
凧を飛ばして発電する空中風力発電システム 56
ストーリー by nagazou
発電 部門より
発電 部門より
headless 曰く、
ドイツのエネルギー企業 RWE が凧による空中風力発電 (AWE) システムの実験をアイルランド・メイヨー県バンゴーエリスで実施するそうだ (プレスリリース、 The Next Web の記事、 動画)。
この AWE システムはオランダの Kitepower が開発した「Falcon」と呼ばれるもので、ダイニーマ素材のテザー (長さ 358 m) で地上基地 (GS) のウインチに結ばれたグラスファイバーの骨組みを持つ膨張式の巨大な凧 (60 m2、80 kg) を飛ばして発電する。
凧は横風を受けて 8 の字を描いて飛ぶよう中間のコントロールユニット (KCU) で制御され、ウインチのリールからテザーを引き出す強い力を発電に用いる。テザーが完全に引き出されたら最低限の力で巻取りを行い、再び引き出しによる発電を繰り返す仕組みだ。引き出しと巻取りの 1 サイクルは 100 秒間で、80 秒間は引き出しにより 130 kW を発電、残り 20 秒間は巻取りのため 20 kW の電力を消費する。
AWE は従来の風力発電システムと比べて安価に構築可能であり、重いタワーを必要としないため容易に移動できるほか、より高高度の強い安定した風を利用できるとのことだ。
ジェット気流発電 (スコア:2, 興味深い)
高高度(低い方が9000m)の風といったらジェット気流(偏西風)。これで発電するって、かなり前から研究されてる [nii.ac.jp]よね。
まだジェット気流の高度まで届かないけど、トヨタが実験してる [toyota.co.jp]し。うまくいってないみたいだが、昨年も実験してた。 [erestage.com]
Re: (スコア:0)
私も「たこ発電は、すでにトヨタがやってたよなぁ?」と検索していたところでした
「トヨタがすでに開発中?ヤメヤメヤメ、ケセケセケセ」とならないで
共創関係になれればいいですね
発想は素晴らしいと思うが… (スコア:2)
通常の風力発電よりはるかに風の強い上空を、比較的安価に利用できるという点は素晴らしい。
でも実用となるとハードルは高い気がする。
凧だからテザーは斜めだよね。45度かどうかはわからないけど、高度と同じくらい水平方向にも伸びているわけで、もし地権者の了承が必要となれば、かなり面倒だと思う。地権者としても頭の上に 80kg 以上の物体(プラス、テザーも相当重いだろう)がふらふらしていると気になるだろう。万一の時にはテザーで薙ぎ払われるかもしれないし。
海上だったらもう少しいいかもしれないが、海岸近くだと海陸風 [wikipedia.org]で、昼間は陸側に吹きそうだし。無人島とかならいいけど、今度は送電が…
一方、空の方だと、こんなものが最低安全高度(日本だと150m?)以上で常時動き回っているというのは、特にヘリコプターなんかには悪夢かもしれない。航空障害灯 [wikipedia.org]をつければ良いのかな?
Re: (スコア:0)
軌道エレベーターの動力源に良いかも
Re: (スコア:0)
地上からテザーを伸ばすのが邪魔なら衛星からテザーを伸ばすと
Re: (スコア:0)
衛星の軌道保持のためのエネルギーがたくさんいるような気がする
Re: (スコア:0)
凧側は高さを固定して、衛星の地球から遠い方向にすっ飛ばせば良いんじゃない?
すっ飛ばすときには20Wくらいで発電して、たこ糸引っ張って元の高度に下げるのに80W消費しそうだけど。
Re: (スコア:0)
それ以前の問題で送電はどうするんだ 宇宙太陽光発電のほうが簡単のような
Re: (スコア:0)
それ以前に、たった300mだと風向も風力も安定するとは思えない。
いまや大型の風力発電用風車だと、この凧と同じぐらいの高度になる。
Re:発想は素晴らしいと思うが… (スコア:1)
いまや大型の風力発電用風車だと、この凧と同じぐらいの高度になる。
250m〜300m 級のタワーとそれに見合うローターは、凧と同じくらいの費用や CO2 排出量で作れるんですか?
Re:発想は素晴らしいと思うが… (スコア:1)
この凧は、300m級の風車と同等の発電量があるのですか?
