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関西電力、河川維持流量を利用した小水力発電所を新設 88
ストーリー by headless
チョロチョロ 部門より
チョロチョロ 部門より
tarxz 曰く、
関西電力は黒部川の出し平ダム(富山県黒部市)に、河川維持流量を利用した小水力発電所「出し平発電所(仮称)」を新設することを発表した(プレスリリース、 環境ビジネスの記事、 マイナビニュースの記事)。
河川維持流量とはダム下流の河川環境維持のために放流する必要流量で、新設する発電所の出力は約510kW、年間の発電電力量を約170万kWhと見込んでいる。これにより、CO2排出量が年間約480トン削減できるという。2014年5月に着工し、同年12月に営業開始を目指す。
既に認可最大出力41,200kWの新柳河原発電所と124,000kwの音沢発電所が設置されている出し平ダムにとって新発電所は小さな取り組みとなるが、小さなことからコツコツと、ということだろう。
ちゃんと儲かる設備だといいなあ。 (スコア:4, 参考になる)
小さな量をこつこつと、はいいんですけど、初期投資+維持費用がちゃんとペイできてるといいなあ。
発電系の施設って、規模が小さくても、運用監視やメンテナンスに一定の人手・コストが必要で、
結果的に「大きいことがコストダウンの決め手」という傾向が比較的強い分野なので。
そのため、「小さい量をこつこつと」系の発電設備(ex.「風が弱くても回る風車」等)の話を見ると、
つい、「それ、収支赤字のプロモーション用途の設備じゃないよね?よね?」と勘繰ってしまいます。。。
Re:ちゃんと儲かる設備だといいなあ。 (スコア:5, 参考になる)
ここが儲かっているかどうかは知りませんけど、小規模水力はちゃんとやればお金になりますよ。
地元の農業用水路(農業用に、河川から水を引き込んではるばる農地に水を流す水路、総延長50キロ以上あります)は地形上、それなりに落差がかなりあるのですが、その機関となる水路のところでかなり昔から小規模水力発電をやっています。
実際には(以前の法律の絡みなどで)電力の売買ができるわけではないので、利用権という形で近くの鋳物工場に出しており、そこが小規模水力発電所を設置して発電をしています。会計報告書によると毎年150万円ほどの近い収入が得られていますね。
発電所自体は工場側が持っているので装置の償却やら維持管理費は工場持ちで、これは純粋に収益と言うことになります。
この間回ってきた資料には工場側がさらに増設したいと打診をしてきたとのことなので、工場側も損をしている訳ではなさそうです。
ただ、水路組合でも自然エネルギー補助金が取れるとかいろいろと勉強してきており、工場に場所を渡して増設させるか、それとも自前でやるかどちらが有利かと言う事を検討するようですが。
東京発電の例 (スコア:4, 興味深い)
>「小さい量をこつこつと」系の発電設備
そういうのをビジネスにしている会社もあります。以前伊豆の山奥を走っていたときに見つけた [ameblo.jp]のでちょっと調べたのですが、東京発電株式会社 [tgn.or.jp](東京電力グループ)の場合、
とのこと。ひとつひとつの発電設備は大き目の民家かという感じなのですが、この手の発電設備は大正時代や戦前から運用開始されて今も現役で使われていたりするので、コスト的にはペイできていると思います。ちなみに最近はさらに規模の小さいマイクロ水力発電 [tgn.or.jp]も手がけているみたいですけどね。
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
電力の価格は可変 (スコア:4, 参考になる)
# 引用するので、ここにぶら下げます。
コストや収支について、(現在の電力価格ありき で考えずに)電力価格が上昇するならば、今は高コストな発電技術でも適用できるでしょう。石油、原子力とも、大規模化が効率に直結した発電技術でしたが、燃料のコストや初期投資が低く抑えられる事が前提でした。その前提が崩れるリスクを孕んだ状況に対応した、次善の発電技術を模索する段階に見えます。
# 今は「代替エネルギー フィーバー(バブル?)」なので、マスコミ受け狙いのアヤシゲな発表も多いように感じますが。。。
上に書かれている現在運用中の小型水力は、過去に投資回収が終わった設備ですよね。 「大正時代や戦前から運用開始」の頃の電力は(相対的に)今よりもずっと高価だったので、設備投資は合理的に回収できたのでしょう。それに対して、昨今話題とする小規模発電では、これからの初期投資と回収を考える必要があり、単純なコピーは無理と思います。しかし、将来、なにがしかの電力価格になった時点で、回収可能なビジネスプランが描けるようになると思います。
