各セグメントに不良があるかどうかの印を付けていますね。
Re: (スコア:0)
> 原子1個じゃあ宇宙船放射線で一発で飛びそう
それ自体はそのへんのHDDやメモリーでも同じじゃね?
科学技術は進歩しても (スコア:0)
記録するのはエロデータ!
残念!
Re:そんなにいいものなら (スコア:2, すばらしい洞察)
民生まで降りてきてからようやく取り上げるなんてアレゲじゃないね
Re:そんなにいいものなら (スコア:1)
何も買わずに生きてるのか?
ハードディスクなんてその手の技術の結晶だぞ。
Re: (スコア:0)
ここまで苦労しても今の500倍程度なんだ、って感想。
Re:そんなにいいものなら (スコア:3)
現在では1bit記憶するのに、原子のたった500倍のサイズしかないんだ!?
って驚いた。
Re:そんなにいいものなら (スコア:1)
それも面密度なのか体積密度なのかが気になる。
Re: (スコア:0)
実用化するのは技術者の仕事
Re: (スコア:0)
ICを見たことないとか。
身の回りの技術は大抵大昔に紹介されてるはず。
青色LEDは比較的最近かな?
Re: (スコア:0)
まだ研究段階での話と、商品化されそうなものの話は分けて考えた方がいいです。
研究段階のものは実用化まで数十年のスパンがあったり、実用に耐えられず研究止まりのものも多いので。
(それでも他の研究に生かせるかも知れない)
個人的には過去に注目された研究が現在どこまで進行してるのかや、どういう理由でポシャったのか追跡取材
があるとおもしろいと思うんだけどなー。
Re: (スコア:0)
http://hardware.srad.jp/story/14/09/11/0349206/ [hardware.srad.jp]
二つまとめて投入しました
Re: (スコア:0)
お前はマラソンの折り返し地点で「なんでまだゴールできてないの?」と聞くのか?
ゴール地点で「なんでこんな遅かったの?」と聞くのなら理解できるが。