そうでなければ費用やCO2排出量を直接比較する意味があるとも思えないが。
それはさておき、同等程度の高さの風車でも発電安定しないのに、この程度の高度の凧では風の強さや安定性という意味では効果が薄いと指摘しただけだよ。
Re:発想は素晴らしいと思うが… (スコア:2)
別コメント [srad.jp]に書いた通り、この凧の利点は費用等も含めたお手軽簡単さなどにある。「いまや大型の風力発電用風車だと、この凧と同じぐらいの高度になる。」というコメントに付き合ったが、実際にはどちらも互いの代わりにはならない。
Re: (スコア:0)
>通常の風力発電よりはるかに風の強い上空を
元はこれが間違ってるのではないかという指摘ですよ。
メーカーのページでも風車と同程度の高さでしか比較は書かれていない。
お互いに変わりにはならないことは同意。
しかし、それならば通常の風車と比較して費用やCO2排出量を問うあなたの指摘はナンセンス。
Re:発想は素晴らしいと思うが… (スコア:2)
>通常の風力発電よりはるかに風の強い上空を
元はこれが間違ってるのではないかという指摘ですよ。
メーカーのページでも風車と同程度の高さでしか比較は書かれていない。
元の指摘とやらは、「通常の風力発電」を「世界最大級の風力発電」と取り違えていませんか?
仮にテザーを直線45度と考えると、この凧の高さは 250m 程度になるわけです。「通常の風力発電」と言った場合、タワー(ナセル)は 50m 程度、大型でも 100m 以下だと考えて、この高さを「はるかに風の強い上空」と書きました。
ブレードの平均の高さなら、タワーの高さなので、200m 超です。250m をブレードの頂点だと考えても、大雑把にタワーの高さの半分がブレード半径とすれば、160m 程度のタワーが必要となるわけです。160m のタワーは 80m の 2倍ですが、建築費は 2倍ではすみません。この高さは「通常の風力発電」とは言い難いと思います。タワー 150m 超や 200m 超が「普通」になるのはまだ先の話でしょう。
地表面からおよそ30~100mまでの接地境界層 [wikipedia.org]を避けることができるかどうかは、風力勾配が大きいので重要です。通過する空気の質量は風速に比例します。風力すなわち空気の運動エネルギーは、質量に比例し速度の二乗に比例するので、つまり風速の3乗に比例するわけで、風速が大きい高さを確保するのは、とても大切です。
Re: (スコア:0)
メーカーのページの Taking Only the Best from Wind Turbines の部分を見てください。
メーカー自身が従来の風力タービンのブレード先端部と同様だと説明しています。
それでも「はるかに風の強い上空」と主張するならもういいです。
Re:発想は素晴らしいと思うが… (スコア:1)
メーカーのページの Taking Only the Best from Wind Turbines の部分を見てください。
メーカー自身が従来の風力タービンのブレード先端部と同様だと説明しています。
それでも「はるかに風の強い上空」と主張するならもういいです。
ちゃんと読みましょう。"Conventional wind energy systems ... their constrained height limits their efficiency."(従来の風力発電システムは … 高さの制限により効率が限られる)とあるでしょう。
そこにある風力タービンとの比較の図も見ましょう。ブレードの上端が 50m(低めですね)、凧の上限が 400m と図示されていますよ。https://thekitepower.com/wp-content/themes/plain/img/tech/kp_vs_wt-1.svg
Problem
Conventional wind energy systems rely on electricity generation by means of wind turbines installed on the ground. Wind turbines, therefore, require resource-intensive towers and heavy foundations thus imply demanding transportation and installation while being able to only harness lower winds. Difficult logistics limit the geographical versatility of wind turbines and their constrained height limits their efficiency.
Re: (スコア:0)
でも、250m~300m級のタワーを持つ風力発電って10~20MW級でしょ。
この凧を数百機設置する費用やCO2排出量を考えると・・・案外トントンになるんじゃ?
しかも、可動部品点数も凧数百機のほうが多いだろうからメンテナンスも大変。高所作業となる風力発電メンテとトントンか、下手すると高くついちゃうんじゃ?
