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電力

太陽光発電や風力発電による発電コスト、火力発電の発電コストを下回る? 156

ストーリー by hylom
バランスが大事ということか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)による新たな分析によると、ドイツと英国では風力発電が最も安価な電力になったそうだ。これはG7(先進7か国)内において初としている(BloombergSlashdot)。

この背景には、太陽光発電所や風力発電所の増加があるという。火力発電所は、容易にその出力を制御することが可能だ。そのため太陽光発電所や風力発電所による電力供給が増えると、火力発電所による出力は減ることになる。いっぽうで火力発電所の維持コストはその出力によらずあまり変動しないため、相対的に火力発電の発電コストが高くなってしまうという。

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  • 風が吹けば (スコア:3, 参考になる)

    by nemui4 (20313) on 2015年10月13日 7時59分 (#2898522) 日記

    オケ屋が儲かるとかバタフライ・エフェクトじゃないけど。
    風力発電が今後ドカドカ増殖したとしてそこで消費されているはずの風のエネルギーって気象の方には影響は全く無いのかな。
    閉じた系でのエネルギー保存則はあるはずだけど、地球規模で見たらドイツだけで過剰にやったとしても地球レベルか欧州地方レベルで見たらゆらぎのうちに入るくらいなのかな。

    空中だと鳥の領域だし、そっちの生態にも影響はないのかとか。

    再生可能エネルギーとか言って色んな所から電気取り出そうとしてるけど、集中的に過剰にやっちゃうと思わぬところから影響出るんじゃないかと盲亀浮木的に杞憂。
    そんなのって思わぬところに影響が出てからじゃないと対処のしようもないか。

    太陽光パネル並べ立てたら風や洪水でどないかなってから初めて問題視されるとか。
    経済やコストだけで行動してしまうのはそういう人間社会だからしょうがないし。

    #いでよ賢者

    • 野鳥と風力発電 (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2015年10月13日 8時49分 (#2898540)

      案の定というか、日本野鳥の会が、しっかり対策を求めていますね。

      野鳥と風力発電
      http://www.wbsj.org/activity/conservation/habitat-conservation/wind-power/ [wbsj.org]

      野鳥のサンクチュアリとなっている地域は、開けた平地があって一定の風が吹いているところで、風力発電の適地も多いのだが、風力発電施設へのバードストライク、騒音による鳥の行動変化など、直接的にも間接的にも影響が大きく、各地で意見具申を乱発しているというのが現状のようです。

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      • by Anonymous Coward on 2015年10月13日 10時06分 (#2898600)

        自然保護なんかでよく言われているのは年に1割減少する影響があるなら、5年もすれば半減してしまうから、たかが1割減少の影響ではないのだという論理ですね。

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    • by s-kei (16661) on 2015年10月13日 21時40分 (#2899112)

      地球全体の風力エネルギーは陸上部分だけで7万TWh/年(世界の電力需要の4倍)、洋上はその10倍 [nef.or.jp]とのこと。もし全世界の電力を風力だけで賄ったら、数%ぐらいのオーダーでは(少なくとも局地的には)影響があるかも?

      農業面では、地上付近の空気をかき混ぜることで霜を抑えるほか、耕作可能期間を僅かに伸ばす効果もあるかも、とのことです。
      http://www.sciencedaily.com/releases/2010/10/101005121726.htm [sciencedaily.com]
      # 言われてみりゃ、防霜ファンの超巨大な奴みたいなもんですね。

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    • by Anonymous Coward on 2015年10月13日 8時12分 (#2898527)

      原発の廃熱で周辺の海水温が2~3度上昇してワカメだかコンブだかがとれなくなったという話もあるぐらいだから、そりゃまぁ影響がないとはいかんでしょうな。

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    • by Anonymous Coward on 2015年10月13日 8時24分 (#2898531)

      >空中だと鳥の領域だし、そっちの生態にも影響はないのかとか。
      こっちの話は既に出てますね。「野鳥 風力発電」あたりでぐぐればゴロゴロ。
      http://www.wbsj.org/activity/conservation/habitat-conservation/wind-power/ [wbsj.org]
      http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20HCA_Q5A120C1CR8000/ [nikkei.com]

      小規模にチマチマやってる分にはいいけれど、大規模になるといろんな生態系を狂わす恐れも。

      風力発電が作られる→ 風車で野鳥が死ぬ→ 野鳥を目当てにキツネや野犬などがやってくる→ それを目当てに...
      みたいに風力発電を起点とした食物連鎖はありやなしや。

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    • by dynamicsoar (46937) on 2015年10月14日 7時21分 (#2899274) 日記

