太陽光発電の普及の思わぬリスク 184
ストーリー by reo
カスケード停電によるテロリズム 部門より
カスケード停電によるテロリズム 部門より
Technobose 曰く、
政府が太陽光発電普及に本腰を入れて取り組む姿勢を明確にしていますが、一方で自然エネルギー発電の普及が大停電のリスクを高めるという指摘があり、経済産業省が 3 年間かけて自然エネルギーの電力が電力網に与える影響を検証する実験を行うとのこと (ITmedia の記事) 。
発電施設からの電力供給量と、消費される電力とは同じである必要があるが、自然エネルギー発電による電力は自然条件に依存し安定していないため、条件によっては電力供給量が急速に減少あるいは供給がなくなり、その結果既存の火力・原子力に過負荷がかかるというもの。
太陽光だけでなく、風力や波力などの自然エネルギーの利用も進めてエネルギー源を分散化する必要性が高いということだと思うのですが、もしかして今後も現状程度の火力や原子力発電所の維持を目指していくことになるのでしょうか ?
現状程度を維持するかどうかは別としても、蓄電とか緩衝となる施設は必要になるのでしょうねえ。
以前から言われていたことではある (スコア:5, 参考になる)
太陽光や風力では一定の出力が担保できないので、安定供給が至上命題の電力会社としては非常に使いづらい、ということは以前から言われていたことです。
で、「それでも導入していかないとね」という風潮になっているので、今回のストーリーのような問題が現実の課題として浮上してきたということでしょう。
技術的にはなかなか困難そうですが、狙うのはこのあたりですかねえ。
工場などはなかなか難しいでしょうけど、家庭やオフィスなら10%(~もしかしたら50%くらいまでいけるかも)程度の変動の対応は可能でしょう。
(エアコン・照明の出力調整、EVへの充電を抑える)
揚水発電にしろ電池にしろ超伝導にしろ、お金かかるよねえ…。
まあハードルは高そうです。
Re:以前から言われていたことではある (スコア:1, すばらしい洞察)
そもそも、このエントリーのタイトルである「思わぬ」とは誰が言ってるんでしょうね。
実験するということは、そういうリスクがあるということを既に分かっているから、するわけで。
Re:以前から言われていたことではある (スコア:1)
ちょうど、蓄電機能を備えたホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)なんてのが
トヨタからプレスリリース [toyota.co.jp]されてますね。
「2011年に実用化の目途をつけ、試行販売する考えで、将来の本格販売時には数十万円程度の製品価格を想定している。」
そうです。
IDENTIFICATION DIVISION.
AUTHOR YUKI-KUN.
Re:以前から言われていたことではある (スコア:5, すばらしい洞察)
急に雲って自宅の太陽電池の出力が落ちたら、どうします? いまある家庭用燃料電池だと数百W~1kWでしょうから、家庭で使う分の全ては賄えませんよね。電子レンジとエアコンだけで使い切りそうです。
その場合は電力会社から電気を買うことになります。これが、電力会社にとっての変動要素です。
「自宅発電がうまくいっていれば買わないかもしれないけど、いざとなったら供給してね」ということで、電力会社としては、その「いざとなったら」という分の発電能力も確保しておかないといけない。
これも変動要素ですね。
Re:以前から言われていたことではある (スコア:3, すばらしい洞察)
> 急に雲って自宅の太陽電池の出力が落ちたら (…)
> 電力会社にとっての変動要素です。
とは言っても出力の変動は雲の移動につれてタイミングがずれて発生しますので、1つの電力会社の管内で見れば滑らかになります。
http://unit.aist.go.jp/rcpv/ci/about_pv/output/fluctuation.html [aist.go.jp]
それなりの対策は必要ですけれど、実用性を損なうほどじゃないです。
# 良く定量的な調査抜きで「難しい」とか「無理」とか言い切ってる人がいますけど、結局は頭で勝手に想像してるだけのようですね。
Re:以前から言われていたことではある (スコア:2)
# 太陽電池は日本全国に均等に散らばっているわけではないし、都市部で急に雨雲が成長するのも珍しくないですけどね。
「自然エネルギーは変動があるからメインで利用は無理」という人も、「蓄電技術などを組み合わせれば問題はない」という人も、どちらも同じように現実的ではないと思いますね。
私は、s-keiさんほど楽観的には考えられないし、といってメインで使うのは無理と考えるほどに悲観的でもありません。
Re:以前から言われていたことではある (スコア:2)
>s-keiさんほど楽観的には
私も「無理」「問題はない」の中間と考えてますよ。
全く対策無しだと問題が出てくるだろうけど、ある程度の(現実的な範囲での)対策さえ取れば、火力発電に頼る割合をそれなりに減らせる、という話です。
ただし日本はへっぴり腰過ぎる、とは思いますね。
信頼できるデータも示さずに想像だけでケチつけるとか、もうね。
Re:以前から言われていたことではある (スコア:2)
そりゃあそもそもデータがないのだから仕方ないでしょう。
電力会社の立場では、「自然エネルギーで今までどおり安価で安定した電力供給ができるのだろうか?」ということが最大の心配事で、供給元のエネルギーがエコかどうかなんて知ったことではないのだから、「自然エネルギーでも問題ない」という信頼できるデータを出さなければならないのは自然エネルギー推進の側ですよ。
とはいえ、世界的な潮流としてそうも言ってられなくなってきたので、経産省主導で今回のような検証実験を行うわけで。
s-keiさんも「実用性を損なうほどじゃない」から検証実験不要、という立場ではないとお見受けしますが、えーと、なにが論点なのでしたっけ?