さらにとても広大となる凧周辺の土地定期メンテナンス費とか考えると・・・
Re: (スコア:0)
東京タワーで333mなんだから、強風地帯に出来あいで300mの塔を建てるのはかなり無理がある。メンテナンスコストは半端じゃないだろうし設計寿命も短いだろう。加えて取り壊す際のゴミの量も半端じゃない。
使い捨てでも糸の方がいいだろ。地震の影響も受けないだろうし。
Re: (スコア:0)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01267/00054/ [nikkei.com]
こんな感じで大型化がトレンドになってます。
陸上は10MW級で最高部が200m台、洋上だとさらに大型化する方向で最高部は300m超える。
発電出力は直径の2乗に比例するのに対して、建設コストは2倍以下で済むから。
騒音問題なんかを除いて効率だけ考えられる洋上では、まだしばらく大型化が続くらしい。
肝はお手軽簡単さなのか (スコア:2)
100kW の再生可能エネルギー源を、20フィートコンテナ1個に積んでトラックなどでどこにでも運べて、到着から24時間で設置可能。他の風力発電に比べて資材を90%節約できる。僻地に最適、というわけか。
問題があれば引っ越すことも簡単、必要な時だけ使用することもできる、と。
https://thekitepower.com/product/ [thekitepower.com]
Why Kitepower?
Electricity Generation 24/7:
Produce electricity during day, night, on cloudy and rainy days
High Energy Production:
Higher capacity factor than solar PV and wind turbines
Less Materials:
Up to 90% less material than conventional wind turbines
Plug & Play Setup:
Install it in less than 24hrs and operate it out-of-the-box
Deployable in Harsh Environments:
Ideal for remote sites and communities
Easy to Transport Worldwide:
All equipment fits in one 20ft container
Re: (スコア:0)
雷が落ちたらどうするんだろうと思ったけど
雲行きが怪しくなってきたらタコを回収して、天候が回復するまで中断でもいいわけか
騒音対策は.... (スコア:1)
糸や凧から超低周波が出て、周辺住民の被害になりそう。
風力発電も同じ理由で、街中には作れない課題が。
日本だと地熱発電がいいと思うんですが、
危険なガスが出ると事故になりますからね。
むずかしい。
どうやって揚げるんだろう (スコア:1)
揚がった後の定常状態は、タレこみ及びhttps://thekitepower.com/product/
に記載の通りだが、
その前にどうやって凧を揚げるんだろう
Re: (スコア:0)
どれも無理がありそうだけど、例えば
1. コンテナをトラックで引っ張って凧あげ
2. 地上から勝手に凧が飛んでいくほどの強風が吹くまで何日か待つ
3. ヘリで釣り上げて上空で分離する
Re: (スコア:0)
チャーリーブラウンに引っ張ってもらう
発電コストより (スコア:0)
凧を飛ばす人の人件費の方が高そうです。
代わりに据え置き式の風車はどうでしょうか?
テザーを繰り出している間 (スコア:0, オフトピック)
テザーを繰り出している間だけ発電、
出したからには巻き取らないといけないが、その間は発電できない(どころかエネルギー使う)。
稼働率は50%以下? (いや繰り出しと巻取りの速度が違うかもしれませんが)
ジャイロコプターよろしく、風を受けて回転するローターで、揚力発生しつつ回転で発電なら
ずっと発電できるのでは?
日本と違って欧州なら一方向の風がずっと吹いているだろうし。
Re:テザーを繰り出している間 (スコア:1)
いや、タレコミぐらい読もうよ。
80秒間繰り出し 130kW発電、
20秒巻取り、20kW消費
の100秒サイクルと書いてある。
どういうカラクリかわからないけれどなー
高速で巻き取るのに消費電力が少ない。Why? とは思う。
巻取り中ば翼を縮小するとか、
迎角変えて滑空降下とか、
Re:テザーを繰り出している間 (スコア:1)
Re: (スコア:0)
回転してるみたいなので追い風状態で巻き取るのかな?
