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テクノロジー

ボーイング、777Xの胴体組み立てロボットの導入を諦めて手作業に戻す 27

ストーリー by hylom
どこが難しいのだろう 部門より

Anonymous Coward曰く、

ボーイングの最新航空機「ボーイング777X」シリーズでは、2015年から数百万ドルをかけて胴体部分の製造工程で自動組み立て用の大規模ロボットシステムを導入した。しかし、6年におよぶ製造の混乱の末、人間による加工に戻されたという。

このシステムは、移動するロボットがパネルを貼り合わせて穴を開け、何万もの固定具をクレードル内で正しく並べて取り付ける作業を行うというもの。しかし、ロボットは導入当初からセットアップに苦労し、エラーが発生しやすく、胴体が損傷するトラブルが絶えなかったという。それでもボーイングはトラブルについて「歯が生える痛みである」と主張し、ロボットを使い続けた。

しかし、同社はトラブルの続出で人間による手作業の削減という目標を達成できなかったことを認め、ついに胴体部の大規模ロボットシステム導入を諦めたという。ボーイングはこの判断をするのに6年を必要としたとしている。

ただし、ロボットシステムが使われなくなったのは胴体部分だけで、ほかの組み立てプロセスではロボットの運用は続けられるようだ(The Seattle TimesSlashdot)。

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  • by hetareDAIO (17407) on 2019年11月21日 7時19分 (#3719646) 日記

    一番難しいのは協力を仰ぎたい技術者の説得だったりして。最後の砦の胴体を守るぞオー!という一致団結の賜物…とか。

    --
    ほえほえ
    • by NOBAX (21937) on 2019年11月21日 7時36分 (#3719650)
      そうそう。

      ロボットやIT導入で一番難しいのはそこ。
      人員削減を目標に掲げると、
      自分の首が飛ぶと分かっている担当者はプロジェクトが失敗するように振舞う。
      話の持って行き方として、今のしょうもない仕事より、
      もっと有意義な生きがいを感じられる仕事に変われるから
      機械にに出来ることが機械に任せよう
      といった説得が必要。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2019年11月21日 7時42分 (#3719653)

        日本のAI導入の失敗も、年功序列逃げ切りマンの抵抗が激しいから。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          開発・導入費用と現在の人件費を比較して、人件費のほうが安いからじゃない?

          # 十年後? そんな先のことは十年後に考えればいい

          • by Anonymous Coward

            そもそもロボットでコスト効果が出るほど量産してるのか?

        • by Anonymous Coward

          いやそもそも深層学習の現場への応用は始まったばかりだし、作れる技術者いないし。
          万が一いても数倍の給与と将来性を目の前にぶら下げれば、簡単に引き抜けるでしょ。
          それ以上の問題は経営者が技術を理解してないことじゃないかな。
          「金と技術と経営戦略はあるけど、現場の抵抗ガー」って言う、そんな恵まれた状況ではない。

          今回のにしても、クビにされる本人の反発というのはそうだろうけど、はたして今回の組み立て
          ロボットにそれが必要だったかはなんとも言えないね。酒造りとかだと職人のノウハウは文書化
          されてなくて、職人本人の感や経験ややり方を見て調査するしかなかったりするかもしれないけど、
          旅客機の設計図なんてボーイング社自身が作ったものだろうし。

          • by Anonymous Coward

            若い人は怪しいコンサルとか営業の言うことを信じるんですよ。
            そういうコンサルとかが混乱だけ残していなくなるとベテランは知っているのです。

            • by Anonymous Coward

              「コンサルはだましてなんぼ」
              ってコンサルの人が言ってた

        • by Anonymous Coward

          逃げ切りマンは、若い頃からずっと、劣悪な環境下で、お金や時間をたくさん会社に積み立てているんですよ。
          あとで返すからって約束されてたんだから、そこは考慮してくれないと。

        • by Anonymous Coward

          それだと担当が内容を理解しているって事になるじゃん。
          ないない。
          必要ならティーチングだけ専門で雇ても良いのだから。

          もっとあほくさい
          「自分は何ら新しい物に合せなくとも、なんとなくうまくやってくれるに違いない」
          って思い込みとそれを覆して新しいやり方を説得できないって環境の方が大きいだろう。

    • by Anonymous Coward

      部品点数が多い。部品の設計変更が頻繁。人の手サイズから人間より大きい部品までサイズが多様。形状も多様。作業スペースが狭くロボットアームが動く空間が足りない。
      ざっと思いつくのはこの辺。部品工場で働いていた経験をもとに書きました。信頼性は低いと思う。

    • by Anonymous Coward

      製鉄会社のIT化(?)の話とか聞くと、圧延職人をよく説得できたな、とか思うよね。
      # 新・電子立国 [wikipedia.org] より

    • by Anonymous Coward

      自動化前提でも製造ラインを作るときは、まず人力組み立てのラインを作ってからロボットを導入する。
      ただし、人力組み立てのラインを作る時点でロボットで実行できる動作を人が代行する形で
      ライン組みするみたいな話をどっかで読んだ。

      自動化に向けた人手によるラインのままの事前最適化みたいなノウハウがたりなかったのかも。

  • ロボットに正確な指示をだせない?
    ロボットが、指示に従わない??