Re:以前から言われていたことではある (スコア:2)
いいえ。日記でもたびたび書いていますし、このストーリーの他のコメント [slashdot.jp]でも書いている通り、私は太陽エネルギー推進の立場です。長期的な文明維持を目指すなら、太陽エネルギー以外に解はない、と考えています。
楽観論に対して、「そんなに単純な話じゃないでしょ」という話をしているだけですよ。
示せませんし、示すつもりもないですね。化石燃料だけでなく核燃料だって有限だし、最終的には太陽エネルギーしかないと思ってますから。
# デマねえ…。
Re:まるで (スコア:2)
これはもうFAQネタに近いですね。過去にも書いたことがあるのでどうぞ。#1213934 [slashdot.jp]
そのコメントは発電衛星ネタですが、地上でもまあそんなに大きく変わる話ではないです。(オーダーとしては)
もちろん、地上では日照がない夜や悪天候といった問題はありますよ。エネルギー総量としてどんなものなの?というレベルでの話です。
Re:以前から言われていたことではある (スコア:2)
そもそもが、「各家庭に太陽電池パネル,蓄電装置を備え付けて地産地消、自宅で消費する電力は自分で賄う [slashdot.jp]」という楽観的すぎるコメントに対して、「電力会社から見れば、そこまで単純な話ではない」と返したのが発端です。
自然エネルギーへのシフトはやるべきことですが、簡単だとも考えない。
ですから、私は今回のような検証実験は必須だと見ています。さかんに定量データを示せとおっしゃっていますが、本当に大規模・日本の気候で日本の商用電力網に求められる品質で安定して動くのか、きちんとした実証データがないから検証するわけです。(提示した資料で十分だ、とは言わないでくださいね)
で、それについては以下のコメントでs-keiさんも同意見だと思っていました。#1549832 [slashdot.jp]
同じ見解に思えたので、「検証実験不要という立場ではないのですよね? ではそもそもなにが論点なの?(#1549850 [slashdot.jp])」と返したわけです。
結局回答をいただけていませんが、s-keiさんは今回の検証実験は不要だという立場なのですか? 検証実験が不要なほどに簡単な仕事だとお考えならば、今すぐに太陽電池発電所を建設して商用電力網に接続するよう、電力会社に働きかければよいでしょう。
そもそも「ケチをつけた」だとか「後ろ向きな私見のみ」とみなす見解に同意できませんので、お断りします。
# 言及してすらいない化石燃料のコスト説明を求められたり、ワケわからん。
Re:以前から言われていたことではある (スコア:2)
>定量的な論拠を示している意見
質問ですが、定量的な論拠とはどれのことでしょう?
一応、読んでますが、わたしの勝手なバイアスを掛けたくないので、これですか? とは訊きません。
Re:以前から言われていたことではある (スコア:2)
> 定量的な論拠とはどれのことでしょう?
