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ハードウェア

スタンフォード大学、人間の脳をモデルにした電子回路「Neurogrid」を開発 39

ストーリー by hylom
何ができるのだろう 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

米スタンフォード大学の研究チームが人間の神経細胞やシナプスを模した電子回路基盤「Neurogrid」を開発した(Gizmag日経新聞)。

このNeurogridはiPadほどの大きさで、既存のPCより9000倍速く、しかし消費電力はノートPCよりも少ないという。基盤に使われるのは「Neurocore」と名付けられた専用に設計されたチップであり、16個のNeurocoreを用いて約105万本の神経細胞と数十億のシナプスを再現するとのこと。各チップは信号をアナログで処理するとのことで、その電圧と電流は脳の神経細胞が活動するときのそれと同程度だという。

Neurocoreはおよそ15年前の半導体技術で作成され、開発費用は約4万ドル(約408万円)とのこと。最新の製造プロセスを利用できればコストは400ドルにまで下げられるとしている。

このような回路を脳に埋め込むことができれば脳で制御できる義肢を大きな電源を要さずに実現できる可能性があるそうだ。研究チームは既に製造プロセスを見直すことによるコスト削減および制御やアプリケーション開発を容易にするソフトウエアの開発に取り組んでいるとのことだ。

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  • by glasstic (32934) on 2014年05月07日 22時07分 (#2595904) 日記

    最新プロセスを使えば、今の4万ドルが400ドルに1/100になるとありますが、ほんとに将来コストが下がるのでしょうか。

    15年前のプロセスを使ってるとあるので、今回の物は250nmか180nmプロセスでしょう。
    今の最新プロセスが28nmなので、デジタル回路のスケーリングだけを見れば、約1/10の微細化で面積はざっと1/100。
    コストが1/100になると言ってもそれほど外れてないでしょう。
    しかし、今回のチップはアナログ回路を使うことによって小さくできたとあります。

    アナログ回路を微細化するのはそれほど簡単ではありません。
    面積を単純に小さくするのは簡単ですが、1/100のサイズにすると電流、容量が1/100になり、ざっとノイズが10倍になります。
    それに対して電源電圧は2V~3Vだったものが1V程度に下がるので、信号レベルは1/2に低下。
    SN比が1/20に低下するので、同じ性能を維持するのはとても無理だと思います。
    そういう問題を回路の工夫で何とか改善してますが、やはりデジタルほどの面積縮小は難しいのが現状です。

    もちろん、これは一般的なアナログ回路の話であって、今回の物は違うかもしれません。
    アナログ技術を使用しつつも、微細化に対応できるアーキテクチャなのであればすばらしいですね。

  • by inoua (33235) on 2014年05月08日 2時07分 (#2596027) 日記

    外付けとして欲しい。
    サポートが終了すると悪い子になるのかな。

  • by nemui4 (20313) on 2014年05月07日 15時00分 (#2595553) 日記

    >このような回路を脳に埋め込むことができれば脳で制御できる義肢を大きな電源を要さずに実現できる可能性があるそうだ。

    リンク先の写真を見る限りではまだまだ脳に埋め込むのは無理っぽいすね。

    脳に埋め込めたとして、義肢を制御するのにこのデバイスを作動させるための電力はどっから供給するんだろう、生身の脳神経を興奮させて余計に発電できるのかな。
    排熱問題もありそうだけど、モロモロの問題をクリアできたら人間の能力(記憶力)が増大するというバラ色の未来。

    • by qem_morioka (30932) on 2014年05月07日 16時26分 (#2595643) 日記

      15年前の半導体プロセスで作ってるってことは、最新のでやれば1/10にできるってことやね。
      そうなってくると埋め込みも多少現実的が出てくるってもんじゃないかなー

      …電力は叡知の光tがアレなナニでー

      親コメント
      • Re:まだ無理そう (スコア:3, おもしろおかしい)

        by saratoga (23467) on 2014年05月07日 18時41分 (#2595736) 日記

        実際の脳と違って、半導体プロセスだと構造が2次元なので、いろいろ限界に到達するというようなことはないのでしょうか?
        ところで、「 約105万の神経細胞と数十億のシナプスを再現する」を、「約1メガの神経細胞と数ギガのシナプスを再現する」と書き直すと、心なしかさみしく感じるのは気のせいでしょうか。

        親コメント
    • by Anonymous Coward

      脳の機能的な欠損と四肢の欠損がごっちゃになってね?

