キーボードがなぜQWERTYになったかの歴史的経緯 84
ストーリー by hylom
おなじみの話題 部門より
おなじみの話題 部門より
あるAnonymous Coward曰く、
国立国語研究所のサイト「ことば研究館」の「ことばの疑問」コーナーに、パソコンのキーボードは、なぜABC順・五十音順ではないのですかと言う記事が上がっていたのでたれ込みたい。
著者の安岡孝一氏によれば、19世紀末、元々配列の元になった英文タイプライターで「1」(いち)が「I」(アイ)「0」(ゼロ)と「O」(オー)と一緒だったことから始まり、ある程度は最初はある程度ABC……の順番に並べられていたものを、モールス電信を受信して書き写すのに都合が良い様に改良、英語に頻出する英字を隣り合わせにして、最後は特許を回避する為に移動が行われて、現在の形になったのだそう。
一方日本語配列は、20世紀前半に基礎が作られ、そこからカナ・英文両方打てるようにするあたりからカオス化が始まり、最終的にIBMがコンピュータ用に変更、最後にNTTが現在の形を作ったのだそうだ。
それぞれのキーを移動させた理由はあっても、キー配列全体が1つの理由で説明できるわけではない
タレコミ子は「タイプライターのアームが絡まないように敢えて打ちづらく作った」という俗説を信じてしまっていたが、違ったみたい。
お、yasuoka 先生じゃん (スコア:4, 興味深い)
キーボードの薀蓄も持ってらしたのね。
ってかこっちのコメントは本記事採用されたら表示されないん?
https://srad.jp/comments.pl?sid=738844&cid=3427943 [srad.jp]
Re:お、yasuoka 先生じゃん (スコア:2, 参考になる)
むしろsradにおけるyasuoka氏と言えばQUERTYキーボードってイメージ。
氏の日記でもちょくちょく誤ったQWERTYキーボードの歴史の記事を取り上げてますし。
Re:お、yasuoka 先生じゃん (スコア:3, すばらしい洞察)
自分もそのイメージだったので、まさかよりによってスラドで
> タレコミ子は「タイプライターのアームが絡まないように敢えて打ちづらく作ったという俗説を信じてしまっていたが、違ったみたい。
こんな意見を見るとは。yasuoka先生もガックリよ。
Re:お、yasuoka 先生じゃん (スコア:1)
yasuoka氏って毎週のように新しいキーボード、文字コードネタを見つけてきては日記で書いてる
スラドの名物みたいな人なのに見てない人は全く見てないんだな・・・
親指シフトキーボード (スコア:1)
ってのもあったっけ。
昔会社にあったワープロ専用機OASYSのキーボードがそれでした。
たしかトレーニングモードも付いてたけど結局身につかなくて、地味にローマ字入力してたっけ。
あれに馴染んだ人の日本語タイピングは早かった気がする。
Re:親指シフトキーボード (スコア:2)
タッチ16というエプソンのハンドヘルドに搭載されているのもあった。
実際に打ったことは無いんだけど、母音と子音の組合せを右手と左手でやるっていう
まっとうな理屈なんだけど、全然普及しなかったな。
wikipediaのページ [wikipedia.org]があった。
Re: (スコア:0, 参考になる)
> あれに馴染んだ人の日本語タイピングは早かった気がする
最初、当人たちはそう主張してたんですが、普通のQWERTYローマ字打ちのほうが判明したあとは
ローマ字と違って思考を邪魔しないという謎理論にこもりました。
Re:親指シフトキーボード (スコア:2)
> QWERTYローマ字打ちのほうが判明したあと
これは「速いと」判明した後、ですかね
ローマ字の方が速いのか、そんなもんですかね。打鍵数多そうですが
ローマ字打ちとフリックはどうなんだろうか
Re:親指シフトキーボード (スコア:2)
そんなもんなんだ
やっぱ使える指の数が違うのか…
Re:親指シフトキーボード (スコア:1)
