「水素発生剤」を使ったポータブル燃料電池 46
ストーリー by reo
Web サイトも大変読み易くて 部門より
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OddEye 曰く、
なかなか本格的な製品化に漕ぎ着けないモバイル向け燃料電池だが、従来のメタノールを燃料とするものより小型軽量、低コストで安全な燃料電池式モバイル充電器「FC-STICK」が 6 月頃の発売予定となっている (ITmedia の記事より) 。
この製品はアクアフェアリーと NTT ドコモの共同で開発され、FC EXPO 2010 で公開された。標準モデルの「FC-STICK」で 1.5 〜 2 ワット出力 / 定格 5 ボルト / 3 ワットアワー、重量 26 グラムとなっている。より小型の micro FC-STICK や、スマートフォンやモバイル PC に対応した大容量の FC-Cube、FC-Cube Dual もラインナップされている。
水を燃料として、水素発生剤による触媒で水素を発生するというのが本当なの ? という驚きを禁じ得ないが、スペックと実際の動作、ドコモと共同でいよいよ発売予定となると、否が応にも期待が膨らむ。この小さなガジェットが、本格的な水素燃料の時代をこじ開けるきっかけになるのだろうか ?
触媒ではないようです (スコア:4, 参考になる)
メーカーのWebサイトを見る限り、水素発生剤は触媒ではなく、使い切ったら補充の必要がある消耗品のようです。なので、ジェネパックスのように「いかがわしい」ということはないでしょう。
水と水素発生剤による燃料電池は、過去にも何度か/.Jストーリーとしてとりあげられていますね。関連ストーリーに挙げられているもの以外では、こんなのがありました。
水とアルミニウムで高効率の燃料電池 [slashdot.jp]
Re:触媒ではないようです (スコア:2)
「太陽光レーザー,水,マグネシウムによる革新的エネルギーサイクル」 [srad.jp]
水素発生剤はマグネシウムという可能性もありますね。
水を分解して水素を発生させるには当然、エネルギーを投入しないと不可能ですから。
# 例えば、光合成は光のエネルギーで水を分解して余った酸素を排出します。
触媒を添加してあるとしても、エネルギーを発生させつつ消耗する「本当の燃料」が必要でしょう。
ある意味蒸気機関だって「水」で動いてるわけですが、エネルギー源は水じゃないわけで。
水をボイラーで蒸気に変えるために使われる石炭の燃焼反応が本当のエネルギー源ですよね。
Re:触媒ではないようです (スコア:1, 参考になる)
今回の「アクアフェアリー」に関するそのもののストーリーもあります。
「水を入れると発電開始」という超小型燃料電池、実用化へ [srad.jp]
いま読み返すと「トンデモだろ」という見方もあったりして面白い。
Re:触媒ではないようです (スコア:1)
この手の水素発生装置はしばらくリサーチしていたのですが、水と酸化剤の化学反応という次元とは違うものもいくつかあります。
ゼオライトと微量のCNT [nikkan.co.jp]を触媒としたものや、アマチュアで電子回路で電磁パルスを発生させて水素を高い効率で取り出す実験をしている人もいますね(効率は要検証ですが)。
おそらく、この燃料電池は前者の技術に近いのではないかと思います。もちろん、触媒といっても水素脆化やミネラル蓄積などで劣化の可能性もありますので、半永久に水だけ足して使いまわせるとは限りませんが。
最近、急に水から水素発生の話題が多くなってきたのは、かつての先駆者メイヤー氏の取った特許の期限が切れたためとも言われています。アクアフェアリー代表も、「既存の技術で達成した」と言っていますね。
#「トンデモ」扱いでストーリー掲載されず流れるかと思っていたので少々驚き
この手の水素発生手法が確立したら、超電導技術並みの飛躍ですね。まぁ悪くてもeneloop2.0かも。
クルマに積もうとしたら、エネルギー利権が黙っていないでしょうけど(-_-;)。
Re:触媒ではないようです (スコア:2, 参考になる)
>水と酸化剤の化学反応という次元とは違うものもいくつかあります。
水と還元剤、ですね。
>ゼオライトと微量のCNTを触媒としたものや
残念ながらこの会社、そこそこ有名なうさんくさい会社で……というのはまあ置いておくとして、
>この燃料電池は前者の技術に近いのではないかと思います。
違います。
アクアフェアリーの各種特許を読んでいただければわかる通り、ごく普通に金属系還元剤に水を加えて水素を発生させる機構です。
ですので、
>「既存の技術で達成した」と言っていますね。
というのは当然のことですし、水素発生剤は触媒での何でもない通常の反応剤です。当然使った分だけ無くなります。
>この手の水素発生手法が確立したら、超電導技術並みの飛躍ですね。
「触媒」による水からの水素発生をさしていらっしゃるなら、エネルギー保存則が破られていることを実証するわけですから物理学の大半をひっくり返す革命になります。(当時すでに)既存の物理理論の組み合わせで説明できるだろうと予想されていた超伝導ごとき些事と比べるなんてとんでもない!