    • by Anonymous Coward

      これは今のフォンノイマン型のアーキテクチャじゃなくて、人脳型のアーキテクチャだから、
      脳の上で走っているソフトウェアの移植が容易になる、そういう方向性じゃあるまいか。

      将来的に、アプリケーションだけでなく、オペレーティングシステムも、ファームウェアも、
      誰か人間のもの移植すれば、グレッグ・イーガンのSFに出てくるような、人間の人格の複製が
      できてしまうという、なかなかスリリングなものの「種」なんでは?義肢云々は、正体を知られて
      色々突っ込みを入れられるのを嫌っての、カモフラージュのような気がする。

    • by Anonymous Coward

      電源はブドウ糖駆動型燃料電池で賄えるのでは?

      脳内に埋め込めるサイズで必要な電力が賄えるなら、
      という条件付きですが。

  • by Anonymous Coward on 2014年05月07日 15時33分 (#2595591)

    既存のPCより9000倍速く何ができるということなのでしょうか?

    • by Anonymous Coward on 2014年05月07日 16時36分 (#2595649)

      タレコミにもある「約105万本の神経細胞と数十億のシナプスを再現すること」でしょう。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        それを再現してなにができるんでしょ…(門外漢なのでおそるおそる)。

        • 人間の大脳の神経細胞の数は、推計で100億~180億、
          小脳やら脊髄といった中枢神経系の全部だと、推計で1000億辺り。

          この研究の1万倍から10万倍の規模、速度が解らないけれど。
          15年前のIC技術でなく、最新のIC技術で作れば、集積度は30倍位?
          CPUチップを、数千個搭載した、ちょっとしたスパコン程度の筐体で
          規模としては、人間の脳を再現できる。

          ソフトが無ければ、このシステムでも多分ただの箱だから、
          当分は、人間を手本にファームウェア(BIOSみたいなもの)を
          クリーンルーム設計みたいに作ることになるのだと思う。

          ファームウェアがある程度動くようになれば、人間相手と同じように
          教育できるかも知れない。

          さらに規模を人間三人分へ拡張すれば、文殊の知恵が授かるかも知れないし
          思考速度が圧倒的だったり、従来型のコンピュータとのハイブリッド演算が
          さらに力を与えたりすれば、案外早く「シンギュラリティ」に到達して、
          地球の「人類の時代」は終わるかも知れない。

          親コメント
        • by Anonymous Coward

          ニューロコンピューターが流行だったのは随分昔のことなので、
          今じゃ完全に忘れちゃった人も多いのかな。
          #1991年公開のガンダムF91がニューロコンピューター搭載。まあそんな時代だったのだろう。
          #「あやとり」のアレはバックプロパゲーションだったのだろうか。

          ニューロコンピューターの一般論としては、典型的には「画像認識」とかですね。
          同様にして、たとえば囲碁の一部を処理させたら、超強力な囲碁プログラムができるかもしれません。

    • by Anonymous Coward

      数%しか速くならないのに大金払って最新機種に乗り換えてる人が多いサイトだと思いますが

      • by Anonymous Coward on 2014年05月07日 16時43分 (#2595654)

        9000倍速くなったとして何の意味があるの?じゃなくて
        何の工程を比較して速さを比較してるの?って話でしょう。
        バス幅でもスイッチング速度でも足し算でも大戦略で次ターンがくるまでの時間でも何でもいいけど、何の速度を比較したのか分からないと評価のしようもない、と。

        私の乏しい英語能力でソースのスタンフォード大のを見てみましたが、
        「マウスの皮質のコンピュータシミュレーションをやらせたら既存のパソコンより9000倍速いぜ」でいいのかな?
        自信はまったくありません……。

        >For all their sophistication, computers pale in comparison to the brain. The modest cortex of the mouse, for instance, operates 9,000 times faster than a personal computer simulation of its functions.

