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電力

褐炭から水素を取り出し、液化して日本に海上輸送するアイデア 52

ストーリー by hylom
石油ガスの次は水素を輸入する時代か 部門より
maia曰く、

オーストラリアに豊富にある褐炭から水素を取り出し、液化して日本に海上輸送するアイデアがある(産経新聞)。

記事で紹介されている川崎重工は宇宙開発の経験を生かし、水素液化、海上輸送、陸上輸送、水素発電といった一連の水素関連技術開発を進めているという(Kawasaki Hydrogen Road)。褐炭は埋蔵量は多いが、乾燥させると自然発火しやすく、輸送に適さない。また、水素を取り出す時に発生するCO2は、枯れかけの海底ガス田に貯留する。

水素はセ氏マイナス253度で液化し、ステンレス製の二重構造タンクで海上輸送する。日本の港に接岸するまでのコストは1立方mあたり29.8円で、液化天然ガス(LNG)より高いが、太陽光や風力を下回るとみているらしい。水素の主な用途は水素発電らしいが、燃料電池車(FCV)にも使え、タンカー2隻体制でFCV 300万台分の水素をまかなえるという。

2020年に1250立方mのタンクで海上輸送の実証試験を始め、2030年に商業化したいという。ところでこのアイデア、コストがどうなのというところと、また水素の貯蔵・輸送にはほかにもアイデアがあるので(アンモニア、有機ハイドライド、水素吸蔵合金)、比較してどうなんだろう。

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  • by taka2 (14791) on 2017年08月28日 17時06分 (#3268951) ホームページ 日記

    他の燃料との比較もいいですが、既存の水素製造コストとの比較も欲しかったです。

    というわけで、ちょっと調べてみたのですが、ちと古いですが3年前に経産省が出した資料(注:pdf) [meti.go.jp]によると、副生水素で20~30円/Nm3、目的生産化石燃料改質が30~60円/Nm3、水の電気分解で80~140円/Nm3ぐらいになってます。
    水素1Nm3は0.09kgぐらい [iwatani.co.jp]なので、副生水素で200~300円/kg、目的生産では化石燃料改質が300~700円/kg、水の電気分解で900~1500円/kgぐらいでしょうか。

    もし本当に30円/kgが実現できるなら、製造原価は一桁以上安くなりますね。でも、現状で末端価格は1000円/kg [clicccar.com]なので、製造価格と末端価格との差を考えると、水素の原価がたとえゼロになっても、末端価格はせいぜい半額になればいいとこって感じですか…

    • by Anonymous Coward

      つまり超頑張って30$ってことですな

    • by Anonymous Coward

      オーストラリアなら砂漠にソーラーパネル並べれば
      発電原価は3円/kw前後だからもっと安くなるよ
      熱量で考えたらLNGで運んだほうが効率的だと思うけど…
      水素なら液化しないで気球に詰めて運んだほうが早くないかな?
      巨大なバルーンをいくつもつないで船で牽引すればコストを下げられるのでは?
      液化するなら気化するときの温度差で発電するなどエネルギーを回収する工夫で効率上げられる

      • by Anonymous Coward

        今でも水が少ない土地では余所から水を運ぶのに巨大な水枕みたいな袋を海に浮かべて、ちっちゃい船で引っ張って運んだりするけど、ああいうノリ?
        水素は軽いから、まあるいタンクをそのまんまぷかぷか浮かべても引っ張れるって事かな。

        宇宙から見るとでっかいグリンピースが流れてるように見えて楽しいかも知れない。

      • by Anonymous Coward

        バルーンってことは気球のように空に浮かべる想定だと思いますが、
        風に流されて船ごとどこかの沿岸部に上陸する未来しか見えませんが
        風や潮流の影響を避ける為には体積を減らす(圧縮 or 液化)必要があります

  • by maia (16220) on 2017年08月29日 15時02分 (#3269631) 日記

    水素とCO2からメタンガスを作る方法もありましたね。
    なぜ水素をメタンに変えるのか、高効率変化へ一歩前進 [itmedia.co.jp]

    天然ガスと同じなので、LNGのチェーンが使える。CO2フリーではないのが欠点か。カーボンニュートラルでもないし。

  • by Anonymous Coward on 2017年08月28日 15時11分 (#3268852)

    ソース記事より:
    (タンカー)「2隻が1年間、オーストラリアとの間を行き来しただけでFCV300万台分のエネルギーをまかなえる計算。」

    FCV300万台がその1年間を走れるだけのという意味か。はたして何km走る計算なのか。
    こういうのを「あえてぼやかしている」と読んでしまうのは心がささくれだっているせいなのか。