今は亡きワープロ検定の上位者は親指シフターばっかりっだったはずなんですけどねぇ
Re:親指シフトキーボード (スコア:1)
ワープロ検定やってた1980年代はオアシスがシェア独走だったからね。
まあ、その頃の栄光を持ち出すしかないあたりでお察し。
Re:親指シフトキーボード (スコア:1, 参考になる)
ヒント:英数記号混じり文章の入力
かな入力の場合、とたんに効率落ちるからね。
かなだけ打ってりゃいいなら、そりゃ速い(打鍵数少ない)けどさ。
Google日本語入力(とかMozcとかAnthyとか)の場合、ローマ字テーブルに
よく使う記号やフレーズを登録しとけば直接入力でさらに効率上がるし。
デフォでも矢印(←↓↑→)や三点リーダー(…)とか登録されてるし。
Re:親指シフトキーボード (スコア:1)
そのヒントが通じない人が多い。
YouTubeを「ようつべ」とかで済ますし、句読点もろくに使わない。
Re: (スコア:0)
大学時代(30数年前かぁ)友人が親指シフトのポータブルワープロを持っていたので
しばらく借りて使ったことがありますが、慣れれば結構速かった記憶があります。
#もう今では、使うとなっても最初からやり直しでしょうけれど
Re: (スコア:0)
親指シフトキーボードはまだ売ってますよ
Re:親指シフトキーボード (スコア:1)
なんとなく売ってるのは知ってましたが、新規需要開拓はしてないんだろうなぁ。
Re:親指シフトキーボード (スコア:1)
エルゴノミックキーボードを作っている人のこんなのあります。New Stickneyかな配列 http://www.esrille.com/ime.html [esrille.com]
ローマ字入力なら、DvorakJP http://www7.plala.or.jp/dvorakjp/ [plala.or.jp] あたりでどうでしょうか。
これを、エルゴノミックキーボードに適用すれば結構よいのではないでしょうか。
Re:親指シフトキーボード (スコア:2, 参考になる)
Re:親指シフトの復権の鍵は、海外にあるという仮説 (スコア:1)
マスの問題が大きかったんでは?
ワープロ専用機であれば専用にキーボードを作るのは難しくない。
しかしワープロ業務が専用機からPC業務の一部になってしまうと、汎用機材での使用が増えてしまう訳で。
標準添付のキーボードに2万円も3万円も掛けられる頃の贅沢だったと。
強烈な違和感 (スコア:1)
> 最後にNTTが現在の形を作った
電電公社が民営化されて日本電信電話株式会社になったのは1985年、昭和60年のこと。
リンク元ページにも
> さらに1970年に電電公社(現在のNTT)が,(中略) コンピュータ用のキーボードを作りました。
> (中略)この電電公社のカナキー配列が,現在のパソコンのカナキー配列です。
となっている。
#今どきの若い人は「電電公社」って言っても通じない?
Re:強烈な違和感 (スコア:1)
なんで日本タバコ(JT)が塩の博物館やってるんだ?というコメを視たことがあります
Re: (スコア:0)
1997年まで続いてたとか知ると絶句しますけどね。歴史上の話くらいに思ってたら最近までやってたのかよ!みたいな。
#放送、通信は寡占の形で絶賛継続中だし
Re: (スコア:0)
電電公社は規格も発祥元でしたから
(研究所もあるし)
1MBの5'FDDもここで制定したのではなかったか
(もうNTTになってたかなぁ)
Re: (スコア:0)
>1MBの5'FDD
電電公社フォーマットと呼んでた記憶がある
Re: (スコア:0)
Wikipediaのフロッピーディスク [wikipedia.org]
> 日本では電電公社(現在のNTT)が5.25インチ2HDドライブの開発を行なってきたため、
> 発表当時は電電公社フォーマットドライブとも言われた。これは容量が約1.2MBで(以下略)
Re: (スコア:0)
みかかのことでしょうか?
ん? (スコア:1)
パスワードを打ちやすくする為じゃないの?
