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原子力

火星などの前線基地用の原子炉「Kilopower」が完成に近づく 52

ストーリー by hylom
2トン 部門より

taraiok曰く、

NASAなどにより、月や火星の前線基地向けに開発されていた新型原子炉の準備が着々と進んでいる。この原子炉は「Kilopower」とよばれ、2017年11月から2018年3月の間に行われた一連の地上試験をクリアした状態にあるという。ロスアラモス国立研究所に所属するKilopowerのプロジェクトリーダー、Patrick McClure氏によれば、2022年頃には地球外のデモンストレーションが可能になるとしている。もっとも共同開発者であるNASAはこの考えに同意しているわけではないという(SPACE.COMSlashdot)。

旧来の地球外探査機には動力として放射性同位体熱電気転換器(RTG)が使われてきた。RTGは出力が低いという問題がある。2020年に打ち上げ予定の火星探査ローバーに使用されるものでもミッション開始時の出力はわずか110Wでしかない。しかも、この出力は時間の経過とともに低下していく。

一方でKilopowerは、一般的な原子力発電所と同じ核分裂炉を採用している。Kilopowerでは、スターリングエンジンを介して、発生する熱を電気に変換する仕組みになっている。その名前が示すように、Kilopower原子炉は最小でも1キロワット(1kWe)を発電することが可能。将来的には同じ原子炉で約10kWeので出力を高めることができるとしている。約15年間の利用が可能であり、さらにマシン全体の高さはわずか3.4メートルほどしかないという。

ただし、原子炉全体の重量は2,000キログラムと重い。これは宇宙飛行士を保護するシールドの重量が1,500キログラムもあることが原因だという。シールドを考慮しなければ、重量を大幅に削減できるとPatrick McClure氏は語っている。

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  • 原子炉作れるのすげえ!
    原子炉があれば、火星の二酸化炭素を原料に、酸素とメタンガスが生成出来て、酸素とメタンガスがあれば、呼吸用のほかに、地球帰還に必要な大量の燃料を現地生産できるって、むかし偉い人が言ってました!

    • by Anonymous Coward on 2019年08月17日 12時44分 (#3670606)

      >原子炉があれば、火星の二酸化炭素を原料に、酸素とメタンガスが生成出来て

      水素はどこから?

      親コメント
      • マーズダイレクトでは少量の水素は地球から持ち込む事になっていた。
        液体水素は長期保存が困難なので圧縮ガスの形だろう。

        現在は火星の極地に水の氷が確認され、また永久凍土らしき存在も発見されているので水素の入手は容易だろう。メタンもメタンハイドレートの形で永久凍土に埋まっているという説もある。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        火星の南極にあるという氷ですかね

    • by Anonymous Coward

      気圧自体が低いので、それほど生成できないのでは?
      二酸化炭素は重いので気圧自体が高くなるらしい ⇒ 金星

      そうだ! 金星に大量に打ち込んでテラフォーミングだ!!

    • by Anonymous Coward

      原子炉から出る酸素や水は汚染されてないか?
      そんなものを飲用や呼吸に使えない

      • by Anonymous Coward

        原子力潜水艦では原子炉(の電力)で海水から作った水や酸素を飲用や呼吸に使っています

        • by Anonymous Coward

          火星に海水があるんですか?

        • by Anonymous Coward

          酒場で派手な女が二人。
          「潜水艦乗りの見分け方、知ってる?」
          「どうやるの?」
          「暗闇で光る男よ」
                        ロシア小話より

      • by Anonymous Coward

        多分元コメは「原子炉があれば、(豊富な電力を使って)火星の二酸化炭素を原料に、酸素とメタンガスが生成出来て(後略)」と言いたかったんだと思う。
        なので、十分安全な酸素や水を提供できるよ。
        #核分裂由来の電力は汚染されている!と主張なされるなら・・・あきらめます。

    • by Anonymous Coward

      原子炉など、設計・計算すら確かなら、炭素ブロックを積んで、核燃料を収めて、制御棒を抜けば済む。
      小規模で低核出力な研究炉なら、炭素ブロックの代わりにポリエチレンでも可能では?

  • by Anonymous Coward on 2019年08月17日 10時33分 (#3670556)

    月や火星の原子炉だったら、遠くに設置してロボットなりでケーブルだけ引いてくれば、遮蔽なしでも大丈夫そう。
    もともと無人でも運用する予定だろうし、人間が近付く必要なくね?
    どうせ、元から放射線だらけの世界なわけだし。

    # 非常事態に人力で修理は出来ないけど。

  • by Anonymous Coward on 2019年08月17日 8時32分 (#3670504)

    家庭用原子炉ユニットで地球温暖化防止!!

    • by Anonymous Coward

      熱を排出するだけなので温暖化に繋がると思います。

      使い切ったら燃えないゴミに出していいですか?