    • by Anonymous Coward

      乗用車の平均年間走行距離とFCVの平均燃費からFCV一台当たり年に水素を平均何kg使うというのが出る訳ですが
      その換算から水素の量をFCV何台分という表現の仕方をすることがありまして、
      台数が分かれば総保有台数との比でCO2を何%削減できるというのが算出しやすい為、そういう表現が使われることが多々あります。

      • by Anonymous Coward

        平均燃費が出せるほど一般的なFCVなんて普及していないだろうに。

        • by Anonymous Coward

          書き方に問題がありました。すみません。
          FCVがこの世に試作車しか存在しない頃から使っている指標で、机上計算を元にした値、
          燃料電池モジュールとしての効率及びその他の要素から計算した実用燃費の予想値です。
          とりあえずはこれ使っておこうという値を決めたのは結構前なので、市販されているFCVベースならもう少し良い値になると思いますが、当面は更新しないと思います。

  • by Anonymous Coward on 2017年08月28日 14時15分 (#3268808)

    水素水なのである

    • by Anonymous Coward

      褐炭から水素を取り出し、酸素と化合させて液化して輸送する。
      それを日本に運び、電機分解して水素を取り出し、水素発電を行う。
      液化した水素が余ったら、水素水として一般販売をする。

      #特許がとれるかしら

      • by Anonymous Coward

        それを日本に運び、

        日本より高く買ってくれる国のほうが多いみたいですけど
         

      • by Anonymous Coward

        豊かな大地を誇るオーストラリア、その地下云千mの地下層には褐炭に混じって新鮮な水素が眠っています。
        当社最新の技術により、この水素を抽出し新鮮なままボトリング。長野県の清冽な天然水と混ぜ合わせ、高濃度の水素水が(略)
        #胡散臭い健康食品が話題に出るたびに言っている気がするなコレ

  • by Anonymous Coward on 2017年08月28日 14時18分 (#3268809)

    水素なんか運ぶよりも、その水素を利用して現地でアルミニウムを
    生産して運ぶとかした方がいいんじゃないの? アルミならエネルギー源と
    して見ることも出来そうだし。

  • by Anonymous Coward on 2017年08月28日 14時21分 (#3268814)

    断熱はそこそこ安く出来る程度に止め、どんどん蒸発しちゃうのは諦めて、蒸発した端から船の動力源に使っちゃえば無駄にならない。

  • by Anonymous Coward on 2017年08月28日 14時28分 (#3268822)

    純水素の液体化なのだから、重量あたりはもちろん、体積あたりの輸送効率も他の手段よりいいだろう。

    自動車に液体水素タンクを積むと盛大に揮発するから現実的じゃないけど、タンカーなら貯蔵槽が文字通り桁違いに大きいから保冷も比較的しやすいし、貯蔵時間も事前に分かるから、揮発量も予想出来る範囲に抑え、対策もできる。(タンカーに燃料電池を積み、揮発した水素で発電して船内で消費する電気を賄う、とかね)

    液化のエネルギーコストはもちろん高いが、どうせソースは商業価値の低い泥炭だし、エネルギーの一部はこちらで気化する際に回収出来るから丸損というわけではない。

    • by Anonymous Coward

      × 泥炭
      ○ 褐炭

    • by Anonymous Coward

      もっと密度上げるために金属水素にして運ぼうぜー

      なお、液体水素だと自動車に使うには補充方法に現実的な解がないので圧縮気体で使います。
      温度的にもう少しだけ楽な天然ガスですらCNGなのが現実です。
      実用として使えるのはLPGが限界のようです。

    • by Anonymous Coward

       液体水素の体積あたりのエネルギー密度って、ガソリンのそれより低いんじゃあなかったっけ。
      --
      うるおぼえなのでAC

      • by Anonymous Coward on 2017年08月29日 0時28分 (#3269255)

        ガソリンが9.5kWh/L、液体水素が2.4kWh/Lなのでガソリンの方が4倍くらい体積効率はいいね。
        ただ、原料が褐炭だということを考えると、ガソリンを引き合いに出すのはあんまり意味がないと思う。

        ちなみに重量あたりの効率にすると、今度は水素の方がガソリンより3倍超上になる。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        × うるおぼえ
        ○ うろおぼえ

  • by Anonymous Coward on 2017年08月28日 14時28分 (#3268823)

    水素だったらそこら中にある水に含まれていると、素人はまず考えるわけですが
    それより褐炭からの抽出のほうが良い理由は何なのでしょうか。
    結合エネルギーか低いからとかの理由で水からよりも容易なのでしょうか。

    • 「結合エネルギー」って言葉を知っているのなら計算すりゃ自明だろ。
      化石燃料自体が水に比べてエネルギーを沢山持ってるから水からの反応より有利かと。
      とりあえず、ココ読みなよ。
      http://www.jari.or.jp/portals/0/jhfc/column/story/09/index.html [jari.or.jp]