いわれてみると あ [srad.jp] ち [srad.jp] こ [srad.jp] ち [srad.jp] に分散して、全体像が掴みにくいかも知れません。
改めてまとめておきます。
・出力変動への対策(系統安定化)の費用は、太陽光を50GWpほど入れた場合で20年間で約5兆円 [meti.go.jp](電事連+経産省の見積もり)、電力の1/4を再生可能エネルギーにした場合で3.5兆円 [env.go.jp](環境省の見積もり)。これらは蓄電池を主体とした計算で、費用としては多めに見ています。
・これに対して期待できる便益が、それぞれ太陽光だけで毎年数兆円の経済効果 [meti.go.jp](経産省)、再生可能エネルギー全体で、導入の総費用の倍以上の経済効果と数十万人の雇用 [env.go.jp]と見られています。
つまりインフラ整備に数兆円(導入にはさらに大きな費用)がかかるけれど、それ以上に国内に大きな経済的利益(経済効果、雇用、化石燃料への出費節減など)が期待出来るわけです。技術的に未定の部分もあるけれど、その気になれば蓄電池なしでも済みそうな程度の話 [srad.jp]です。
実際、ドイツでも再生可能エネルギーに関する年報 [erneuerbare-energien.de]が国内での経済効果を報告しています。環境省の報告なのに、環境に関するページ数がむしろ少ないです。もちろん京都議定書も余裕でクリア [afpbb.com]しています。
このためにドイツだけじゃなくてフランス・イタリア・韓国・アメリカなどいろんな国も普及を進めているわけです(IEA PVPSのサイト [iea-pvps.org] に 2007年までのデータがあります [iea-pvps.org]。2008年のデータは、集計機関は違いますがEPIAの集計 [epia.org]がご参考になるでしょう)。
確かに規模が大きいので、それを「大変」「難しい」と言うことは可能でしょう。
しかしそれ以上の便益(経済的にも、エネルギー供給でも、環境面でも)が期待できる以上、定量的な比較なしにマイナス面だけを繰り返すのは、議論の態度として建設的では無いだろうと思います。
怒ってすみません。でもそういうネガティブな態度を取ってきたからこそ、技術をいっぱい持っているはずの日本が取り残される羽目になったと思うのです。
Re:以前から言われていたことではある (スコア:2)
いえ、もちろんそれも考慮しての話ですよ。私はどちらかというと、そうとう楽観的な技術予想を入れている方です。
そりゃあ、「足りなければ大きな燃料電池にすればいいじゃない」とばかりに燃料電池の出力を上げてもいいですが、「燃料電池はエネルギー効率が良い」のは、副産物のお湯まで使ってナンボですからね。発電のために家庭で使い切れないほどお湯をつくっても仕方がないので。冬なら暖房に使えますけど、夏は持てあますだけ。
Re:以前から言われていたことではある (スコア:2)
えっ、家庭用燃料電池から出るお湯レベルの熱でですか? いや、そりゃ温度差があれば原理的にはできるでしょうし、下水くらいの熱でもヒートポンプでお湯をつくろう、って研究はありますけど、どのくらい冷えるものなんでしょう。
Re:以前から言われていたことではある (スコア:2)
出来ないことはないでしょうが、不経済だからじゃないでしょうか。
サハラあたりに太陽電池敷き詰めて海岸まで送電→水素にしてパイプラインで全世界へ、みたいな方が安くつきますよ。
数が増えれば故障率が低くても毎日故障するので、宇宙みたいな保守が大変な場所は選びづらいと思います。
# そのうち「一番過酷だったのは月面で酸素が足りない中サーバの保守したことかな」とか/.に載るのかしら:p
揚水発電 (スコア:3, 興味深い)
結局キャパシタがいるんですよね。
大容量キャパシタとしての揚水発電所は、原子力うんぬん関係なしに開発すべきものだと思います。
ただ環境負荷が大きいのがなんとも・・・
沖縄で行われている海水揚水発電の実験からのフィードバック次第だろうとは思うのですが、島嶼部に大規模太陽光発電所and/or原子力発電所とセットで海水揚水発電所を建造できたら、電力需要をコントロールしやすくなるんじゃないでしょうか。
まわりが海の日本だからこそできる安定電力開発に期待しています。
Re:揚水発電 (スコア:3, 興味深い)
WBSを見ていると盛んに宣伝されているNAS電池 [wikipedia.org]というものがありますね。
なんか日本ガイシ [ngk.co.jp]の紹介ページはメンテナンス中とかで見れないんですが、Wikipediaの記述にある
といううたい文句が本当ならば、CMでやっているように太陽光発電、風力発電の不安定さのバッファとして結構有用ではないかと思います。
Re:揚水発電 (スコア:2)
フライホイールUPSはすでに実用っていうか普通にデータセンターや発電所で使ってると思います。IHIのとか。
いわゆる化学電池と違って、充電(というか定回転状態)が正常なら動作はほぼ確実ですから、いざ停電してみたらバッテリ寿命でしたあわあわ、なんてことが起こらないのが最大のメリットだと思います。
ただ単一だとせいぜい10分程度のバックアップしかできないこと、メカなので並列化複数化すると無故障連続稼動時間が短くなることなどのデメリットが目立ってしまいます。
超巨大フライホイールとかならたしかに夢がふくらむんですが・・・設置条件(対振動、熱処理)とか考えると、宇宙みたいなところでないと使えないんじゃないかなあと思います。
手間暇かかるけど実用にはなる (スコア:3, 参考になる)
データ付きで議論しましょうや。
電力系統って複雑ですから、ちょっと頭で考えただけじゃ意味のある議論をするのは難しいですよ。
太陽光や風力の導入に際して系統側でどのぐらいの費用がかかるかってのは、大雑把に計算されてます。
かなり余裕を見た見積もりで、系統安定化の費用は20年間で5兆円。蓄電だけじゃなくて送電インフラ全体の改造費です。
# 10時間分以上に相当する蓄電池の装備を仮定してますが、実際はそんなにたくさん要らないはず。
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/data/g81128aj.html [meti.go.jp]
でも石油の輸入と違って(国産ならば)国内経済にも寄与するので、全体的に見れば期待できる経済効果の方がずっと大きい。
