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電力

太陽光発電の普及の思わぬリスク 184

ストーリー by reo
カスケード停電によるテロリズム 部門より

Technobose 曰く、

政府が太陽光発電普及に本腰を入れて取り組む姿勢を明確にしていますが、一方で自然エネルギー発電の普及が大停電のリスクを高めるという指摘があり、経済産業省が 3 年間かけて自然エネルギーの電力が電力網に与える影響を検証する実験を行うとのこと (ITmedia の記事) 。

発電施設からの電力供給量と、消費される電力とは同じである必要があるが、自然エネルギー発電による電力は自然条件に依存し安定していないため、条件によっては電力供給量が急速に減少あるいは供給がなくなり、その結果既存の火力・原子力に過負荷がかかるというもの。

太陽光だけでなく、風力や波力などの自然エネルギーの利用も進めてエネルギー源を分散化する必要性が高いということだと思うのですが、もしかして今後も現状程度の火力や原子力発電所の維持を目指していくことになるのでしょうか ?

現状程度を維持するかどうかは別としても、蓄電とか緩衝となる施設は必要になるのでしょうねえ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by TarZ (28055) on 2009年04月15日 11時00分 (#1549223) 日記

    太陽光や風力では一定の出力が担保できないので、安定供給が至上命題の電力会社としては非常に使いづらい、ということは以前から言われていたことです。
    で、「それでも導入していかないとね」という風潮になっているので、今回のストーリーのような問題が現実の課題として浮上してきたということでしょう。

    技術的にはなかなか困難そうですが、狙うのはこのあたりですかねえ。

    • 消費側が柔軟に消費電力の調整ができるような仕組みを作る
      工場などはなかなか難しいでしょうけど、家庭やオフィスなら10%(~もしかしたら50%くらいまでいけるかも)程度の変動の対応は可能でしょう。
      (エアコン・照明の出力調整、EVへの充電を抑える)
    • 発電所・変電所に併設した大規模な蓄電設備、および消費者側の小規模な蓄電設備
      揚水発電にしろ電池にしろ超伝導にしろ、お金かかるよねえ…。

    まあハードルは高そうです。

    • by Anonymous Coward on 2009年04月15日 11時07分 (#1549231)

      そもそも、このエントリーのタイトルである「思わぬ」とは誰が言ってるんでしょうね。

      実験するということは、そういうリスクがあるということを既に分かっているから、するわけで。

      親コメント
    • ちょうど、蓄電機能を備えたホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)なんてのが
      トヨタからプレスリリース [toyota.co.jp]されてますね。

      「2011年に実用化の目途をつけ、試行販売する考えで、将来の本格販売時には数十万円程度の製品価格を想定している。」
      そうです。

      --

      IDENTIFICATION DIVISION.
      AUTHOR YUKI-KUN.
      親コメント
  • 揚水発電 (スコア:3, 興味深い)

    by nique (17169) on 2009年04月15日 11時29分 (#1549261) 日記

    結局キャパシタがいるんですよね。
    大容量キャパシタとしての揚水発電所は、原子力うんぬん関係なしに開発すべきものだと思います。
    ただ環境負荷が大きいのがなんとも・・・
    沖縄で行われている海水揚水発電の実験からのフィードバック次第だろうとは思うのですが、島嶼部に大規模太陽光発電所and/or原子力発電所とセットで海水揚水発電所を建造できたら、電力需要をコントロールしやすくなるんじゃないでしょうか。
    まわりが海の日本だからこそできる安定電力開発に期待しています。

    • Re:揚水発電 (スコア:3, 興味深い)

      by Alef_F (27309) on 2009年04月15日 11時58分 (#1549295)

      WBSを見ていると盛んに宣伝されているNAS電池 [wikipedia.org]というものがありますね。
      なんか日本ガイシ [ngk.co.jp]の紹介ページはメンテナンス中とかで見れないんですが、Wikipediaの記述にある

      従来の鉛蓄電池に比べて体積・重量が3分の1程度とコンパクトなため、揚水発電と同様の機能を都市部などの需要地の近辺に設置できる。

      といううたい文句が本当ならば、CMでやっているように太陽光発電、風力発電の不安定さのバッファとして結構有用ではないかと思います。

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  • by s-kei (16661) on 2009年04月15日 12時47分 (#1549358)

