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東芝、コバルトフリーな5V級高電位正極を用いた新型リチウムイオン電池を開発 24

ストーリー by nagazou
新型 部門より
東芝は11月28日、コバルトフリーな5V級高電位正極材料を組み込んだ新型リチウムイオン電池に電池を発表した(東芝リリースMONOist)。

新しい電池は、ニオブチタン酸化物(NTO)を負極材料に組み合わせたラミネート型の試作品で、平均作動電圧が3.15V、高い急速充電性、高温下での耐久性、3V以上の高電圧などが実証されている。正極材料に使われているLNMOと呼ばれる材料は、従来の正極材料よりも高い作動電位を持つという。

これまでLNMOを用いると電解液が酸化分解してガス化する問題があったが、正極材料の改質や負極表面での金属の無害化技術を開発することでこの問題を解決。これにより、ガス発生を抑制と同時に一般的な電解液を使用できるようになり、コスト増も抑えることに成功したという。同社は本電池を2028年に実用化することを目指すとしている。
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  • 東芝が5V級正極電池を28年に実用化へ、寿命は6000回 [nikkei.com]

    出力電圧は 3.15V なのか。

    リン酸鉄リチウム(LFP)の2倍ほどの寿命となると、車載や家庭用蓄電池などにすごく有望に聞こえますね。

    車とか太陽光発電用蓄電池だとか、大容量のものは三元系(NMC: ニッケル・マンガン・コバルト)よりは、リン酸鉄リチウム(LFP)だと思っていましたが(自分が使うなら)、新たな選択肢ができるといいな。

    特徴を拾ってみました。間違っていたらご指摘願います。

    正極NMC: ふつーのリチウムイオン電池。エネルギー容量が大きい。事故時に燃える可能性が高い。コバルト C やニッケル N なども使い高価。1000サイクルぐらいで容量が大きく減る(2〜3年でへたる)。

    正極LFP: リン酸鉄リチウム。エネルギー容量が若干低い。事故時にも燃えにくい。鉄は安価。3000サイクルでも80%ぐらいの容量が確保できる(大雑把に寿命は10年といわれる)。充電は遅め。低温に弱め。
    中国BYD、小型EVを363万円で日本発売。投入第2弾 [srad.jp]:中国BYD はもともバッテリーメーカーで、LFP の車載を推している。航続距離(もしくはバッテリー重量)では不利だが、安全性や劣化の少なさが売り、のはず。

    負極LTO: チタン酸リチウムを採用した東芝独自の第1世代SCiB。マイナーだと思う。エネルギー容量が低い。安全、2万サイクルの長寿命長寿命(50年?)、低温に強い。高速充電対応など。

    負極NTO: ニオブチタン系酸化物を採用した東芝独自の第2世代SCiB。2017年に試作品。2024年にサンプル出荷予定。ニオブが高くつかないか心配。エネルギー容量は LTO より高いが依然として低め。安全、2万5000サイクルのさらに長寿命(80年?)、低温に強い。高速充電対応など。

    今回のストーリー
    正極LNMO+負極NTO: ニッケルマンガン酸化物、ニオブチタン系酸化物を採用。ニオブが高くつかないか心配。今回試作? 2028年に実用化の目標。エネルギー容量は SCiB より大きく LFP に近い。安全、6000サイクルの長寿命(20年?)、低温に強い。高速充電対応など。

    • by Anonymous Coward

      20年前のメタノール燃料電池みたいにならなきゃいいね。

      • by Anonymous Coward

        燃料タンクに給油(給酒?)すればいい自動車はともかく、モバイル機器にメタノールカートリッジを装着なんて
        どう見てもゴミが出るじゃないか、と思ったあの頃

        • by Anonymous Coward

          2chか何かで、「発熱がすごいので、モバイル機器に使うとかありえん」とかいうのを見た。そりゃそうだな。効率は100%じゃないし

          • by Anonymous Coward

            モバイルバッテリーに追加充電にいいかも

    • by Anonymous Coward

      結局はお値段次第。その次がエネルギー密度かな。
      LFPの売りは安全性もそうなのですが、同じ安全性と容量を実現したときに安価なことですね。

      現行LFPの2倍の寿命+高い出力密度と言っても、もし値段が2倍ならLFPを2倍容量積んだほうがお得という事になりかねない。
      初代のSCiBはこの問題抱えてて、結局は初期の小容量ハイブリッド向けとか一部の電動工具でしか採用されなかった。

      https://newswitch.jp/p/38093 [newswitch.jp]
      このように増産は進めてますが、車載向けの大手などと比べると投資額が1-2桁少ないです。
      投資が先か採用が先かという話もあるのですが、もっと大規模でないと結局は価格で勝てなくてニッチにならないかが心配です。
      #どうせニッチなら現行SCiBのようなとがった性能の方がよかったり?

  • by Anonymous Coward on 2023年12月02日 7時57分 (#4573103)

    ソースにはちゃんと「ニッケルマンガン酸化物(LNMO)」と説明されてたぞ

    • Re:LNMO (スコア:3, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2023年12月02日 9時36分 (#4573115)

      ・コバルトは埋蔵量がコンゴ民主共和国に偏っていて、鉱山の児童労働で大問題になっているから使いたくない。
      ・ニッケルは値段上がってきたから減らしたい。

      LMNOはLi2NiMn3O8やLi2MnNiO4 だから、「ニッケルマンガン酸化物(LNMO)」だとLのリチウム抜けちゃってるね。

      今までの正極はLiCoO2で、コバルトは肝心な反応に絡んでるから、混ぜ物をして含有量を減らす方向で開発が進んでいた。それをLi2NiMn3O8にして脱コバルトを形にしたってこと。