      > 空中だと鳥の領域だし、そっちの生態にも影響はないのかとか。

      こっちの方については、生態学の方面からの研究を(も)ちょくちょく目にします。鳥だけじゃなくてバット(コウモリ)・ストライクも問題視されつつあるようで、数年前に国際会議の発表で見ました。直接的に骨折で死なない場合でも、三半規管だかの感覚器をやられても死んでしまう(死期が早くなる?)というようなことだったような。

      一方で、死亡した個体数を調べた(推計した?)研究では、北米の small passerine という限定はあるものの、communication tower(電波塔?)に比べると小さいという話がありました: http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0107491 [doi.org]
      ただ、おそらく猛禽などのように個体数が少ない種ではインパクトが大きいのではないかとは思います。

      また、ちょっとソースが出てこないのですが、少し前の Nature か Science のニュース記事で、ある種の猛禽では視界に異方性があるために風力タービンの存在に気づきづらく、多く犠牲になっているのではないか、したがって鳥の接近を風力タービン側で事前に検知して、回転を止めるとかなにか対策をできないか、みたいな話があったように記憶しています。

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      • by nemui4 (20313) on 2015年10月14日 7時53分 (#2899284) 日記

        鳥も飛ばないような高空領域を活用できればいいんだろうけど、技術的に困難だろうなぁ。
        送電も難しくなるし。

        人間様が生きていくためには地球資源も他の動植物の生存権も致し方なし。
        で進んでいくしかない、業の深さ。

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    • by Anonymous Coward

      > そこで消費されているはずの風のエネルギーって気象の方には影響は全く無いのかな。

      そこにビルを建てた場合と比較してみるといいのではないかと思います。

      ビルの場合だと完全に風を止めてしまうけど、風車なら一応風は弱まりつつも抜けていきますので、
      ビルを建てた場合よりも少ない程度の影響ということではないでしょうか。

      • by yukinoshibari (47214) on 2015年10月13日 9時01分 (#2898548) ホームページ

        関東平野の海陸風は、東京湾臨海部のビル群開発によって大きな影響を受けたことがわかっています。

        東京のヒートアイランドはもちろん、風が吹かなくなった港湾内、関東平野の内陸部までインパクトを受けているようです。

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        • by Anonymous Coward on 2015年10月13日 12時08分 (#2898702)

          何らかの影響を与えているのは確からしい、というところまでしか解明はされてはいません。
          影響の程度は未だ推測の域を出ておらず、「大きな影響を受けたことがわかっています。」とは聊か大仰な表現ではないでしょうか。
          (そもそも、何と比したものかを示さずに”大きな”と表現することには賛同できかねます)

          影響があるのは事実。
          しかしその程度やメカニズムは解明されていません。

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      • by nemui4 (20313) on 2015年10月13日 10時15分 (#2898611) 日記

        その辺感覚的にはそうだろうな、と思ってますけど。
        そこで止まらずに実際にきちんと実験したり影響調べたりしてるのかなぁとひそやかな不安。

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  • by NOBAX (21937) on 2015年10月13日 8時40分 (#2898535)
    稼働率が下がれば発電量あたりの維持費が高くなるのは当たり前でしょう。
    日本では、老朽発電所を維持費をかけて保守してきたので、原発ゼロに対応できているのです。
    このケースでは発電量はゼロなので、コストは無限大(分母が0なので計算は出来ませんが)となります。

    原子力発電所の停止が続いているため、老朽火力発電所をフル稼働させているので、トラブルが増加 [huffingtonpost.jp]しています。
    • by Anonymous Coward on 2015年10月13日 9時16分 (#2898562)

      ちょっと大きな地震があったら原発は緊急停止するし、一旦停止したら半年~1年かけて再検査しないと動かせない。例えば3.11前でも、もし新潟と福島で数ヶ月以内に震度5クラスの地震が起こっていたら東電管内の原発は意図せずほぼ全停止になる期間が発生する可能性があった。

      そのようなケースに対応しようと思えば何らかの発電設備を持っておく必要があったわけで、日本の老朽火力の維持費は本来的には原発のコストとして算入しておくべきものかと。

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  • by s-kei (16661) on 2015年10月13日 11時55分 (#2898691)

    大元のBNEFのプレスリリースはこれですね。
    http://about.bnef.com/press-releases/wind-solar-boost-cost-competitive... [bnef.com]
    UKではガス火力や石炭が$115/MWhに対して、陸上風力が平均$85/MWhになったそうです。確かに安い。
    太陽光は世界平均で$122/MWhとのことで、こちらはまだ、平均で「下回る」ところまでは行ってないですね。。今後さらに安くなるとは見込まれてます( [forbes.com])が。