かつて、「世界の原油は、あと30年で枯渇」と言われてから30年過ぎてもまだ石油が使えるのは、石油の価格上昇に見合うだけ採掘コストを掛けられるようになったから、と言います(wikipediaにも書いてありますね [wikipedia.org])。将来、無理と思われた小規模発電が当たり前の風景となる日が来るのかも知れません。
Re:電力の価格は可変 (スコア:1)
確かに。水車や石臼は、それがその時コストミニマムだったから、普及していたんですもんね。
中野坂上の寺の境内に、「打ち捨てられていた石臼」が、うずたかく積み上げられて供養されています。近所を流れる神田川の水力(≒水車)でそば粉を挽いていた物だそうです。
Re: (スコア:0)
風車タクシーみたいにマネーの収支どころかエネルギー収支すら怪しいものまであるし
Re: (スコア:0)
小水か・・・ (スコア:2, おもしろおかしい)
トイレで発電できるようになるな
Re:小水か・・・ (スコア:1)
的を外すと発電量が下がるので注意が必要です。
Re:小水か・・・ (スコア:1)
Re:小水か・・・ (スコア:1, おもしろおかしい)
「おにゃのこの小水で自家発電」まで読んだ。
日本はじまったな。
Re:小水か・・・ (スコア:1)
Re:小水か・・・ (スコア:5, 参考になる)
アクアオート・エコという製品名で売っていますね。
こういうのはパッと見には使われているかどうか分かりませんが
新しい設備では意外と使われているんじゃないですかね。
まあ、既存設備につけようと思ったら工事が必要ですから
LED電球とは普及度が比べ物にならないとは思いますが。
2011年には英国の人がビル等の大規模施設で配管に
取り付けるタイプの発電機を発明したとかニュースになって
いますね。
Re:小水か・・・ (スコア:1)
やるなら本気で (スコア:2)
パフォーマンスのつもりならタダの無駄遣いで終わるでしょうねえ。
この手の小規模発電は、発電量自体が少ない=収入が少ない訳ですから、
どれだけコストダウンできるかが勝負の分かれ目だと思うのですよ。
メンテナンスの手間がかからない発電機を量産効果で出来るだけ安く、ってのが理想だと思います。
今回は呼び水のつもりで設置して、能力を実証した上で、量産普及させるつもりなら面白いんですけどね。
山だらけの県には、目立たない小規模水力発電がかなりある (スコア:2, 参考になる)
小規模なので、電力系統にそのままぶら下げて水量の制御もあまりせず、常時同じくらい発電しっぱなしだったりするので、発電効率の最適な状態で稼働させているわけではないですが、そのかわり、管理コストはほとんどゼロです。火力などと違って火災などの重大災害を起こす可能性が無いので、無人運転で、遠くの大きな発電所から監視し、リモートコントロールというのが一般的ですね。地熱発電も、それに近いです。人間を常駐させなくていい、というのは、僻地に作るという場合に結構ありがたかったりします。
机上の空論ダム (スコア:1)
出し平ダムと言うだけで失敗 [wikipedia.org]するような気がする.
小さすぎるんじゃ? (スコア:0)
「小さなことからコツコツと」はいいんだけど510kW,170万kWhって、今いろいろ話題の原発の代わりにするには何基ぐらいいるのか...
Re:小さすぎるんじゃ? (スコア:2)
日本全国の原発の数は 55 基前後だったはずなので
1 基分に相当するアイデアなら 55 個、1/2 基分に
相当するアイデアなら 110個、1/3 相当のアイディア
ならば 165 個あればいいってことだな。
# まぁ、それとは別に出力の平滑化という課題はあるが。
Re:小さすぎるんじゃ? (スコア:2)
たとえば500kW級の発電機でも40万台設置することができるなら、200GW級になって日本の消費電力と比較可能になる。
原発54基あるわけだが
原発の新設コスト3000億円
原発の処分コスト5000億円
と仮定すると、54基で、 新設と廃棄のコストだけで43.2兆円かかることになる。それ以外に地元に毎年山ほど金を流さないと維持できないでいる。
1億円程度の単価で500kW級の発電所が量産できるようにしたら費用的には十分競合できる話になるよ。
Re:小さすぎるんじゃ? (スコア:2)
>流石に無理でしょ。川の数を考えると
考えてみた?
一級河川の数は1万4000本
無理とは安易に言えないと思うけど。
Re:小さすぎるんじゃ? (スコア:1)
あまりにも発電量が小さすぎて原発との比較などにはなりませんが、発電所の維持管理に必要な電力を自前でまかなうことが出来て、外部からの配電に必要な設備を削減出来るとかいうのなら有意義なことだと思います.