>クルマに積もうとしたら、エネルギー利権が黙っていないでしょうけど(-_-;)。
そんな凄いものが出来てしまった暁には、車に積むなんてせせこましいことを言わずに是非発電所でも作ってください。
なんてたって燃料いらずで無限にエネルギーが沸いてくるんですよ?
Re:触媒ではないようです (スコア:1, 参考になる)
>「トンデモ」扱いでストーリー掲載されず流れるかと思っていた
トンデモこそ、逆に安心して皆で叩ける良いストーリーになるんです、残念ながら。
Re:触媒ではないようです (スコア:1)
まーだわかってないなー。
「触媒」ってのは反応の障壁を上げたり下げたりするだけなので、水から水素を取り出すみたいにエネルギーを投入しないとできない事はできないんだよ。そもそも水素-酸素の燃料電池でエネルギーを取り出せるのと矛盾してるじゃないか。
今回のがそれほど叩かれていないのは、中身の説明があるからであって、セールスは正真証明のトンデモであることに違いはない。
# トンデモを広めてる事考えたら叩かれて然るべきものだけどな。
さらに言えば、超電導はロスがゼロになるのでエネルギー的には矛盾していないが、触媒で水から水素を分離するのはエネルギー的に矛盾している。それだけではなく、水から酸素を奪うような還元剤を使うならそれを直接酸化してその時点で電力を得る方が高効率だ。
Re:触媒ではないようです (スコア:1)
トンデモなことを言っているのはタレコミ人だけで、開発元のセールストークはトンデモではないと思いますよ。
製品の評価については、もうちょっと詳細な情報が出てこないとなんともいえないでしょう。
Re:触媒ではないようです (スコア:1)
どうだろう。
タレ込みほどではないけど、開発元の説明も(ト)か否かで分けたら(ト)に入りそうなだけどな。
ジェネパックスみたいな余計な事書いてないだけじゃん。
...ともあれ、空気電池の方が断然マシだな。
Re: (スコア:0)
>空気電池の方が断然マシだな。
でもまあ、こいつも空気電池の一種なんで同じようなものと言えば同じようなものかも。
#金属系空気電池は空気電池でまた酸化物による閉塞とかいろいろ大変なところもありますし。
Re: (スコア:0)
実質的な燃料カートリッジ(NaBH4?)を本当に100円で供給できるなら、空気亜鉛よりマシでは?
リチウム-空気電池なら、こんなのよりスマートだが実用化にはまだ遠い様だし。
少なくとも乾電池を使い捨てにするよりはいいと思う。水素発生材も回収すれば再使用できるだろうし。
#社名も含めてトンデモ臭いのは同意。計画倒産しそうな匂いがするw
Re: (スコア:0)
Re:触媒ではないようです (スコア:1)
リンク先の開発元のFAQのページ [aquafairy.co.jp]に多少怪しい(好意的に解釈すれば間違ってはいないけど、かなり不正確な)説明は書いてありますけどね。
それをここに書いてどうするな文章もありますし。
いずれも、技術陣の説明を営業がちゃんと理解できなかったで説明できるレベルですけど。
技術情報のページ [aquafairy.co.jp]にはそこまで変なところはないので、そっちは技術陣が書いたのかな?
Re:触媒ではないようです (スコア:2)
えっ、叩かなければならないほどおかしいですか?
