工場などの排気CO2からエネルギーを生み出せる新フローセル技術 20
ストーリー by hylom
不思議な技術 部門より
不思議な技術 部門より
二酸化炭素と水、空気から電力を生み出す技術が開発されたそうだ(PHYS.ORG、Engadget Japanese)。
この技術は「pH-gradient flow cell」(pH勾配フローセル)と呼ばれている。水に高濃度の二酸化炭素を溶かすと水素イオンと炭酸水素イオンが発生してpHが上昇し、逆にpHの高い溶液に空気を注入すると水素イオンと炭酸水素イオンから二酸化炭素が発生する反応が起こる。この2つの反応によって低いpHの溶液と高いpHの溶液を作り出し、それぞれを二酸化マンガン製の電極やイオン交換膜を介して接続することで電力を生み出すというもののようだ。
排出CO2がなくなるわけでなく、放出するだけのCO2からさらにエネルギーを取り出せるというものらしい。基本的には、バナジウム溶液を使う一般的なフローセル(レドックス・フロー電池)と同じ仕組みだが、工場などで大量に排出されるCO2を溶液化して使うことができるのが特徴。
フローセルはネルギー密度が低いとされているが、pH勾配フローセルでは同種の電池にくらべておよそ200倍も効率的だと研究者らは主張しているという。
待て待て (スコア:2)
> 水に高濃度の二酸化炭素を溶かすと水素イオンと炭酸水素イオンが発生してpHが上昇し、
炭酸水は酸性、つまり低pHではなかったのかね。
Re:待て待て (スコア:1)
炭酸水は酸性、つまり低pHではなかったのかね。
その通りだと思います。
元ネタ(PHYS.ORG [phys.org] Engadget Japanese [engadget.com])は二酸化炭素を通した方が低pHで空気を入れて二酸化炭素を追い出した方が高pHとなっています。「pH」を「水素イオン濃度」とか「オキソニウムイオン濃度」と置き換えるとしっくりきます。
-- インターネット…それは伝言ゲーム
維持費 (スコア:1)
どういうところに設置すれば、効率よく動作させることができるか?
が課題になりそうですねぇ。
CO2を通すにも、空気を通すにもエネルギー無しではできないでしょうし。
黒鉛の劣化、排ガスを通す水の処理.... そこまで出来たら商売になるかな?
Re: (スコア:0)
タレ込み文にあるようにCO2を大量に排出する工場に併設します
Re: (スコア:0)
工場が大量に排出するからといって、工場の中で一ヵ所でCO2を排出しているとも限らないし、利用しやすい形態で排出しているとも限らないという話では…
Re: (スコア:0)
ビール工場とかかな?
新フローゼル技術 (スコア:1)
ってみえてフローゼル [pokemon.jp]がエネルギーを捻出する作業をしている様子を思い浮かべてしまった
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(・大・ )3
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Jody Wisternoffこそ至高。
- Tetsuya Hiragino
どんどん実用化して (スコア:0)
でも、この手の発表って、大きな課題は伏せられたまま
商用化の協力先が見つかってから明らかにされるってのが一般的な手順だからなぁ。
Re: (スコア:0)
pH高い溶液ってのがエネルギーなしに出来上がるのなら発電してるかもしれないけど、
半分しかない電池を作ってるだけじゃないのか。
Re:どんどん実用化して (スコア:5, 参考になる)
論文はコレっすね。
A pH-Gradient Flow Cell for Converting Waste CO2 into Electricity - Environmental Science & Technology Letters (ACS Publications) [acs.org]
二酸化炭素はそれ自体は関与してなくて、電池反応に必要なH+を供給させるために投入され続けられてます。
で、発電してると電極がダメになってくので、ある程度反応させた後にCO2と空気のラインを入れ替えることで反応方向を
逆転させて連続的な発電サイクルにしてると思うんですよ。空気送ってCO2追い出してるのは、反応方向を切り替えるのが
目的なんじゃないかなと。
論文ざっと目を通した程度なんで間違ってたらごめんなさい。
でもそれだと電極の二酸化マンガンで可逆反応させる必要あるんだけど、単にpH勾配を逆にしただけで出来るのかな?