http://www.meti.go.jp/press/20090318003/20090318003.html [meti.go.jp]
こうした検討は最近突然始まった話ではなくて、下記のように太陽光でも風力でも基礎となるデータ収集や検討が地道に行われてきています。
太陽光の例: http://www.nedo.go.jp/activities/portal/gaiyou/p02050/p02050.html [nedo.go.jp]
風力の例: http://www.meti.go.jp/committee/materials/downloadfiles/g50606a31j.pdf [meti.go.jp]
ただ系統全体での将来計画については、まだごく大雑把な検討しかされていません。
・蓄電池を使うなら、どれぐらいの量をどこに(各家庭?変電所?)置くか
・送電線の電圧を上げたりする対策をどの程度行うか
そういう全体的なインフラ整備についてももっと詳しく調べようか、という話です。
最終的には、風力・地熱・太陽光・原子力などの発電所をどこでどれだけ使うと一番役に立つか、なるべく少ないお金で火力発電になるべく頼らないようにするにはどうすればいいか、という議論の基礎になる調査ですね。
それすら調べずに「再生可能エネルギーなんかダメだ」「いや原発なんかいらん」とか言っても全然説得力がありません。適材適所が一番。
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ちなみにアメリカの例ですと、風力発電で2030年までに電力の20%を供給する計画が進行中です。
http://www.20percentwind.org/20p.aspx?page=Report [20percentwind.org]
あの国は系統がすごく弱いのですが、それでも系統安定化の費用はせいぜい最初の2,3年で十分に取り戻せてしまう計算だそうです(上記のChapter4、Figure4-11など)。
風まかせ (スコア:2, すばらしい洞察)
自然エネルギーはエネルギー供給のメインストリームになりえないなんてことは周知の事実かと思っておりましたが・・・せいぜい安定してるのは潮力と地熱ぐらい?
自然エネルギーを安定して使うために大規模な蓄電設備を作るのも既存の技術では難しいと思えますし、そもそもそんなバッファ的な設備作れるなら、自然エネルギーを使わずに夜間電力とか夏場の大電力使用などの問題も効率的に解決出来そうな気がします。
個人的には風力や太陽光で動いてるDCには関わりたくない
Re:風まかせ (スコア:2, 興味深い)
> 自然エネルギーはメインストリームになりえない
固定観念(もしくはデマ)に惑わされてますね。
今やIEAですら、2050年に世界の電力のほぼ半分を再生可能エネルギー(Renewables)にできるんちゃうかと言ってますよ。
下記の11ページをご覧あれ。
http://www.iea.org/Textbase/techno/etp/ETP_2008.pdf [iea.org]
欧州:
2020年までに再生可能エネルギーで全エネルギー需要の20%を供給することを決定してます。
エネルギー・環境問題への対策の一環で、下記にまとめられています。
http://ec.europa.eu/environment/climat/climate_action.htm [europa.eu]
特にドイツは2030年までに最終エネルギー需要の28%、2050年までに52%が可能との見通しです。
http://www.erneuerbare-energien.de/files/pdfs/allgemein/application/pd... [erneuerbare-energien.de]
アメリカ:
2025年までに電力の10%を太陽光・太陽熱発電で [energy.gov]
2030年までに電力の20%を風力発電で [20percentwind.org]
供給する計画が進行中。
日本:
電力の1/4を再生可能エネルギーにした場合の費用と便益が試算されています。
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/conf_re-lcs/rcm.html [env.go.jp]
どれも、系統安定化費用を考慮しても、なお経済的に利益になると見積もられています。
この状況で「メインストリームにならない」と決めつけられるのはやや早計と思いますよ。
面倒くさいのは確かでしょうから、「かかわりたくない」というお気持ちもわかります。ですが、それでは商機も逃してしまわれるかと。
ご再考をお勧めします。
Re:風まかせ (スコア:2, 興味深い)
いや、IEAや各国政府発表の方が怪しく感じませんか?特に日本とかw
現在日本の場合92百万kW~183百万kW電力使用量に変動(夏場)があります。
発電量の内訳は火力:60 水力:10 原子力:30
原子力+水力(流れ込み式)+火力10で50%程度を確保して残りの変動を
火力と水力(揚水)で吸収しているようです。
http://www.fepc.or.jp/library/publication/pamphlet/nuclear/zumenshu/in... [fepc.or.jp]
そこを太陽光や風力で20%以上をまかなうといっているわけです。
減るのは火力だと考えられますが、太陽光や風力は発電量がゼロからピークまで変動します。
勿論、地理的に分散しているので太陽光・風力の発電量のトータルがゼロにはならないと
思いますし、スマートグリットのような仕組みで全国的に電力を融通出来るようにもなると思います。
しかし、時間や季節での発電量の統計的な予測はある程度可能とはいえ、ゼロになる可能性のある発電源が20%もある場合、最低でも数%の蓄電が必要だと考えられます。必要電力の1%を数分間まかなうだけでも数十万kW級の蓄電システムです。現状MW級の蓄電システムすら基礎研究の域を出ていません。
http://www.nedo.go.jp/ [nedo.go.jp]
これらの状況を俯瞰すると、各国政府の発表はCO2削減目標で苦し紛れに自然エネルギー
(特に現実的に発電できる風力と太陽光)を持ち上げてるだけのようにすら思えませんか?