電池の説明は、そりゃ化学的にみれば燃料電池もマンガン電池もリチウムイオン電池も似たようなものですが、電池の利用局面による分類でみるなら「燃料電池は乾電池や蓄電池とは異なり、発電システムとなって」いる、という説明はそれほどおかしいとは思えないんですけど。
水素の説明のほうの文もそれ単独でみたら「ナニソレ」ですけど、「1. "水素"はどんな化学物質ですか?」というFAQにおいて「要は、身近なものですよ」ということを強調している記述ですから、別に叩くほどのことでもないような。
今回のITmediaの記事でも前回のストーリーでも、きちんと「燃料カートリッジ(これは追加で購入する)」と書かれているし、何が問題なのか分からない。
Re:触媒ではないようです (スコア:2)
ああ、強いて言えば、FAQの「2. アクアフェアリーの燃料電池はCO2を排出しないの?」に対する「CO2削減と発電を両立したエコエネルギーです。」はおかしい。
# CO2が出ないのはあくまで「発電時」。
Re:触媒ではないようです (スコア:1)
ついでに、もう一つ強いて言えば、
も微妙。 発電で生じるのが水のみなのはそのとおりだけど、水素発生時に成分未公表の「水素発生剤」の水酸化物ができるので、廃棄物は生じます。 おそらく廃棄物も有毒物質ではないだろうし、ゼロエミッションだとは言っていないので、嘘はどこにもない。 というわけで、嘘ではなく、微妙な表現です。
Re:触媒ではないようです (スコア:1)
はい、叩く必要があるほどではないのは同感です。「好意的に読めば間違っていないが不正確」なだけですから。 技術情報のほうはちゃんと書かれているし、FAQから技術情報に誘導もしているし、問題ないでしょ。
叩いているように読めたのならごめんなさい。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
>>また、宇宙の誕生の瞬間、(以下略)
トンデモネタかと思って頑張ってツッコミどころを探したんですが、ここの下りで、水素原子の話と水素分子の話が断り無く切り替わっていて不親切だったり、その説明全体が「"水素"はどんな化学物質ですか?」の段落に含まれてたりとか、そういうどうでも良いレベルの違和感がちらほらと有るぐらいですね。あとは良くあるセールストークの範囲内。 タレコミにあった「触媒」という単語に過剰に反応してしまいました。
# 怪しいと思って読むと、「NTTドコモと共同開発した」なんて文章まで、
# こんな方法で権威付けしようなんて怪しい、とか思ってしまったり、心がすさんでるなぁ・・・。
Re: (スコア:0)
電気を流すことで再度使えるようにできるもの:充電池
外部から燃料を継ぎ足すことで電気を生み出すもの:燃料電池
っていう認識じゃ駄目ですか?
Re: (スコア:0)
そりゃ、水素から得られるエネルギー分を投入しないと水から水素を作れないですから。
「水素発生剤」はそのエネルギーを供給するためのもの(言い換えれば、燃料)か、
それでなければオカルトか、しか可能性はないと思います。
むしろ、燃料である「水素発生剤」からエネルギーを取り出す際、直接取り出すのでは
なく、いったん水素にエネルギーを渡して取り出す、という関係ですよね。水素は
単なるエネルギーの媒介役にすぎず、エネルギー源ではありません。
Re: (スコア:0)
>水素発生剤は触媒ではなく、使い切ったら補充の必要がある消耗品のようです。
あれか、その水素発生剤なるものがお高く販売されていく未来になるのか。
今のプリンタインクみたいに本体はタダ同然、でも使い続けたかったら純正インクを買ってねっていう。
Re:触媒ではないようです (スコア:2)
本体が2000円、カートリッジが一本100円程度らしいので、量産初期としてはいい線ではないでしょうか。
単純な構造なら3rdパーティのカートリッジも安く出回りそうですね。
2005年の記事 (スコア:2)
「ボロハイドライド(borohydride)」
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/WORD_LEAF/20050808/107460/ [nikkeibp.co.jp]
製品化まで時間掛かってる?
反応後に生成されるNaBO2をリサイクルして再びNaBH4に戻す為にもNaBO2の回収はどうするのだろう?
本当なら凄いんじゃない? (スコア:2)
リリース通りのサイズで2000円、しかも交換キットが100円なら十分競争できるフィールドは有ると思いますけど、ほんまかいな?
特に100円については、無理だと思うけどなぁ。。。空の回収や再充填、出荷前検査など、かなりの大型設備で大量処理してもきつそうだ。。。
ニッケル水素充電池と比較してみる (スコア:1, 参考になる)
1.5~2ワット出力/定格5ボルト/3ワットアワー、重量26グラム
エネループ単四×2本直列
1.5~2ワット出力/定格2.4ボルト/2ワットアワー、重量26グラム
エコのためではなく乾電池を買う手間を省くために充電池を使っているオイラには、燃料電池はおよびでない。
Re:ニッケル水素充電池と比較してみる (スコア:1, 参考になる)
カートリッジはおそらく10グラム少々、容積も半分程度なので、長期のアウトドアとかにはいいかも。
eneloopをたくさん用意するのは初期投資がかかるし捨てられないのでお荷物になりますから。
コンビニの使い捨て充電器は値段のわりに、もう終わりかよショボーンってほどに割に合わないので、それに取って代わるものになりそうです。
これは結構インパクトがある話のような (スコア:1)
気がするんだけど、あんまり大きなニュースになってないよね?
なんでだろう?