      カカオなら農産物だから、気候が似てる「児童労働させてない地域から買うよ」ムーブができるけど、コバルトはそうはいかないから困ってた。しかも最大の鉱山であるテンケ・フングルーメ鉱山は中国資本だから、労働状況を詰めるために文句を言おうとしてもどうにもならない。

      https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BB%E3%... [wikipedia.org]

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      • Re:LNMO (スコア:4, 参考になる)

        by ogino (1668) on 2023年12月02日 10時13分 (#4573127) 日記

        今までの正極はLiCoO2で、コバルトは肝心な反応に絡んでるから、混ぜ物をして含有量を減らす方向で開発が進んでいた。

        NMC系(LiNixMnyCozO2)などを「混ぜ物」でコバルト含有量を減らす方向の開発などもあるかもしれないが、主流はコバルトを使わない新しい正極材の開発でしょう。

        リン酸鉄リチウム LiFePO4 はその代表。東芝 SCiB のマンガン系(LiMn2O4か?)もそう。これの改良型、第二世代 SCiB(負極をニオブチタン系酸化物に変更)のさらに改良型(正極も変更)が今回のストーリーかと。(ちょっと自信がないが)

        東芝 SCiB(現行):正極マンガン系、負極チタン酸リチウム
        東芝 SCiB(第二世代):正極マンガン系、負極ニオブチタン系酸化物
        東芝 今回のやつ:正極ニッケルマンガン酸化物、負極ニオブチタン系酸化物

        いずれも、高い安全性、長い寿命、高速充電、低温に強いなどの特徴がある。
        今回のやつは長い寿命を20年ぐらいに落として、エネルギー容量をリン酸鉄リチウム並みに上げたらしい。

        なお「今までの正極はLiCoO2で」というのはモバイルとか低容量の話であって、車載とか家庭用蓄電池とかの大容量では危険すぎて使われないのでは?

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        • by Anonymous Coward

          > いずれも、高い安全性、長い寿命、高速充電、低温に強いなどの特徴がある。
           
          「僕の考えた最強の電池はない」の法則からすると、上記に「高い価格」がプラスされそうな予感。

          • by ogino (1668) on 2023年12月02日 14時23分 (#4573202) 日記

            > いずれも、高い安全性、長い寿命、高速充電、低温に強いなどの特徴がある。
             
            「僕の考えた最強の電池はない」の法則からすると、上記に「高い価格」がプラスされそうな予感。

            いや、コバルトなどがないから「高い価格」というわけではないです。売れる規模が違うからなんとも言えませんが。

            今のところ、主流にならない理由は、「小さい容量」もしくは同容量にて「重い重量」がプラスされるからです。

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            • by Anonymous Coward on 2023年12月02日 16時35分 (#4573235)

              少なくとも現行のSCiBは高すぎて、氷点下の寒冷地向けとかEVバスのような高サイクル用とか、特定用途にしか売れてないです。
              EVバス向けで他社だとライフサイクルで2-3回交換必要なのが、SCiBなら交換不要なので高価格でもOKという売り方。

              価格にしても原材料の一部で値段が決まるようなものではないですし。
              コバルトの値段はこの10年で3倍ぐらい変動してるし、リチウムの価格に至っては2022-23年は3年前の10倍価格です。
              一番の価格要因は書かれている通りで売る規模というか生産規模です。
              新しい電池の一番の問題は、どんな電池でも常に、大規模に量産できるのかどうかです。
              試作から量産までの間が一番難しいところで、ここを乗り越えられるかどうかは、性能が高いかどうかより優先する課題です。
              だからこそCATLのM3Pは非常に注目されてるけど、東芝のNTOは数年前からアナウンスしてるけどそれほど注目されない。

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            • by Anonymous Coward

              > 同容量にて「重い重量」
               
              それならUPSとかの設置型の利用にいい感じですかね。

            • by Anonymous Coward

              規模の経済が効かないから高いが売れない理由だろ。

              • by ogino (1668) on 2023年12月02日 21時21分 (#4573338) 日記

                まぁ化学プラントの面もありますし、実際の製品の販売価格には規模の経済は効きますね。需要が少ないのに安く売っても意味がないというのもあります。

                # 原材料費がどうのこうのというより、東芝のシェアではなんでも安くはならないような。

                親コメント
              • by Anonymous Coward

                どのみち新型なんて少数生産なうえ開発費が過大に乗りがちでそれでいて客からは何となく不安だからの一言で無視されがち。
                東芝には無理のあるチャレンジかも。いやとうしばだからこそむりのあるちゃれんじをしてしまうのだろうか。

      • by Anonymous Coward

        そういうの気にするなら石油由来のエネルギーは使わない方がいいよ。
        サウジアラビアとか非民主的な国で生産されてるものが入ってるから

        • by Anonymous Coward

          気にするのは俺ではなく社会なんだよね

  • by Anonymous Coward on 2023年12月02日 8時11分 (#4573104)

    リチウムイオン電池なのにコバルト入ってるのかよ。
    ナトリウムイオン電池なのに、味の素入ってたりしないかな。

    • by Anonymous Coward

      スイカにナトリウムイオンをかけると甘くなるように、電池にコバルトを混ぜるとコクが増す

      • by Anonymous Coward

        電池を舐めて、コバルトの産地が答えられるまでに3年かかるらしいぞ

  • by Anonymous Coward on 2023年12月02日 11時46分 (#4573143)

    とは?
    今までは一般的じゃなかったの?

    #まさか水溶液を使用できるようになったわけじゃあるまい?

    • by Anonymous Coward

      これまでLNMOを使いたければ、お高い特殊な電解液との組み合わせでないとダメだった、以外にどういう解釈ができるのか。

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