    • by Anonymous Coward

      ロボットそのものの技術精度の問題なんじゃ?

    • by Anonymous Coward

      1.人間の技術(勘と経験)をモデル化できてなかった。
      2.(人間比べて)圧倒的に関節の自由度とセンサが足りなかった。(胴体が損傷するくらいだし)
      3.組み立て工程の不備を現場作業者がいい感じに補っていた。
      4.歩留まりが悪い分は現場作業者の責任で内々に(自腹で)処理されていた。
      5.ロボットにはカンバンに書かれている暗号の解読ができず、書かれた通りに作業していた。(忖度しなかった)
      6.ロボットは正直だった。(捏造しなかった)

      • by Anonymous Coward

        組立工程だけで完結しようと無駄にハードル上げて自滅した。

        動画見る限り、位置決め用のマーキング塗装とかいろいろしてやればエラーもマシになったのでは?

    • by Anonymous Coward

      きもち右に曲げてとか、もうちょい左とか、正確に言っても
      ロボットは指示が分かりませんとばかりに従ってくれないのは、
      いかんともしがたい。

    • たぶん「自律移動」のハードルが高い。
      産業用ロボットって基本的に自分の位置は固定で作業対象の方がやってきて、移動させるのは「自分の作業したい箇所までアームを伸ばす」程度。本体は移動しない。

      ロボット自身を移動させるとなると当然でかくて重くなるし、取り付ける部品などもいっしょに運ぶ必要がある。
      安全確保のためにも障害物を認識して自己判断させることも必要。

      自動運転とか「室内を歩き回れるロボット」みたいなのも苦労してるように、人間にも周囲の物にも自分自身にもダメージを与えないように自律的に移動するのって、今はまだハードルが高いんじゃないかな。

      --
      うじゃうじゃ
    • by Anonymous Coward

      ロボットに動きを入力するのをティーチングといって大変難しい専門技能です。
      アームの先端を現在位置から目的の位置に持っていくのに取りうる経路はほぼ無限にあるし、さらに周囲のものとの干渉や、複数のロボットを使う場合は時分割で空間をを融通しあわないといけなかったりで相当複雑です。

      • by Anonymous Coward on 2019年11月21日 13時39分 (#3719851)
        私も最初に思ったのが、ティーチングがクソ面倒そうだなというところです。
        ロボットのアームが伸びれば自重でダレるので、当然計算通りの座標には動いてくれませんが、モノがでかいだけにダレ量も相当だろうと思います。
        あと、ワークの位置出し、固定も大変そう。いくらティーチングが完璧でも、ワークがずれていては元も子もありません。当然、ワークもダレるでしょうから、ダレ防止のための治具が必要でしょう。治具も最適な形状を決めるためにはある程度の試行錯誤が必要ですが、これもモノが大きい何度も作り直すのは大変です。
        今時は、画像認識でティーチングを補正というのもありますが、それにしても最初に判定基準や閾値を最適化すrのは規模が大きいだけに、べらぼうな手間がかかりそうです。
        自動車なんかに比べると生産台数は圧倒的に少ないというのも不利な要素。
        親コメント
    • by Anonymous Coward

      人間がやる場合はちょっと力をかけてとか順序を入れ替えて辻褄を合わせ、完成形状では寸法や強度を出していたのかもしれない
      ロボットに空間座標決め打ちで作業させたら、部品が柔らかすぎて、指定した位置に目的の形状が無いって状況が頻発したのでは
      飛行機のアルミパネルを自動車のプレス鋼板のようにビュンビュン振り回して座標決め打ちで加工できるものなのか

      実際の作業動画がある https://www.youtube.com/watch?v=GevBp3nj878 [youtube.com]

      • by Anonymous Coward

        作業に供する治具の規模を人力従来同等に極力端折ろうとして失敗しましたテヘペロなんだろうね
        777以外をもロボラインにする踏ん切りつかないもんだから流す機体を変えるときに容易に撤収収納出来るという条件を課してしまったと

      • by Anonymous Coward

        これは無理だな。
        工作対象とロボット設置位置の関係の再現が難しすぎる。

        ロボットに限らず、FA機器全般に言えるけど、
        結局は工具と加工対象の相対的な関係を作るための仕掛けに過ぎない。

        例えば、地面に固定されたロボットが仕事するためには、
        加工対象がロボットから見て毎回同じ場所に無いといけない。
        ロボットは相手を見て作業しているわけで無く、
        作業時の関節の曲がり具合を再現しているだけだから。

  • by Anonymous Coward on 2019年11月21日 7時43分 (#3719654)

    ちゃんと撤退が選べるだけでもすごい

    • by Anonymous Coward on 2019年11月21日 8時26分 (#3719673)

      数百万ドルって最大で10億円ってことでしょ。1機1億ドル前後なジャンボ機の飛行機の値段を考えたら誤差みたいなもんだし、自動化する工程自体の規模がかなり小さいプロジェクトなんじゃないかな。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      マイナンバー「記憶にございません」

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