Re: (スコア:0)
パッケージ化されてしまえばエネループと変わらないし、永久機関のようなトンデモ臭も少ないからでしょうね。
IT系ニュースサイトでの掲載に止まったのは、デジタルガジェットである事と、自動車、エネルギー産業は大人の事情から大きく騒ぐことを控えてるのではないかと(IT系web媒体はそういった空気読まない)。記者の心中に「これは…(ゴクリ)」と止めてることも多いかも。あくまで想像ですが。
Re: (スコア:0)
TV東京が取材中です(たぶんw)。その後、他局も取り上げますのでもうしばらくお持ちください。
#ほんとにこのサイズと値段で発売されたらすごいけど、もっと大きい物は以前からある [srad.jp]しあまり画期的でも無いよね
充電器なんだよなぁ (スコア:1)
機器運用に際してチャージに時間を要しないというのが、
燃料電池のメリットだとおもってるんだが。
〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
外部電源じゃない? (スコア:1)
まぁ、一応直接稼働も出来るようですから。
機器に組み込んでくれって話だと思うんですが、酸素の供給が難しいような気がしますね。
鞄に放り込んどいたら吸気口ふさいで酸欠で止まってたとかありそうですし。
ものを見る限りスリットだらけなんですが酸素はどれくらい必要なんでしょうね?
燃料電池って結構熱くなるみたいですけど、発熱も気になりますね。
スルースキル:Lv2
Keep It Simple, Stupid!
Re:外部電源じゃない? (スコア:1, 参考になる)
去年の試作品の段階で、表面温度45度程度だそうです。
Re: (スコア:0)
携帯機器の電源と考えると厳しいですね
この数字のままだと低温やけどの危険範囲ですし
例えかなり改善されていたとしても
ポケットに入れて・・・はちょっとイヤかも
でも製品化されたことで
さらなる改良や利用範囲の研究が進む事を期待
# 発熱する事を逆に利用するとか?
Re: (スコア:0)
手で握りしめると酸素が遮断されて発電が止まるそうなので、衣服やカバンの外にぶら下げておく形になりそうですね。
動作時間があまり長くないなので、低温やけどの発生もそう深刻ではないかもしれません。
いやいやいや (スコア:1)
動作時間が短いのは改善して欲しいです。90分で待受終了のケータイとか困ります。(^^;
触媒温度の問題もあるだろうから取り出すエネルギーを減らしたからと言って
温度を下げる訳にも行かないところもあるんでしょうね。
#ということは、温度維持とかで長時間低出力とか難しいのかな。効率が大幅に下がるとか。
スルースキル:Lv2
Keep It Simple, Stupid!
スペック的にはどうなんだろう。 (スコア:0)
標準モデル「FC-STICK」(1.5~2ワット出力/定格5ボルト/3ワットアワー、重量26グラム)
・・・これは5Vで400mAh~300mAhを1.5時間出力できますよ、という意味だよな。
100円で。ただし継ぎ足し可能で充電不要。
うううん・・・エネループが一本1.2V1900mAhとして、
2.280Whの2本で4.560、5V400mAhで出力すると2時間持つ計算、
実用的には昇圧のロスで7掛け1.4時間、8掛け1.6時間と言う所だけど。
落とし所としては良い線だが・・・
Re:スペック的にはどうなんだろう。 (スコア:1)
カートリッジ投入後に出力を取り出さなければ発電をとめられるのか?
その場合の自己放電はどのくらい?
というあたりが気になります。
Re: (スコア:0)
水素発生材(NaBH4とか)と水の反応で燃料になる水素を発生させるので、
水か水素発生材のどらかが無くなるまで止められなくなると思う。
#ヒモ引っ張ると生石灰と水が反応して熱々になる弁当みたいな
空気を吸わない様にすれば発電は止まるらしいけど、水素発生は続くんじゃないかと。
水素が溜まったり漏れたりした場合の危険性は考慮されてるんだろうか?
Re: (スコア:0)
なので、5V×0.5A×1.5h=3.75Whほどの電力を取り出せますね。
水素発生合金(ややオフトピ-1) (スコア:0)
某大学よりも前にアルミをベースにした水素発生合金ってのがあってね、… [google.co.jp]
水と金属を反応させて発生した水素で燃焼電池? (スコア:0)
そんな回りくどいことせずに普通に電極つなげりゃ電池にならんかこれ?
Re: (スコア:0)
燃料電池という高アレゲレベルのモノと、普通に使われている珍しくもない空気電池とを比較になんぞ出来ません。
Re: (スコア:0)
比較するならニッケル水素電池だと思うが
Re: (スコア:0)
あるいは柑橘類に電極を突き刺す「みかん電池」でしょうか。