Re:小さすぎるんじゃ? (スコア:1)
自立運転できるって重要ですよね。
確か発電所を起動させるためにも電力が必要で、
それは外部から供給する必要がある。
で、最初はこういう自立運転できる小規模発電所を起動させて、
段々とでかい発電所を起動させていく。
大規模災害で送電線網が分断されてると、
こういうのがあちこちにあると復旧早いかも。
TomOne
Re:小さすぎるんじゃ? (スコア:1)
原発は関係なくて「電力も地産地消の時代」な話なのでは?
近隣の部落に供給できればそれで十分な気がします。
でも建設費いくらかかったんだろう?
Re: (スコア:0)
誰も原発の替わりだなんぞ言ってない件
Re: (スコア:0)
福島第一原発の六基あわせた年間発電量は33テラワット毎時だそうなのでちょっと比較しても意味なさそうなレベルですね。
http://blog.taiyoseikatsu.com/2011/04/01/551/ [taiyoseikatsu.com]
一方、一般世帯あたりの消費量は月当たり300キロワットくらい…なので年間では3600キロワットくらい?
http://www.fepc.or.jp/present/jigyou/japan/index.h [fepc.or.jp]
Re:小さすぎるんじゃ? (スコア:1)
>33テラワット毎時
立ち上げ時に発電電力がどれぐらいのペースで増加するかという話かな。
#単位の意味は正しく理解しよう。
Re: (スコア:0)
リンク先の記事ではそうは読めなかったのですが、私の理解不足でしょうか?
今回の件で言うと、記事中の値を比較するなら、
出力:
新設小水力発電所 約510kW ⇔ 福島第一原発6機合計4.7ギガワット(単位を合わせると4696000kW)
年間発電量:
新設小水力発電所 約170万kWh ⇔ 福島第一原発6機合計約33テラワット時(単位を合わせると329億4900万kWh)
では?
Re: (スコア:0)
リンク先にテラワット時と書かれてるならテラワット毎時はどこから出てきたの?
Re:小さすぎるんじゃ? (スコア:1)
Re: (スコア:0)
速度は距離の増加のペースだし加速度は速度の増加のペースだろ。
# もしかして釣られてる?
Re:小さすぎるんじゃ? (スコア:1)
そういう表現をするなら、ワット毎時は
ではなく、総電力量(ワット時)が増加するペースでしょう?
発電電力の増加量ではありえないと思いますが…
Re:小さすぎるんじゃ? (スコア:1)
すいません。
Re:小さすぎるんじゃ? (スコア:1)
そんなことを誰一人として気にかけていなかった、という点を除けばおっしゃる通りですね。
Re:小さすぎるんじゃ? (スコア:1)
Re:小さすぎるんじゃ? (スコア:1)
と、私は、AC氏の指摘は、リンク先の記事への突っ込みであると勘違いして、誤りに気が付くまでその前提で返答してしまっていたのです。
そこですれ違ってしまっているわけです。
(だから私は誤りに気が付くまで、リンク先記事への反論と思い込んで返答してしまっているわけで(個でが誤りで申し訳ない)、単位の理解が間違えている人と言われると、いや、間違えていないよ、と思ってしまうのです)
Re: (スコア:0)
もんじゅで換算すればいいのね
いいかもしんない (スコア:0)
ダムも水路もできているから設置コストは意外と安いかもしれない
ただイメージ的には風呂の残り湯で洗濯するようなもんかなぁ
IDC換算 (スコア:0)
2系統引くとして6kVAのラックが40本
Re: (スコア:0)
あぁ、0だな。
大体、水力でまかなえるわけないだろ。
お前騙されてるんだよ。
ジジイに石油ショックのころの話でも聞いてこい。
Re: (スコア:0)
日本の山がちな地形を利用すれば小水力発電は火力・原子力発電とは桁違いの数が設置できることは無視?
騙されてるのはあんたの方みたいだな。
Re: (スコア:0)
そして附属設備の数やメンテナンスコストも桁違いになると。」
Re:もともと日本は戦後、小水力発電が電力供給の要になる予定だった (スコア:2, 参考になる)
>環境保護団体とかからものすごい勢いで反対されそうだ。
二昔前なら村が消える/沈む で人権派の人からぼこぼこにされてました。
水力で賄えないから火力、国内産石炭の価格上昇(高コスト化)、石油ショックを経て原子力へ。
数年前の油価高騰の折りにはバイオメタノールの原料となるトウモロコシやサトウキビは言うに及ばず、ウラン鉱石まで投機対象になって価格が上昇。
核燃料が地下資源で全量輸入な状況はオイルショックを想起せざるを得ないから、エネルギー政策の転換が必要とされてたところにたまたま原発事故。
なんか振り出しに戻った感があるね。
Re:もともと日本は戦後、小水力発電が電力供給の要になる予定だった (スコア:1)
そうそう。一つの方式でエネルギー問題を解決できるという考えがアホすぎる。
当分太陽光エネルギーで解決するわけはないし,LNGだってそう。
地熱だって全量まかなおうとすると硫黄やヒ素の公害問題になりそうだし,
海洋エネルギーもほどほどにしないと海洋資源のバランスを崩して魚がとれなくなっちゃう。
だから水力も火力も自然エネルギーも安全性を高めた原子力もみんな必要だと思うんだけど,
善か悪か決めたがる単純なデジタル人間の多いこと。
Re: (スコア:0)
日本の予定…って誰が考えていた予定?マ元帥?