    昨年のデータで宜しければ、IRENAによる、世界の再エネのコストに関するまとめが公開されてます。
    http://www.irena.org/DocumentDownloads/Publications/IRENA_RE_Power_Cos... [irena.org]
    陸上風力は2010年時点で既に一般的な火力と同等の発電コストです。太陽光が最近大幅に安くなって、火力のコストと被り始めてます。P.12(PDFの14ページ目)、図E.S.1参照。
    (対して、日本の現在の太陽光の買い取り価格は大幅に高いです。そのために市場が過熱した。)
    既存火力のコスト上昇等の系統安定化コストまで含めた比較も、図E.S.3にあります。確かに幾らかはコストが上がりますが、実用性を否定できる程ではありません。

    なお系統安定化については他にもIEAのPower of Transformationの和訳が公表されていますので、そちらを参照されれば、より定量的な議論も可能になるかと思います。
    http://www.nedo.go.jp/library/denryoku_henkaku.html [nedo.go.jp]
    無計画な普及は関連コストを増大させることも警告されてますので、そういう観点からもお勧めしたい資料です。(ものすごい分量ですけれど。)

    ご参考まで。

  • by Anonymous Coward on 2015年10月13日 8時09分 (#2898525)

    「相対的にどちらが安い」だけで選ぶ利用者を誘導したいなら、誘導したい方の発電量を増やしていけば自ずとそうなる、と。
    誘導したい方向に利用者を啓蒙する必要がないってのは良いですね。

    • by Anonymous Coward on 2015年10月13日 8時41分 (#2898536)

      火力発電だって、一定出力で運転したほうが燃料効率がいいのだ、自然エネルギーの発電量の乱高下の調整で燃料が無駄になっている分、火力発電のコストが高くなっているのだ。確かに維持コストは発電量で変わらないだろうが、燃料はそうではないから、調整コストを火力発電側がコストとして支払っているわけで、そこも考慮する必要がある。

      ちなみに日本国内で大規模自然エネルギー発電のネックになっている問題の一つに、自然エネルギーの発電量の乱高下の調整のために数時間分程度の蓄電を義務付けている場合があるそうだ。もっとも、太陽光なら、宅地数軒分ぐらいの規模ならそんな条件はないそうだけれどね。

      それ以前の問題として、日本の風力発電の場合、いくつか課題があるそうな。
      1) 自然災害コスト
      台風の直撃でも破損しない丈夫な風車が存在しないので、台風のたびに何割か故障するので、稼働率と維持コストが高いことが問題になっている。
      2) 低周波騒音問題での設置場所の確保ができない。
      最近は、設置場所が住宅地に近くて低周波騒音問題で、新設が難しくなったのも頭が痛いそうだ。商用風力発電の場合、半径数百メートルに低周波騒音をまき散らすので、反対運動が激化している。
      3) 再建問題
      既設の場合でも、人家の近くだと、台風で破損した契機に撤退を求められるケースが多いそうだ。低周波騒音で近隣の住民からの悪感情が累積しているうえに、災害での破損で人家に被害が出たりすると、撤退運動に火がついて、再建が難しいそうだ。

      発電量を増やしたくても、発電量を増やせば増やすほどコストが下がるのではなく上がるのでは、普及は難しいというところだ。実際発電量の推移からすると、ブームは終わったといえる状態で減少傾向になっているそうだ。

      親コメント
  • 太陽光・風力 etc の発電プラント全体について、新規製造とか保守・運用とか廃棄とか、全プロセスを自前で作ったエネルギーで賄って、余りを人間が使う、みたいなサイクルが早く周り出すことを祈念していきたい。

  • by Anonymous Coward on 2015年10月13日 10時07分 (#2898602)
    変動が必要な分は基本的に火力が吸収してんだからそれを考慮しないなら原発が安くなるのなんて当たり前だろっていう。
    仮に公平にコスト比べるならベースロードを担う大型石炭火発とかとだけ比べるべきだよな。
  • コストの高い原発を抱えて電気料金が高止まりすると、国際競争力が低くなって国を損なう。

  • by Anonymous Coward on 2015年10月13日 8時22分 (#2898530)

    安くなったという話ではないのか。
    火力の稼働率が減って、kWhあたりのコストが相対的に大きくなっただけなのか

    • 相手が自分達に合わせてくれたら、なんか相手が調子悪くなってこっちが勝った
      みたいな気持ち悪さというか、こんなんで太陽光・風力を増やすという話には
      ならないだろうね

      親コメント
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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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