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電力

核融合エネルギーの研究、先行きは明るくない 76

ストーリー by hylom
実現するのはいつか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

米ローレンス・リバモア国立研究所の国立点火施設(NIF)では、レーザー核融合の研究開発が進められている。しかし、現在では核融合の研究は政治と科学の両面から先行きが不透明になっているそうだ。NIFの192本のレーザー装置が稼働を開始したのは2009年2月。当初の目標として、2012年10月1日までの「点火」が実現するはずだったが実現していない(ナショナルジオグラフィックス)。

政治面でいうと、2014年度の米国政府予算案でNIFの予算は前年比14%減、約6千万ドルに減額された。今後妥協案がまとめられる見込みだが、計画の見直しは必須の情勢のようだ。

科学面では、持続的な核融合点火に必要なレーザー装置の実用化の遅れがあるという。シミュレーションでは核融合出力はレーザー照射を上回る予定だったが、実用化するに足る規模のエネルギーを生み出す「核融合点火」のプロセスはまだ実現に至っていないという。「まずは低い量のエネルギーから実験を開始し、コンピューター予測と実際の結果が一致するかどうかを見極めるべきだ」という批判もあるという。

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  • いつの間にか「核融合」の名前が消えて「レーザーエネルギー学研究センター」になっちゃってますね。
    1990年に大阪でロシアの偉い先生が20世紀中には(レーザー)核融合発電できるよと電気学会の講演会で言うてはったのに。
    レーザー媒質の結晶なのかレンズの精度なのかなにがダメなんだろう。

    • いつの間にか「核融合」の名前が消えて「レーザーエネルギー学研究センター」になっちゃってますね。

      それは「レーザー核融合に見込みが無いから」ではなく、
      「核融合用レーザーのもたらす超高温・超高圧に(宇宙物理学などへの)高い応用が期待できるから」。
      実際は実用炉に向いた高速点火用ターゲットの量産、炉への投入も含めた実用化に向けた地に足の着いた研究を進めている。

      米国のNIFが頓挫した最大の理由は水爆のシミュレートである中心点火にこだわったからだろう。一般に中心点火のほうが高速点火よりも大きなエネルギーを必要とする。阪大は施設全体が小さくて済む高速点火を選んだ。繰り返し点火についても、

      「レーザー核融合」、毎秒1回の100連続反応に成功
      http://srad.jp/story/12/04/10/1649200/ [srad.jp]

      にあるように研究は進んでいる。高速点火を続ける限り日本にはまだ望みはある。

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      • 上記補足 (スコア:4, 参考になる)

        by maruto! (18665) on 2013年08月06日 4時13分 (#2435300) 日記

        ・間接照射・中心点火 ターゲットは燃料球の周りを金属製の殻で包んだもの。レーザーは殻の一部に照射。高温に加熱された殻はX線を放射。オーブンのように殻内部をX線で満たして燃料球をまんべんなく加熱する。アメリカが中心となって研究。点火方式が水爆に酷似しているのが理由。

        ・直接照射・高速点火 圧縮用レーザーを燃料球表面に直接照射・圧縮した後、燃料の一点に超高出力・極短パルスのレーザーを燃料して点火。連鎖反応で燃料全体を燃やし尽くす。日本が中心となって研究。

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    • by Anonymous Coward

      発振すると熱で発振器、レンズが歪むとどっかで読んだ。
      (しかしこれがすべてではなかった気がする。)

      トカマクとレーザー点火を合体させたらうまくイカンかな?
      まーあれに関わっている人達は物理の天才達だから、そんなことはすでに
      考えているだろうけど(´・ω・`)
      >核融合の採算
      http://srad.jp/comments.pl?sid=593739&cid=2330606 [srad.jp]

      • >発振すると熱で発振器、レンズが歪むとどっかで読んだ。

        レーザ媒質やレンズに不純物や結晶の異常(?)があるとそこから歪が広がってダメになるので
        作るのがしんどいって話を学生時代に阪大レーザーセンターの人の論文か発表で聞いた気がした。
        なんだかんだと内製が多いので職人的な手わざも磨かないとダメだとか愚痴ってたっけ。

        そんなところに頼らないとダメなら当分ダメなんだろうなぁと当時の自分は思ってたけど。
        やっぱりうまくいかないんでしょうね。

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        • by Anonymous Coward

          100年近く地道に研究しつつ、核融合触媒とかポロリと見つからんかなあ。

  • by aspenleafjp (36074) on 2013年08月05日 14時30分 (#2434836)

    この手の話を聞くたびにうんざりさせられるのですが,まずはどうしてあんな大金をつぎ込んでまで慣性核融合を起こしたいのかを理解すべきです.ZやフランスのLMJの目的も同じです.発電炉として用いるとか,宇宙での元素合成を解明できるという話は,セールストークとしてはあっても,実現は夢のまた夢です.NIFはすでに当初の予算を大幅にオーバーしていますが,予算が削られたからと言って,それが未来の無尽蔵なエネルギー源から研究が後退したという話ではありません.

    • by aspenleafjp (36074) on 2013年08月06日 10時33分 (#2435474)

      ひねくれた書き方をしてしまいました.
      こういう施設の大きな目的はstockpile stewardshipにあります.さらに言うならスーパーコンピュータ開発とも表裏一体の関係にいあります.実験で得られたデータと大規模なコンピュータシミュレーションを比較することで,計算による予測精度の向上を目指します.