      • by Dharma-store (47177) on 2019年08月17日 10時59分 (#3670563) 日記

        核廃棄物の日は毎週土曜日です。

        https://vw.mangaz.com/virgo/view/45241/i:28 [mangaz.com]

        ※地域によってが異なる場合があります。自治体の指示に従ってください。

        親コメント
      • by Anonymous Coward on 2019年08月19日 20時46分 (#3671551)

        確かに小型な上にスターリング機関の効率考えると単純に排熱が多そう。電力の5倍くらいは排熱してそう。温室効果ガスによる地球温暖化は防止できるけど、ヒートアイランド現象はヒートアップ。

        熱源永久保証に釣られて導入するも、1年ごとに機関部分をまるごと交換(ヘリウムガスが漏洩しないように密閉構造で現場で分解できない上に、高温側可動部品が固体潤滑しか使えず消耗する)でぼったくられる。しかも熱源の放射能物質処理費用が高くて解約できず(実際には処理せず新規顧客用に使いまわす)。おいおい会社も永久保証かよ…って展開はどうだろう。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        温室効果ガスが出ないから同じエネルギーを消費しても温暖化緩和になるって意味でしょ
        製造や流通を含めても実際そうなるのかは知らんが

  • 火星で(月でも)使う事を想定された原子炉について、「質量」じゃなく「重量」と表記したのは、火星での重量なのか?
    Wikipediaによると、火星の表面重力加速度は3.71m/s2、地球のそれの1/3強といったところらしい。

  • by Anonymous Coward on 2019年08月17日 13時00分 (#3670618)

    イーロンマスクがツイートしてたのはこれのことか。

    • by Anonymous Coward

      あんなの読んでるとネトウヨハゲになるぞ

  • by Anonymous Coward on 2019年08月17日 15時11分 (#3670670)

    電気をたくさん使う機器は昼間に稼働し、
    夜はLiB電池使ったバッテリーにしたほうが
    効率的な気がする

    • 地球よりも太陽から離れてる分エネルギーも弱め。だから面積を広くとる必要がある。
      砂嵐が定期的にやって来るのでメンテナンスも大変になる。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        スターリングエンジンみたいな可動部品のほうがメンテナンス大変そう。

    • by Anonymous Coward

      10年以上の長期に渡り使い続けられるのか?

    • by Anonymous Coward

      「効率的」が何を指しているのかわからないけど、仮に質量だとしようか。
      実際効率的なのか試算してみる。
      火星の夜を12時間とすると、必要な容量は12kWh。15年後の容量劣化を50%とすると、新品で24kWh。電池を100% - 0%で充放電すると痛むので80% - 20%で動かすとすると40kWhが必要となる。電池パックの重量エネルギー密度は130Wh/kgぐらいなので(リーフの電池パックから算出)、310kgぐらいか。意外と軽い。
      インバータは1kW程度ならせいぜい10kgか?
      あとは太陽光発電パネルだけど、劣化後も昼間のうちに24kWh発電するには・・・入射角変化の考慮方法がわかんないや。入射角の変化のせいで2倍、劣化により出力半減することも考えて2倍必要、火星は太陽から遠いので光強度が半分、発電効率を高めるコンディショナーのロスを10%とすると8.8kWのパネルが必要。だいたい1000kgか。
      その他で数十kgあるとすると、全部で1400kg。シールド込みの原子炉よりは軽いけど、シールド無しよりは重いのか。

  • まあアメリカなら国土が広いから大丈夫なのかな。

    • 燃料ウランやプルトニウム自体の放射性は「比較的」たいしたことないから「打ち上げ中は」問題ない。
      原子炉を動作させた時に放射性の高い分裂核が生じる
      宇宙用原子炉は制御棒を刺した状態で打ち上げて目的地で抜き取る仕組み。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      そう言えば昔、原子炉ではなくて原子力電池ではありますが、旧ソ連の人工衛星コスモス954がカナダに落下した事件がありまたね。汚染面積(立入禁止区域だと思う)や賠償金が意外に小さかった印象が。でも破片の捜索範囲はかなり広くて大変だったとか。大半は広く飛び散って希薄になってるんでしょうね。

      打ち上げ時はコースを選べば海に落とせるからまだマシかもしれない…良くはないけど。

  • by Anonymous Coward on 2019年08月18日 19時52分 (#3670986)

    核分裂の熱で液体?を沸騰させてその蒸気でタービンを回して発電してると思うんだが
    小型原子炉と言うことだが出力が10kW(e?なんだろ?)って少ない気がする
    この程度では火星基地の電力は賄えないのでは?

    • by Anonymous Coward

      核分裂の熱で液体?を沸騰させてその蒸気でタービンを回して発電してると思うんだが

      いやだからそれ蒸気機関。スターリング機関じゃない。

      (e?なんだろ?)

      熱出力じゃなくて電力(electricのeかな?)出力だよってのを強調してるのかもね。

      少ない気がする

      10kwという小ささは可搬性(ロケットで運ぶので)も考慮されてるのでは。故障の可能性を考えると複数設置しての運用になるので数倍にはなる。また基地の規模によって消費電力はかなり違う。国際宇宙ステーションが120kw?でしたっけ…規模が小さければ間に合うかと。(火星は寒そうだけどヒーターは熱源から熱をもらえばいい(一度電力に変換するより効率的)ので電力は使わないかもね。)

  • by Anonymous Coward on 2019年08月18日 19時58分 (#3670991)

    >シールドを考慮しなければ、重量を大幅に削減できる
    「バケツでウラン」を事故が起こるまで放置する体質の人たちだから。
    で、経済性ガーとか言って、代替案を考えてくれるまで放置してくれるよ。

    絶対自分では考えない。その間に火星に到着、と。

    • by Anonymous Coward

      ここで爆散したロシアの原子力巡航ミサイル(当然まともな遮蔽が行われている筈がない)を取り上げないのがパヨク。

    • by Anonymous Coward

      基地で使う用だろ?シールドは現地で調達できそうな気もするが。

      • by Anonymous Coward

        目的地が火星の場合、火星滞在中だけでなく、一年以上になる往復の飛行の間の電源としても使いたいのだと思う。まあ宇宙船の構造を工夫すればシールドを減らすことも可能なので、シールド無しの場合の重量もアピールしているのだろう。

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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ見習い

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