うがった見方過ぎますかね?
もと通信屋の個人としては、電力供給というのはある意味通信よりクリティカルなシステムだと
思うので、訳のわからんスマートグリッド(失礼!)や不確定要素の固まりである自然エネルギー
なんかにまかせられるか!という気持ちが強いです。自然エネルギーに金をつぎ込むなら
高速増殖炉を完成させようよと思わざる得ないというか・・・
Re:風まかせ (スコア:2, 興味深い)
手厳しいですね。
発表自体が怪しいというのは別に陰謀論で言っているわけではありません。
提言内容自体が信頼が置けないと言っているだけです。
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/conf_re-lcs/rcm.html [env.go.jp]
例えばこの環境省の提言でも、簡単にバッファーとして蓄電池を使う試算が示されています。
しかし、1億kwhもの蓄電システムをどのように構築するのか非常に不鮮明です。
水素貯蔵・NAS電池・フライホイール・超伝導コイル色々ありますが、MWクラスですら
実験レベルです。桁違いのシステムをどうやって試算したのか謎です。そもそもこれらの技術で
実現できるのかすらわからないと思います。
不安定なエネルギーを使う上で、全体の10%以上をまかなうようになると
蓄電が必要になってくるようです。(上記の提言にも示されております。)
要するに自然エネルギーを使う上で蓄電は不可避な最も重要な要素だと考えられます。
しかし、それらの技術は小規模な実用化のみで、大規模なシステムは研究段階。
この状況を差し置いて自然エネルギーの利用を示されても説得力がありません。
そのような理由から“あやしい”と思えてしまいます。
あと高速増殖炉を押すのは、すでに原型炉のレベルに達しているからです。
勿論運用効率の向上など困難は伴うでしょうが基本はナトリウムの管理です。
(また核燃料サイクルだけなら転換炉や高速炉で効率を上げることも出来ますし。)
実際にMWクラスの蓄電設備すら無い現状(NASのプラントは出来たのかな?)では、
高密度の化学エネルギーや物理エネルギーの管理の方が遙かに技術的難易度が
高いように思えます。そんなに屁理屈ではないですよね?
ドイツに関しては、このような見方もあります。こちらも今後の蓄電方法がカギだと思います。
http://d.hatena.ne.jp/rcf/20080819/1219116120 [hatena.ne.jp]
http://www.spiegel.de/international/germany/0,1518,572085,00.html [spiegel.de]
それに自然エネルギーを貶める気はありませんよ。ただ、お金が掛かるのがいただけない。
上記の提言もそうですが、基本は補助金ばかりなのですよ。その財源もわからない。
(P54の余剰電力の買い取りだけでも9000億・・・)
私は、電気料金が上がってまで自然エネルギーを使いたくはないと思うだけです。
電源選択方式 (スコア:2, 興味深い)
メインで自然エネルギーを使うのは厳しいでしょうね
安直な考えだと
常に電源を必要としているものばかりではないと思うので
配電を2種類にして
各家庭に
「不安定コンセント」と
「安定コンセント」とを設置して
了解の上で使っていくといいかもしれないですね
#いずれ自然エネルギーを上手に使うために「自然再生」という名目の「自然破壊」が行われるのでしょうか
不安定なものはサブとしか使用できない (スコア:2)
自然エネルギーによる発電は、水力より更に不安定と思われますので、需要の上下に合わせたサブとしか使用できないですよね。
もし、それなりの発電量を自然エネルギーに頼るようになった場合には、余った電力を揚水に使って水力の可能発電力を増やすくらいにしか使えません。万一それを越えてしまったらどうしようもないですね。キャパシタなどで保持できる電力なんて屁の突っ張りにしかなりません。かなり大型を導入しても大都市全域で考えたら数秒単位にしかならないですよ。
2012年 (スコア:1)
フォトンベルトがやってきて、問題解決。
#あれって、バビロニア・ウェーヴのバロディでしたっけ。
Re:そもそも必要? (スコア:3, 参考になる)
>安定かつ柔軟に電力供給量を調整できる原子力発電
原子力は、一定以上の出力を安定的に出すことは可能ですが、柔軟な調整は出来ない
とおもいますが。したがって、電力消費量の減る夜間を値引きしたり、水力発電用の
揚水を行ったりして消費しているんですね。
夏季の昼間などの電力消費増大分は、出力調整がしやすい火力や水力発電でまかなって
いると思います。太陽光発電は気温が上がり空調などの電力消費量が増えるときに発電量が
増えるので、ある意味合理的ともいえると思います。
Re:そもそも必要? (スコア:2)
全世界的にそういう傾向で、今後は核燃料の需要が増えるわけですから、ウランの価格も上昇傾向になってしまうのでは。
Re:そもそも必要? (スコア:2)
# 原子炉関連だからここにぶら下げる。
はてブ [hatena.ne.jp]では『プルサーマルともんじゅ以外に、「間に合う」選択肢は無い ... と専門家はみんな思っている』なんて意見がありますけど、プルサーマルはともかく高速増殖炉は「間に合い」ますかねえ?