    データ付きで議論しましょうや。
    電力系統って複雑ですから、ちょっと頭で考えただけじゃ意味のある議論をするのは難しいですよ。

    太陽光や風力の導入に際して系統側でどのぐらいの費用がかかるかってのは、大雑把に計算されてます。
    かなり余裕を見た見積もりで、系統安定化の費用は20年間で5兆円。蓄電だけじゃなくて送電インフラ全体の改造費です。
    # 10時間分以上に相当する蓄電池の装備を仮定してますが、実際はそんなにたくさん要らないはず。
    http://www.meti.go.jp/committee/materials2/data/g81128aj.html [meti.go.jp]
    でも石油の輸入と違って(国産ならば)国内経済にも寄与するので、全体的に見れば期待できる経済効果の方がずっと大きい。
    http://www.meti.go.jp/press/20090318003/20090318003.html [meti.go.jp]

    こうした検討は最近突然始まった話ではなくて、下記のように太陽光でも風力でも基礎となるデータ収集や検討が地道に行われてきています。
    太陽光の例: http://www.nedo.go.jp/activities/portal/gaiyou/p02050/p02050.html [nedo.go.jp]
    風力の例: http://www.meti.go.jp/committee/materials/downloadfiles/g50606a31j.pdf [meti.go.jp]

    ただ系統全体での将来計画については、まだごく大雑把な検討しかされていません。
    ・蓄電池を使うなら、どれぐらいの量をどこに(各家庭?変電所?)置くか
    ・送電線の電圧を上げたりする対策をどの程度行うか
    そういう全体的なインフラ整備についてももっと詳しく調べようか、という話です。

    最終的には、風力・地熱・太陽光・原子力などの発電所をどこでどれだけ使うと一番役に立つか、なるべく少ないお金で火力発電になるべく頼らないようにするにはどうすればいいか、という議論の基礎になる調査ですね。

    それすら調べずに「再生可能エネルギーなんかダメだ」「いや原発なんかいらん」とか言っても全然説得力がありません。適材適所が一番。

    -----
    ちなみにアメリカの例ですと、風力発電で2030年までに電力の20%を供給する計画が進行中です。
    http://www.20percentwind.org/20p.aspx?page=Report [20percentwind.org]
    あの国は系統がすごく弱いのですが、それでも系統安定化の費用はせいぜい最初の2,3年で十分に取り戻せてしまう計算だそうです(上記のChapter4、Figure4-11など)。

  • 風まかせ (スコア:2, すばらしい洞察)

    by nci (34333) on 2009年04月15日 11時03分 (#1549226)

    自然エネルギーはエネルギー供給のメインストリームになりえないなんてことは周知の事実かと思っておりましたが・・・せいぜい安定してるのは潮力と地熱ぐらい?
    自然エネルギーを安定して使うために大規模な蓄電設備を作るのも既存の技術では難しいと思えますし、そもそもそんなバッファ的な設備作れるなら、自然エネルギーを使わずに夜間電力とか夏場の大電力使用などの問題も効率的に解決出来そうな気がします。

    個人的には風力や太陽光で動いてるDCには関わりたくない

    • Re:風まかせ (スコア:2, 興味深い)

      by s-kei (16661) on 2009年04月15日 13時35分 (#1549404)

      > 自然エネルギーはメインストリームになりえない

      固定観念(もしくはデマ)に惑わされてますね。

      今やIEAですら、2050年に世界の電力のほぼ半分を再生可能エネルギー(Renewables)にできるんちゃうかと言ってますよ。
      下記の11ページをご覧あれ。
      http://www.iea.org/Textbase/techno/etp/ETP_2008.pdf [iea.org]

      欧州:
        2020年までに再生可能エネルギーで全エネルギー需要の20%を供給することを決定してます。
        エネルギー・環境問題への対策の一環で、下記にまとめられています。
        http://ec.europa.eu/environment/climat/climate_action.htm [europa.eu]
        特にドイツは2030年までに最終エネルギー需要の28%、2050年までに52%が可能との見通しです。
        http://www.erneuerbare-energien.de/files/pdfs/allgemein/application/pd... [erneuerbare-energien.de]