Re: (スコア:0)
Re:河川環境維持 (スコア:1)
けれど、流速(もしくは圧力)は変化するのではありませんか?
元々日本の川は急峻で山に降った雨水が海に至るまでの期間が短いから、多少流れが遅くなっても支障はないかもですが。
けど、それも程度問題で、あまり緩やかになると生物相も変化しそうだし、なにより水が澱むんじゃないかなぁ。
そもそも川の流水の受ける重力と抗力が拮抗する終端速度がどれくらいで、
発電で一度低下した流速が終端速度に達するまでの距離がどの程度なのか知らないので、
問題になるほど長い距離は必要ないのかもしれませんが……
Re:河川環境維持 (スコア:1)
従来の大規模なダム単体による生物相などへの影響は本ストーリーの範囲外ではありませんか?
環境維持水量の目的や設立の経緯など仰ることはその通りですし、ダムが環境に影響するというのは議論の必要はないと思うのですが。
だからこそ、ダム建設前や運用中には環境への影響を調査し、それに基づいて評価、対策するわけですし。
環境維持水量が設定されたのも、そういった対策の一つですよね。
その内容が適切か否かはまた別の議論でしょうが、ともかくも配慮しようという動きは為されてきたわけです。
小水力でも同様に環境アセスメントをした上での話であればまだ良いのですが、そこまで慎重で厳密な調査を経て認可されているのでしょうか?
別スレッドで語られている用水路での小水力発電の事例を見ると、そうは思えないのですが……
自分の住んでいる場所、田畑、あるいは故郷など丸ごと水の底に沈むダムと違って住民の反対運動も起きにくいうえ、脱原発の掛け声が追い風となっている現状では、ほぼノーブレーキで突っ走れてしまうんじゃないかな、と。
そして、もちろん既存のダムの環境アセスメントでは小水力発電を行うことなど考えてはいないですしね。
私の個人的な所感として、個々の小水力発電単体の河川環境への影響は微少だと思っています。
しかし、今後次々と手が上がったときや、今回のようにダムと併用するとき、その全体での環境への影響を適切に評価できるのか
評価できたとして、適切に認可や規制できるか、既存の水利権や漁業権との兼ね合いをどうするか
などをきちんと考えておかないと、後で問題が生じるんじゃないかという懸念が拭えません。
#単なる環境問題対策や脱原発などへのポーズ・一過性のブームで廃れて、なんの問題も起きない可能性も低くないですがw
Re:河川環境維持 (スコア:1)
結局のところ、流速と生物相などの環境とは無関係だという主張でしょうか?
今までのダムで流速をほとんど気にしておらず、ダムでは問題は起きてないという話はわかりました。しかし、それはあくまでもダムの事例です。
ご指摘の通り、ダム水位によってダム出口の流速が変化するのは事実でしょうが、それは同時に川の水量が変化することによる環境への影響の方が支配的であるため、流速の影響が相対的に小さく、無視しても問題なかったというだけではないでしょうか。
小水力発電のように水量をほぼ変化させずに流速を変化させる場合に、流速の環境へ与える影響を無視して良い根拠としては薄弱であるように思えます。
別に、こんな雑談で環境に影響が無いことを証明しろなんて悪魔の証明を求めるつもりもなければ、無視できないレベルの問題が生じると決めつけようとも思っていません。
むしろ個別の小水力発電のレベルではさほど大きな問題は発生しないだろうと思っています。前回のコメントの繰り返しですけどね。
しかし、前述の通りダムと小水力発電では条件が違うのに、今までダムで無視してきたんだから小水力でも無視して良いだろ、というのはいくら雑談とはいえ乱暴な主張であるように思えますが、いかがでしょうか?
Re:河川環境維持 (スコア:1)
うん?
勘違いしてたらスミマセンが。
そもそもが、ダムの脇から放出される「生物的には分断」されてる水路から電力を取ろうって図に見えるんですけど、違うんでしょうか。
ダムを迂回して設置された自然(?)河川とかじゃないですよね。