発電炉まで最短コース、つまり「もんじゅが明日からすぐに動いて、なんの問題もなしに性能や安全性・経済性を実証でき、建設反対派をうまーく説得できた」としても、これが発電炉として日本のエネルギー需要に対応できるくらいに各地で運用されるのは、半世紀くらいはあとになりそうな気がします。
日本以外でも研究してくれる国が現れれば早まるかもしれませんけど。
高速増殖炉は(核燃料の使い方としては)素性がいい、というのは理解しますが、まだ実証炉の稼働にすら至れていない技術を「それしか選択肢がない」と言われてしまうのも、「その専門家はちょっと綱渡り過ぎませんか」と思うわけで。
100年後、1000年後を見据えての話なら、それこそ最終的には太陽光しか選択肢はないです。核燃料だって、経済的に採掘可能な資源は無限じゃない。
Re:そもそも必要? (スコア:2)
うーん、核融合炉についてはどうでしょうね。
今のところはまだ、例えば「あと100年ほど技術開発すれば、長時間の連続運転ができる商業炉が絶対に完成するだろう」とは言い切れないように思います。
完成するかどうか判らないものに人類の未来を賭けてしまうのもちょっと怖いので、核融合炉については「完成すれば儲けもの」程度の構えでいたほうがいいかな、というのが私の見解です。
# 直近では、太陽光+蓄電より(現行の)原子炉のほうが発電技術としては地に足が着いてるでしょ、というのは同意。
# また、半世紀以降未来からなら、高速増殖炉でさらに100年以上はしのげるだろう、というのも同意。
安定かつ柔軟? (スコア:1, 参考になる)
柏崎原発は地震のあとずっと止まっているのですが。
#東京電力はすでにこのせいであっぷあっぷで、
#信濃川水利権を取り消されたJR東 [nishinippon.co.jp]はどうするのだろう…
ウランも既に「豊富な地下資源」というわけではなくなりつつあります。
世界で始まったウラン争奪戦 [mizuho-ir.co.jp]。
核燃料リサイクルはもんじゅ等の事故以後研究レベルですら進んでいません。
日本が持ってる特殊技術という点でも原発は維持してくべきでしょうが
それにばかり頼るのもどうかと。
#蓄電のかわりに揚水発電とかどーよ [jpower.co.jp]
Re:そもそも必要? (スコア:2, 参考になる)
ドイツの太陽光発電の不安定さというリスクに対すしては、
フランスの原子力発電から購入しているらしいです。
#それで"脱・原発"を名乗れるモノなのか・・・?
##有効なソースが見つからず、「らしい」なのですが
Re:そもそも必要? (スコア:4, 参考になる)
> フランスの原子力発電から購入しているらしいです
ドイツがフランスから購入してる量は電力消費量のわずか2%ほどです。
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/nuclear/2003/20030322_ck_html [greenpeace.or.jp]
また最も柔軟性に富む水力発電も、ドイツではわずか4%程度(しかも出力調整なしの流込式水力もかなり含まれる)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/906/906-06.pdf [nedo.go.jp]
この2つを合計しても、6%程度にしかなりません。
一方、(年によって若干変動しますが)日本は水力発電が10%ぐらいあります。
少なくとも「ドイツはフランスから輸入してるから…」というのは言い訳になりませんね。
しょせん匿名ですので、定量的なデータを示さない意見にはご注意。
# ほんとはIEAの統計からデータ引いてきたかったけど、今手元にないので二次情報でご容赦。
Re:そもそも必要? (スコア:2, すばらしい洞察)
電力自給できる所なんてほんの数ヶ国。
Re:そもそも必要? (スコア:2, すばらしい洞察)
電力だけなら原発のある「域内の他国」から調達可能ですが、化石燃料はそうはいきません。
一応北海油田もあるとはいえ石油の多くは中東やアフリカ諸国から、天然ガスはロシアに大きく依存してるのが欧州の現実ですよ。
というわけで
># ライフラインを他国任せにするのって、頭おかしいんじゃね?