      それと記事では「褐炭からの水素の取り出し」って書いてるけど
      記者が正しく理解していないように思われる。正しくは改質の筈。
      ざっくりとした反応はこんな感じ。

      C + O2 → 2CO
      CO + H2O → CO2 + H2

      この辺りが参考になると思われ。

      http://www.hess.jp/Search/data/26-02-029.pdf [www.hess.jp]
      http://www.hess.jp/Search/data/35-01-009.pdf [www.hess.jp]

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      水はいわば水素の燃えカスで、それを水素に戻すには燃やしたときに発生する以上のエネルギーをつぎ込まないといけないわけで。
      褐炭は炭化水素+水(+α)なんで、水素を取り出すエネルギーは低いはず
      #CがCO2になって出るのはもったいないけど、その分のエネルギーが水素を取り出すエネルギー(の一部)になっていると思えば・・・

      • by Anonymous Coward

        雑に言えば、水は酸素と火を近づけても燃えないけど、褐炭は燃えるのだから、エネルギーを取り出すのは褐炭の方が容易、ですな。
        しかし水素ガスを工業的に安定して取り出すのが容易か、というのはやってみないと分からんけど。
        デザインとして(比較的)容易でも不純物や事故のせいで実用化できない、ってのはままあることだし。

        • by Anonymous Coward

          >しかし水素ガスを工業的に安定して取り出すのが容易か、というのはやってみないと分からんけど。
          >デザインとして(比較的)容易でも不純物や事故のせいで実用化できない、ってのはままあることだし。

          水蒸気改質自体は枯れた技術だろう。
          不純物は盛大に出るだろうけど、沸点が液体水素より低温の物質なんてヘリウムくらいしかないので、冷却段階でことごとく取り除けるはず。
          問題は経済的に出来るのか、というところ。そこは正直言って不安しか湧かん。

        • by Anonymous Coward

          俺もそれ気になった。

          気になったんで調べたが、褐炭から水素ガスを取り出す方法はガス化というそう。これ、元々は製鉄で生まれた技術の応用で、既に新しい世代の石炭発電で使われているのだとか。
          そこから不純物を取り除くのは、既存の天然ガスの精製プラントの技術が応用できる模様。

          基本的には成熟した技術っぽい。
          だから記事では輸送と応用だけだったんだな。

    • by Anonymous Coward

      水を湧かしたら酸素と水素に別れそうだよね

      • by Anonymous Coward

        まあ、ものすごく加熱したら分かれないこともない。
        気体分子というよりプラズマだけど。

    • by Anonymous Coward

      エネルギーをどう運んでくるかの話をしている。

      褐炭は安いエネルギー源だけど、そのままでは運びづらい。
      炭鉱の近くに褐炭発電所を作って日本まで電線を引いてくるなり、方法はいくらでもあるけど、水素の形で持ってくると言うアイデアが有るよ、と。

      エネルギーなんか運んでこなくても太陽光が有るじゃないかとか言わないでね。
      それじゃ全く足りてないから、地下に埋まってるのを掘り出して使ってる。
      あるいは頑張れば太陽光だけでも足りるのかも知れないけど、埋まってるところを取り合って戦争した方が安くで済むから。

      • by Anonymous Coward

        東京の地下にもガス田があるんですが、汲みだすと地盤沈下するので凍結(禁止)されてます
        地下地層に等量戻す技術ができれば、あるいは将来使えるかもしれません
        これなら遠くから持ってこなくていいし。
        # 渋谷で温泉爆発したのは、これです。

  • by Anonymous Coward on 2017年08月28日 14時28分 (#3268825)

    >水素を取り出す時に発生するCO2は、枯れかけの海底ガス田に貯留する。

    • by Anonymous Coward

      高圧の天然ガスを抜いた後のガス脈を空のまま放っておく方が安全だとでも言いたいのかね。

  • by Anonymous Coward on 2017年08月28日 20時39分 (#3269139)

    水素ステーションなど、脱石油の資金貯蓄だって話があるけど、水素になってCO2フリーが実現されるならしかたないか。

  • by Anonymous Coward on 2017年08月29日 10時09分 (#3269395)

    >日本の港に接岸するまでのコストは1立方mあたり29.8円で、液化天然ガス(LNG)より高いが、
    これなんだよね。
    コスト的に水素需要が爆上げしない限り必然性が無い。

    • by Anonymous Coward

      水素は保管も大変だしなぁ……
      フィッシャー・トロプシュ法みたいなので液化させるのを低コストでできればいいんだが

  • by Anonymous Coward on 2017年08月31日 1時47分 (#3270769)

    もう、オーストラリアでは新規の火力発電所は建設しないみたい。

    http://nichigopress.jp/ausnews/businessnews/139291/ [nichigopress.jp]

    つまり、自国で使わない褐炭をわざわざ日本のために掘るの?
    続くとは思えない。

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コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell

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