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    • by Anonymous Coward

      あなたの発言の趣旨がわかりません。

      「理解すべき」とあるが、あなたの発言から何をどう理解してよいのかわかりませんでした。

    • by Anonymous Coward

      まずはどうしてあんな大金をつぎ込んでまで慣性核融合を起こしたいのかを理解すべきです.ZやフランスのLMJの目的も同じです.

      米国の場合は、核融合エネルギー開発と核兵器技術研究でしょう。
      一部の方にはお気に召さないでしょうが、米ローレンス・リバモア国立研究所やサンディア国立研究所が、そもそういう所ですから。

    • by Anonymous Coward

      > この手の話を聞くたびにうんざりさせられるのですが,まずはどうしてあんな大金をつぎ込んでまで慣性核融合を起こしたいのかを理解すべきです.

      で、どうしてあんな大金をつぎ込んでまで慣性核融合を起こしたいのですか?

    • by Anonymous Coward

      私にも理解できるように教えて下さい。お願いいたします。

  • by Anonymous Coward on 2013年08月05日 14時06分 (#2434812)

    日本では無名ですが、それなり以上の実績はあるようです。
    まあレーザー核融合が容易い話ではないのは、やってみて見えてきたようですから。
    アメリカは政権が代わると、時にばっっっさりと技術開発を打ち切ってきた国ですからね。

    • by Anonymous Coward

      ちょっと前まで、日欧が難しすぎる磁気閉じ込め型にこだわったせいで、アメリカにレーザー核融合で出し抜かれそうって論調だったのに...

    • by Anonymous Coward

      大学の旧友がまさにこのレーザーの出力アップのための大事な部分を担当しているはずなのだが、その旧友自体もレーザー業界で成果のある人ってほどでもないし、給料をいっぱいもらってる感じもなかったし、うーんあんまり書くと特定されちゃうから書かないけど、予算がないのかな

      • by Anonymous Coward

        こういう国の予算で動く仕事は、予算があれば人を沢山雇えますし、
        機材を揃えることもできますが、基本的に給与は変わりません。
        それから、余所の国は知りませんが日本の公的機関の研究者の給与は
        どの分野でも予算の多寡に関わらず民間より安いと思います。

        • by nim (10479) on 2013年08月05日 20時25分 (#2435108)

          >それから、余所の国は知りませんが日本の公的機関の研究者の給与は
          >どの分野でも予算の多寡に関わらず民間より安いと思います。

          国立大学法人は職階で結構給料が変わるので、民間企業と単純に比較しにくいとおもいます。
          まあ、平均すると大企業のほうが高そうですね。あと、全体の予算と関係ないのは、民間企業でも同じだとおもいます。

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  • by Anonymous Coward on 2013年08月05日 15時24分 (#2434870)

    何度も言っていることだが、いつになったら核融合でお湯を沸かせるのだ!?
    本当にお湯を沸かしながら核融合反応を継続出来るだろうか?
    (原発は燃料棒そのものが水に浸かっているが、核融合炉は真空状態なんだろ)

    • by rhodamine (32563) on 2013年08月05日 15時32分 (#2434882)

      直接お湯を沸かすわけでは無いのでご心配なく.

      最初期の商用核融合炉はトリチウムを生産するために液体リチウム
      に核融合の熱を吸収させる計画です.

      http://www.aesj.or.jp/~fusion/aesjfnt/bukaihou14/14-1-2-4.pdf [aesj.or.jp]

      その液体リチウムを水と熱交換して,蒸気タービンを回します.

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    • by Anonymous Coward

      >核融合炉は真空状態なんだろ

      え?

    • by Anonymous Coward

      たしかに。中性子がどうこうとか言われても、私のような平民には、なんのこっちゃわからんのです。お湯がわくかどうか、それが肝心なのであります。

    • by Anonymous Coward

      真空状態なら何を原子核融合させるんですか?

      • by Anonymous Coward

        真空状態でもレーザー核融合はおこせます 水素かヘリウムと熱があれば

        • by Anonymous Coward

          水素やヘリウムがないのが真空って言うんじゃなかった?最近は違うの?

          • by Anonymous Coward

            対生成すればいいんだよ!!

          • by Anonymous Coward

            重水素と三重水素の固体に超強力なレーザーを浴びせる すると 表面部分の加熱、プラズマの膨張により、その反作用として燃料球自身が内部へ爆縮
            そして各融合を起こす これを1秒間に数回の割合で繰り返すことにより、連続的にエネルギーを取り出す

    • by Anonymous Coward

      2012年10月の段階で「投入したエネルギー」より「発生したエネルギー」が大きくなる予定でした
      それが予定通り行かないので、予算削減の憂き目にあっています。

      今の設備でも薬缶を提げて置く仕掛けを作れば、お湯くらい沸かすことはできると思いますが・・・。

  • 太陽電池と蓄電池を、鉄板に毛が生えた程度の、超絶低コストで作れるようになるのと、
    核融合で発電目的の実用炉を作れるようになるのとでは、
    どちらが技術的に難しいんだろうね。

    もし、核融合炉のほうが技術的に難しいのなら、核廃棄物が出る核融合炉を選ぶ理由はない気がする。
    よっぽどの政治的理由があれば話は別だけど。

    いまのところ、どちらも技術的な目処は立ってないので、比べようもないけれど、
    個人的希望としては、太陽電池&蓄電池の技術開発が進んだほうが嬉しいな~

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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ見習い

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