なんてコメントの方がよほど世間知らずに見える。
うじゃうじゃ
Re:そもそも必要? (スコア:1)
・火力について「発電量を急激に可変させづらい」なんて誰も言ってない
・水力発電もダム式や揚水式はかなり自由に制御できるけど流水式はそうでもない
・現実には火力もピーク追従に使われている
原子力は出力を変動させるのにたいへん時間がかかるので、流込式水力や地熱などの自然エネルギーとともに、需要に追従する必要のないベース電力供給に用いられています。風力や太陽光もこのカテゴリに入るでしょう
石油やLNGを用いた火力は原子力などと比較すれば、はるかに出力変動特性は高いです。需要の変動に応じた負荷追従運転に適しており、揚水式水力とともに、実際にピーク電力供給に利用されています。
石炭式火力は両者の中間ぐらいです。
参考:資源エネルギー庁FAQ 発電電力の構成について [meti.go.jp]
Re:そもそも必要? (スコア:2)
> 不要な分捨てりゃいいんじゃねえの?
捨てんのはもったいないんじゃない。 CO2 貯蔵に使えばいいと思う。
Re:そもそも必要? (スコア:2, すばらしい洞察)
Re:そもそも必要? (スコア:2)
充放電効率ですが、揚水発電は70% [wikipedia.org]に対して、水素燃料電池は発電効率だけとっても70%を超えるものはありません [wikipedia.org]。電気分解の効率80% [cool.ne.jp]をかけると、一番いい数字をとっても56%にしかなりません。そのほかにも高圧タンクに詰めるときのロスなどもあります。水素は蓄電素材としてはダメダメです。
Re:そもそも必要? (スコア:2)
捨てるぐらいならもちろん蓄電ですが、その方法は揚水の70%以上はないともったいないでしょう。
そもそも夜間電力は余っていないと思います。揚水発電容量が足りていないなんて聞いたことがないのですが、もしそのような情報があれば教えていただけないでしょうか?
Re:そもそも必要? (スコア:2, すばらしい洞察)
エネルギーの形態としては、純粋に電気を電気として貯めておけるのは、(電解ではない)コンデンサ(キャパシタ)だけですね。
最近では、ナノテク使ったスーパーキャパシタってのも開発されてきていますが、PCレベルの電池を置き換えるにもいたっていない。
通常の大容量バッテリは、電気エネルギーを化学エネルギーに変換して貯蔵している。その意味で、水を電気分解して水素にして蓄えたり、揚水発電で位置エネルギーに変換しているのとあまり差はない。
当然、変換にはロスがあるので、充電した分使えるわけではない。
もちろん、将来的に(電池を含めた)蓄電技術は進歩していくと思われますが、車でさえやっとなんとか、というレベルにたどり着いた段階で、都市レベル、国レベルの電力をうんぬんできるまではまだまだ先が遠い。
なんだかんだといって、化石燃料のエネルギー密度と扱いやすさ・貯蔵しやすさは、ピカ一なんですよ。
Re:電気を使いたいだけ使える (スコア:2)
電力網が成熟していない一部の途上国(あとアメリカの一部、何年か前の上海)ではまさにそんな感じですね。しばしば停電する。
冗談抜きで、「最低供給保証量」だけ設けて、あとはベストエフォートにするって手はアリだと思います。最低保証で絶対に必要なところの電力供給(病院や警察・消防署、ガス・水道・通信網、家庭なら火災報知や電話・セキュリティ周り・空調)を賄って、他はベストエフォート。
ベストエフォートで供給される電気機器も優先順位があって、例えば、冷蔵庫>照明出力>TV録画機>テレビ>エアコン>電気ポット>オーディオ(A級アンプ)…なんて感じ。
人によっては、PC>TV録画機>オーディオ(A級アンプ)>冷蔵庫>照明出力>テレビ>エアコン>電気ポット…かもしれませんが。(廃人だなあ)
# うーむ、技術的には難しいかなあ。大きな電気に詳しい人がいらっしゃればフォローお願いします。
電源の質の低下に耐えられるかしらね (スコア:3, 興味深い)
いや、アメリカのほとんどの部分で、電力網の老朽化が問題になっています。
冗談じゃなく、家の周りが停電中。
http://www.pge.com/myhome/customerservice/energystatus/outagemap/
こないだの光ファイバーテロとかじゃなく、ちょっと強風が吹くと、バタバタと電柱、電線が切れていきます。
一本切れると電流調整で、広い範囲で瞬停または電圧降下。
ここ十年でだいぶ安定した(昔はもっとひどかった)のですが、まだまだコンピューター一台に UPS 一台。という状況から
離れられません。
家にも UPS 2台あります。
Re:電源の質の低下に耐えられるかしらね (スコア:3, 興味深い)