      アメリカ:
        2025年までに電力の10%を太陽光・太陽熱発電で [energy.gov]
        2030年までに電力の20%を風力発電で [20percentwind.org]
      供給する計画が進行中。

      日本:
        電力の1/4を再生可能エネルギーにした場合の費用と便益が試算されています。
        http://www.env.go.jp/earth/ondanka/conf_re-lcs/rcm.html [env.go.jp]

      どれも、系統安定化費用を考慮しても、なお経済的に利益になると見積もられています。
      この状況で「メインストリームにならない」と決めつけられるのはやや早計と思いますよ。

      面倒くさいのは確かでしょうから、「かかわりたくない」というお気持ちもわかります。ですが、それでは商機も逃してしまわれるかと。
      ご再考をお勧めします。

      親コメント
      • Re:風まかせ (スコア:2, 興味深い)

        by nci (34333) on 2009年04月15日 18時18分 (#1549639)

        いや、IEAや各国政府発表の方が怪しく感じませんか?特に日本とかw

        現在日本の場合92百万kW~183百万kW電力使用量に変動(夏場)があります。
        発電量の内訳は火力:60 水力:10 原子力:30
        原子力+水力(流れ込み式)+火力10で50%程度を確保して残りの変動を
        火力と水力(揚水)で吸収しているようです。
        http://www.fepc.or.jp/library/publication/pamphlet/nuclear/zumenshu/in... [fepc.or.jp]

        そこを太陽光や風力で20%以上をまかなうといっているわけです。
        減るのは火力だと考えられますが、太陽光や風力は発電量がゼロからピークまで変動します。
        勿論、地理的に分散しているので太陽光・風力の発電量のトータルがゼロにはならないと
        思いますし、スマートグリットのような仕組みで全国的に電力を融通出来るようにもなると思います。

        しかし、時間や季節での発電量の統計的な予測はある程度可能とはいえ、ゼロになる可能性のある発電源が20%もある場合、最低でも数%の蓄電が必要だと考えられます。必要電力の1%を数分間まかなうだけでも数十万kW級の蓄電システムです。現状MW級の蓄電システムすら基礎研究の域を出ていません。
        http://www.nedo.go.jp/ [nedo.go.jp]

        これらの状況を俯瞰すると、各国政府の発表はCO2削減目標で苦し紛れに自然エネルギー
        (特に現実的に発電できる風力と太陽光)を持ち上げてるだけのようにすら思えませんか?
        うがった見方過ぎますかね?

        もと通信屋の個人としては、電力供給というのはある意味通信よりクリティカルなシステムだと
        思うので、訳のわからんスマートグリッド(失礼!)や不確定要素の固まりである自然エネルギー
        なんかにまかせられるか!という気持ちが強いです。自然エネルギーに金をつぎ込むなら
        高速増殖炉を完成させようよと思わざる得ないというか・・・

        親コメント
  • by tri_try (37879) on 2009年04月15日 11時04分 (#1549227)

    メインで自然エネルギーを使うのは厳しいでしょうね

    安直な考えだと
    常に電源を必要としているものばかりではないと思うので
    配電を2種類にして
    各家庭に
    「不安定コンセント」と
    「安定コンセント」とを設置して
    了解の上で使っていくといいかもしれないですね

    #いずれ自然エネルギーを上手に使うために「自然再生」という名目の「自然破壊」が行われるのでしょうか

  • 中部電力では原子力と火力をメインとして、サブに水力を使っていますよね。夜間は水力の一部を停止して調整して、昼は水力も需要に応じて運転しています。
    自然エネルギーによる発電は、水力より更に不安定と思われますので、需要の上下に合わせたサブとしか使用できないですよね。
    もし、それなりの発電量を自然エネルギーに頼るようになった場合には、余った電力を揚水に使って水力の可能発電力を増やすくらいにしか使えません。万一それを越えてしまったらどうしようもないですね。キャパシタなどで保持できる電力なんて屁の突っ張りにしかなりません。かなり大型を導入しても大都市全域で考えたら数秒単位にしかならないですよ。
  • by manmos (29892) on 2009年04月15日 11時16分 (#1549241) 日記

    フォトンベルトがやってきて、問題解決。

    #あれって、バビロニア・ウェーヴのバロディでしたっけ。

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Stay hungry, Stay foolish. -- Steven Paul Jobs

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