それとも電極はある程度使ったら交換するみたいな消耗品扱い?
Re:どんどん実用化して (スコア:2, 参考になる)
マンガンの酸化数IIIとVIを使うみたいですね。
MnO2↓ + H+ + e- ⇄ MnO2 - + H+ ⇄ MnO(OH) ↓
いわゆるマンガン電池で、可逆反応でしょう。ただ、逆反応の時も充電しているわけじゃなくて、放電しているので、エネルギーの流れを見れば発電機と言った方がいいのかもしれませんが。二酸化炭素を通すとH+ が増えて反応が右に進み、空気を通すとH+ が減って反応が左に進みます。
Re:どんどん実用化して (スコア:1)
うんにゃ
50回のサイクルで出力密度はほぼ下がらないので電極は消耗品ではない
電解質にNaHCO3を使うのが一つのキモのようで
NaHCO3が水溶液をアルカリ性に保つことでマンガン電極が分解せず使えるということらしい
Re:どんどん実用化して (スコア:1)
濃いCO2l->薄いCO2のエントロピー変化分をエネルギーとして取り出しているので、ほんとに発電してます。
効率はしらんけど。
Re:どんどん実用化して (スコア:2, 興味深い)
炭素(固)から炭素(気)の生成熱は-393.5kJ/molなのに対して、二酸化炭素(気)の溶解熱は−19.4kJ/molらしいので、要するに、(二酸化炭素を含まない)真水が無限に利用できる環境だと、理論値マックスなら燃焼の5%をこの電池で回収できることになるわけで、発電所とかの規模を考えれば、かなり大きいと思う。
最新の石炭火力だと、電気になってるのが発熱の大体40%くらいだから、石炭1molで得られる電力が160kJくらい、って考えると19kJって結構でかい値で、このうち2kJでも3kJでも回収できたら凄い。まあ、この電池で19kJのうちどれだけ回収できるかはわからないけど。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E9%85%B8%E5%8C%96%E7%82%AD%E7%B4%A0 [wikipedia.org]
http://webserver.dmt.upm.es/~isidoro/dat1/Heat%20of%20solution%20data.pdf [dmt.upm.es]
Re: (スコア:0)
クレジットカードの現金化で借金を返すようなものかも
ネルギー密度 (スコア:0)
高いと色が変わってウマイ!とかなるんだろうか
Re:どうでもよい技術に時間を取られ競争力がなくなっていく (スコア:1)
「二酸化炭素で温暖化しない」って経験的にも物理的にもおかしいし(発熱機構のない上着を着ても暖かいはずがない、って話と同じで)
そういう主張をしていた否定論グループが火力発電会社や石油会社から金を受け取っていたのがバレてるわけだし。
いまだに否定論の人たちって、そういう「石油を使わせろ」利権の人たちを除けば、
「これ以上、節約させるな」って貧困に苦しんで思考停止しちゃった人なんだろうね。
あとは「人間ごときが環境を変えられるとは烏滸がましい」と、宗教に甘えた無責任な人とか。(神様が全部やってくれると思い込めば楽だろうさ)
トランプはそういう一般人の代弁もしているわけだが、アメリカの将来のためにはならんわなあ……
カリフォルニアの干ばつ/水害とか、もうじき気候変動の影響から目を逸らせなくなってくるわけで、
そのとき「技術開発を怠っていたせいで、また日本製品買わなきゃならん」ってことになる。
Re: (スコア:0)
二酸化炭素で海洋酸性化!
Re: (スコア:0)
酸性雨って今どんなかんじなんでしょうね。
改善したのか悪化しているのか。
話題になっていた頃には酸性雨で人間が溶けるなんて話もあったっけ。