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          これスタンフォードの記事の見出しは現行PCの9000倍早いって書いてあるけど、実際の本文
          >The modest cortex of the mouse, for instance, operates 9,000 times faster than a personal computer simulation of its functions.
          に書いてあるのはあくまで、ネズミの並な(大脳)皮質はパソコンでその機能をシミュレートしたときより9000倍速い、という事で、実際今回作ったNeurogridがパソコンの9000倍とは書いてないんですよね・・・
          どっちが正しいんだろう

    • by Anonymous Coward

      9000倍速くあきらめることができる

      #まぁ!なんて人間らしい!

      • by Anonymous Coward

        そして9000通りの後悔をしてクヨクヨクヨクヨクヨクヨクヨクヨできるぜ!

    • by Anonymous Coward

      9000倍速くても人間の脳並みにいい加減なら、コンピュータ解析には使えないでしょうね。

  • by Lurch (10536) on 2014年05月07日 15時34分 (#2595592)
    人並みに適当な処理結果なんですね(違
    --

    ------------
    惑星ケイロンまであと何マイル?
    • by adeu (2937) on 2014年05月07日 16時51分 (#2595662)
      さて「適当」をどう解釈しましょう。
      人間並みに「ふさわしい」・「適切」な行動なのか、「いいかげん」なのか。
      適当に。
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        脳回路の処理自体は正確で、その処理結果を受け取る意識の側が適当に受け取ってる、って説を見た気がする

      • by Anonymous Coward

        どちらであっても大した成果ですね。
        24時間疲れずに仕事が出来て、大量生産もOKになるだけで大幅なメリットです。

        • by Anonymous Coward

          日本ではわざわざ機械を作らなくても使い捨ての社畜が大量に自然発生してるので問題ありません

    • by Anonymous Coward

      某アンドロイド並に炊飯器の制御なら問題ないわけですね

      • by Anonymous Coward
        理想の炊きあがりを9000倍速く感知。 おいしさを逃がしません!
    • by Anonymous Coward

      ファジー理論と1/fゆらぎを組み合わせれば…。

  • 加速中の思考は補助電脳が行っている、とちゃんと設定されている。

  • なんてのはもう古いのか

  • by Anonymous Coward on 2014年05月07日 22時30分 (#2595925)

    人間の脳をモデルにした、ってのは前例が沢山あるはず。

    電圧と電流を全く同じにして本物の脳とシームレスにつなぐハードを作ろうと思ったんだけど
    作ってみたら既存のPCより9000倍も速く動くのでこれ単体で応用できるっぽい、

    脳とつなぐ計画より前に、単体でも応用に使えそうな成果が先に出たという話かな。

  • 日本では、ニューラルネットワーク、一昔前に流行ったけど、いつの間にか忘れられていた。
    最近、「ディープラーニング」という新しい手法を加えて海外で復活しつつあると聞いた。
    ディープラーニングでは、分類方法そのものも機械に発見させるらしい、と聞いた。
    しばらく前に話題になった人工知能:ワトソンやSummlyでも、機械学習のしくみを上手に作ることで、
    学習にかかわる人手を大幅に減らし、より多くのパラメーターを自動調整させるそうだ。
    ディープラーニングも、学習にかかる人手を上手に省くことで実現しつつあるそうだ。
    ニューラルネットワークに、過度に判断負担が集中したニューロンの負荷を、
    周辺ニューロンにも分散させて、少数のニューロンに依存しすぎて学習能力の下がった
    ネットワーク全体の学習力を回復させる「睡眠フェーズ」を付け加えれば、
    もっとニューラルネットワークの能力を上げられると思うのだが…。

    フラクタルなども一昔前に日本でも流行ったが、もはや忘れられて、デザインにも使われない。
    日本発のデザインは人手でペットと赤ん坊を足して2で割ったようなキティなどばかりで気味悪い。
    フラクタル次元に手を加えた概念は、複雑な対象の類似度判定などにも活用できそうだと思うのだが…。

    カスタトロフィー理論なども一時期、流行ったが、
    民衆の不満が臨界点に近づくと、いろいろな政変を起きやすくなる現象などの説明には
    適していると思うのだが…。

    • by Anonymous Coward

      >上げられると思うのだが…。
      >できそうだと思うのだが…。
      >適していると思うのだが…。

      そんなことより一時期流行ったcast a trophy理論の説明をしてほしいと思うのだが・・・。(民明書房風に)

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Stay hungry, Stay foolish. -- Steven Paul Jobs

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