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地球

荒ぶる地磁気への対応

タレコミ by Anonymous Coward
あるAnonymous Coward 曰く、
Nature誌によると、ここ最近の地磁気の変遷は尋常ではなく、専門家は異常事態と捉えている。ただし、原因については分かっておらず、いくつかの仮説について議論されている。

もともと地磁気は全地球で緩やかに変動しており、例えば現在の北磁極はカナダ側からシベリア側へと徐々に移動している。このため、全世界の大域的な磁気ポテンシャルの強さを示すデータの世界標準であるWMM(World Magnetic Model, 世界磁気模型)は5年ごとに改定されている。WMMは船舶の測位システムや米軍・イギリス軍・NATOでも標準データとして採用されているほか、身近なところだと、AndroidとiOSにはデフォルトでインストールされており、地図アプリなどが使用する現在位置の情報を磁気偏角の測定で補正している。

https://en.wikipedia.org/wiki/World_Magnetic_Model
https://www.ngdc.noaa.gov/geomag/WMM/ (アメリカの政府閉鎖で停止中)
http://www.geomag.bgs.ac.uk/research/modelling/WorldMagneticModel.html

現在の最新版は2015年版WMMで、2020年まで運用される予定だったが、この異常事態を受けて、慣例を破って4年目の今月15日に最新版がリリースされることになった。しかし、アメリカの政府閉鎖の影響でリリースは30日に延期されることが9日に発表された。

2015年版WMMのケチの付き始めは2016年に南米の地下で大規模磁気パルスが発生したことで、これは改訂直後という最悪のタイミングであり、この時点で既にWMMと実測値の間でかなりのズレが出てしまった。この後も北磁極は大きく動いて時を追うごとにズレは大きくなり続けており、2018年初頭までにアメリカ海洋大気庁(NOAA)や英国地質調査所の研究員の行った年次検査では、航法データのエラーは許容量を超えてしまっていることが明らかとなっていた。

記事では、磁気パルスは地球の核からの磁気流体力学的な波によるもので、北磁極の急激な移動はカナダの地下で流体鉄が噴出して地磁気が弱まったことで、シベリア側へと振れているのではないか、としている。

来月になったらGPSなしでもスマホの現在位置がピッタリになってるかもね。

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