Re: (スコア:0)
例えば正方形の凧の各頂点(ABCD)から糸が伸びて、四角推の頂点(O)から伸びた紐が地上(G)に繋がってるとするでしょ。
この時、紐(OG)がピンと張って凧から力を受けるのは、四角推を構成する糸(AO、BO、CO、DO)の長さが(重力を無視すれば)同じくらいだから。もし、AOとBOだけ短くして四角推の対称性を崩すと、凧が風から受ける力が同じでも、紐(OG)にかかる力は姿勢の角度の分だけ減って、AOとBOの長さをゼロにすれば、ACとOGは同じ向きになるから力もゼロになる。
実際にはパラグライダーみたいな形の凧でそれを地上からコントロールしてるわけだから、両端をABとすると、AOGの糸とBOGの糸が独立していて、風を受ける時はAOGとBOGの長さを同じにする。巻き取るときはAOGとBOGの長さに差をつけるってことを断続的にやってるんだと思う。それを交互にやれば8の字になるんじゃないかと。
Re: (スコア:0)
IMEが「四角推」って言うから疑わなかったけど、四角錐ね。どこでこんな言葉を覚えたんだか。
高い建物 (スコア:0)
上の方に風力発電ユニットを付けても良い気が……都庁舎とか
Re: (スコア:0)
騒音と故障時の対応と破損時の地上への落下物をどうするか?
避雷針をどこにつけるか?縦型ならいいかもだけど
Re: (スコア:0)
それ、全部の構造物に当てはまる。
このタコにも。
Re: (スコア:0)
風力発電の上に有効な避雷針を付けるのが難しいから時々雷で破損が起こるんじゃないかな?
騒音は低周波だと周辺の住宅は影響あるんじゃないかな?都庁ならいいのかもだけど。
Re: (スコア:0)
建築物の上に発電ユニット乗っけると、緊急時ヘリコプターが止まれないような
Re: (スコア:0)
避雷針代わりに誘雷レーザーを屋上から発射するとか。
https://chizaizukan.com/news/7hNGjdes6aWZhXZII5wE9o/ [chizaizukan.com]
#雷雨になるとレーザーをビシバシ上空に発射する高層ビル群。なにそれ見てみたい
ただでさえ少ないエネルギー密度が (スコア:0)
凧ということは、ウインチを中心とした円形の土地をそれぞれ確保しなきゃならないんだよね?
凧の受風面積は小さいのに、上記のせいでさらに土地の面積あたりで発電可能な電力が小さくなってしまう。
自然エネルギーはただでさえ面積あたりのエネルギー密度が低いのに、さらに小さくなっちゃうのはなあ・・・。
なお、一定範囲の土地内で風向きが均一なら凧の向きも皆同じになるので上記円形の土地を他とかぶらせても大丈夫なんだけど、マイクロバーストなど前記条件を崩す気象状況があるので採用できないと思う。
Re: (スコア:0)
太陽光発電や太陽熱発電と組み合わせると広さは確保できるし、日照無いときに補ったりできるんじゃないかな
Re: (スコア:0)
メーカーのFAQでは半径300m必要と書いてあるね。
エネルギー密度が低い太陽光発電でさえ同じ定格出力で1/200の面積で済むのだけど。
安易な風力発電の危険性 (スコア:0)
あると思うんだけど。
特に高高度の風のエネルギーを消費すると他国への影響もありそう。
東京沿岸部に高層ビル建てただけで関東の気候に影響あったとか言われてるのに。
Re: (スコア:0)
自然エネルギー系は大体において考えが安易ですね。
Re: (スコア:0)
いやもっと酷い話で、ヒマラヤ山脈が立ち上がったからサハラ砂漠が広がった、って奴を読んだ事がある。
Re: (スコア:0)
熊谷あたりの高温がひどくなったのは汐留のビルのせい、という説もあるようですよ。
ほんとかどうかは知らんけど
風車をタコで上げる (スコア:0)
上空の風が使いたい、ということなので
タコで風車を上げることはできないものか。
2つペアにして回転トルクは相殺。
落ちたら壊れる。
だめじゃん。
Re: (スコア:0)
変身しそう
永久機関かよ (スコア:0)
『ウインチのリールからテザーを引き出す強い力を発電に用いる。テザーが完全に引き出されたら最低限の力で巻取りを行い、再び引き出しによる発電を繰り返す仕組み』
引き出すときに発電するのはいいが、
巻き取るときは同じエネルギーが必要になるのでは?
Re: (スコア:0)
8の字を描いて飛ぶと書いてあるので風を受け流す状態の時に巻き戻すのではないでしょうか?
フランクリンの実験が (スコア:0)
二百数十年経って報われましたね