>アメリカのほとんどの部分で、電力網の老朽化が問題になっています。
そこでアメリカでは経済対策と一緒に電力網の再設計をおこなうスマートグリッド構想をスタートさせています。太陽電池などの自然エネルギー利用促進とともに、発電施設を分散小規模の物に替え送電ロスを減らすとともに、長距離送電線のアップデートを行い余っている場所から柔軟に電力を融通出来るようにすることを目指しています。
米国では現在、失業中の労働者を教育して、電力工事を行う技術者を急ピッチで養成しています。何せ全国の電力網で一斉に工事しようってんですから・・・。
日本の太陽電池補助金や車買い替え補助で終わっている日本の経済対策をみていると泣きたくなります。日本にも緊急に解決しなければならない課題が山のようにあるのだから、一石二鳥てきな経済対策を盛り込んでほしいものです。
Re:電源の質の低下に耐えられるかしらね (スコア:5, 興味深い)
アメリカでは、日本国内で聞くより多様でかつ精力的な対策を、提案レベルから検討レベル、実験レベル、実地試験レベルで行っているのは事実です。
ですが、私がその種の議論に加わった際に、私が自宅の電圧変動(電灯が過電流ですぐに壊れたり電圧降下でゆらゆらする)のことを問題視して、「これが解決するんだね!!!」と言ったところ、私以外の皆、「それとこれとどういう関係があるの?」という感じでした。日本国外に一般家屋に居住した事がある人ならわかると思います(ホテルなど商業施設は別扱いなのでその国の指標にならない)。
本トピックスを議論するためには、電力量のみならず質も考慮に入れなければならないように思えます。質が、例えばアメリカの現在あるいは近い将来のもので構わないのであれば、問題は日本国内で議論しているよりも遙かに簡単なのかと思います。
ところが、日本の電力の質を維持したまま(そんなことはrenewable energyを議論する際にも国際機関はもちろん考慮していないでしょうが)ですと、非常にチャレンジングなことで、難しいが達成出来ればすごいです(日本の未来は明るい)。ただ、その新たに得た技術が欲しい国はあまり無いように思えます。我々日本は我々独自の目標を持つべきでありますが、我々の目標に向かって行くにしても、海外との比較は質を考慮せねばあまり意味が無くなるものと思います。
従って、問題は我々が何を目指した上で、どのような問題や課題があるか、ですね。
#個人的には、日本の電力の質は、仕事では必要不可欠で、特殊な機関(医療、交通、etc...)では必要ですが、家庭では「あ~またか~」ですませれます。
スマートグリッド (スコア:3, 興味深い)
日経の記事 [nikkei.co.jp]に、「スマートグリッド」の日米共同研究とありますね。アメリカ・ニューメキシコ州での実証実験(2011~14)に日本ものる。
よく分からないけど、ITを駆使(?)して、電力網のインテリジェント化を図るといった感じでしょうか。双方向通信するとか、エンドユーザーの機器の需要までコントロールするとか(?)...
ちなみに産経の記事 [msn.com]によれば、政府は太陽光発電を2030年度に5321万キロワットにするつもりらしい。なんと、現在の原子力発電所の合計4793万キロワットより大きい。それじゃあ、影響も大きくなるでしょうね。
Re:電源の質の低下に耐えられるかしらね (スコア:2)
> アメリカでは(…)スマートグリッド構想を
> 日本の(…)一石二鳥的な経済対策を盛り込んでほしいものです
環境省や経産省の見積もりでは、太陽光発電での利益を使ってスマートグリッドなど系統インフラへの投資費用も賄える見通しですよ。
# というより、これにこそ太陽光発電関連機器の輸出利益を活用すべきと思います。
下記で「系統安定化の費用」などと表現されているのがそれで、20年間で数兆円を計上しています。
環境省:
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/conf_re-lcs/rcm.html [env.go.jp]
経産省:
http://www.meti.go.jp/press/20090318003/20090318003.html [meti.go.jp]
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/data/g81128aj.html [meti.go.jp]
というわけで電力インフラへの投資を期待されているならば、少なくとも「泣きたくなる」ような事態では無いと思いますよ。
Re:電気を使いたいだけ使える (スコア:2)
いいえ?
Re:気候変動は? (スコア:2)
ただ、海面に作って植物プランクトンから太陽光を奪うのはマジでやめといたほうが良いような気がしますが。