Re: (スコア:0)
違います。以下の文字列を打ちやすくする為です。
くぁwせdrftgyふじこlp
Re: (スコア:0)
qあwせdrftgyふじこlp;@:「」
を打ちやすくするため、でもあるな。
Re:ん? (スコア:2)
それは「最後にNTTが現在の形を作っ」た方だ。
#ASCII配列日本語IMだと 〜ふじこlp;「’」 になるはず
Re: (スコア:0)
つまり「ふじこ」が犯人
他にも、デモンストレーションするときに (スコア:1)
"TYPEWRITER"と相手の前で打って見せるとき、高速に打てるように[T][Y][P][E][W][R][I]のキーは1列に並んでいる
というような話もタイプライター/QWERTY配列関係でよく聞いたな。
QWERTYがどうやって決まっていったかという話も興味深いが、その周りで生まれたフェイク起源話
の出所をさかのぼって探していくのも面白そうだ。
タイプライターのアームが絡まないように敢えて打ちづらく作った (スコア:0)
俗説というかテレビで堂々とトリビアとして放送してた
まさか嘘だったとは。。。。
Re:タイプライターのアームが絡まないように敢えて打ちづらく作った (スコア:1)
配列が正方ではないのはアームを通すためという話を聞いたことがあります。
これが誤って伝わったのでは無いかと思いますが。
最近は自作キーボードで正方にするのも一つの流派であるみたいです。
(正方・・・MZ-80Kみたいなキーボード)
Re:タイプライターのアームが絡まないように敢えて打ちづらく作った (スコア:1)
配列が正方ではないのはアームを通すためという話を聞いたことがあります。
それはキーとハンマーをつなぐアームのことですね。キーの下にたくさんの棒を干渉しないように通す必要があると。
それに対して元の「アームが絡まないように~」は、すべてのハンマーが同じ位置を狙っているために同時打鍵すれば干渉は避けられないわけで、かなり違う話なので混同するかな?と多少疑問
Re:タイプライターのアームが絡まないように敢えて打ちづらく作った (スコア:1)
それも俗説。
ずらしたキー配置はアームの発明より前に生まれている。
Re: (スコア:0)
まあ、普通は絡まないようにアームを改善しますよね。
Re:タイプライターのアームが絡まないように敢えて打ちづらく作った (スコア:1)
当時のタイプライターの駆動方式ではアームが絡むことが無かった、って話もありますね。
ちゅーか、ERが近くにある時点で、その説は破綻してるんだよね。
記事にもあるけど、ERを良く使うから近くに寄せたらしい。
Re:タイプライターのアームが絡まないように敢えて打ちづらく作った (スコア:1)
20以上のハンマーが同じ位置を狙う配置になっている以上、絡むまではいかないとしてもコンクリフトを避けるのは不可能そう
US配列とUK配列が謎 (スコア:0)
UK配列のZの左側にチルダがくるのが謎
US配列の横長Enterキーは日本の一般人には受けが悪い、せや、JISと同じEnterキーのUK配列で誤魔化そうっていうノートPCが出てきて、Enterキーだけじゃなく左シフトキー周りまで間違い探ししないと行けないのがなんともしんどい
Yは母音扱いだったのね (スコア:0)
最初の段階でYUが隣に配置されている。拗音の入力しづらさはもう確定だったんだね…。せめてもうちょっと左に置いておいてくれれば、左手担当のキーとして残ったかもしれないのに。この「にゅう」のにゅう力は、左人差し指動員がいいのか、それとも親指動員か…
Re:Yは母音扱いだったのね (スコア:1)
かな入力で、ふ・わ・ほ・へ が上段に配置されているのも旧仮名遣いで母音扱いだった名残りですね。
数式 (スコア:0)
jklとかがちゃんと並んでるあたりに物理系の数式を入力する都合に合わせたんじゃないかと思ったりするが多分気のせい
記号の位置まで変えなくても良かったのに (スコア:0)
カナの位置は仕方ないとして、なんで記号の!"#とかの位置まで英語版と変えたんでしょうか
:とか()の一つずらしとか意地悪としか思えません
Re:記号の位置まで変えなくても良かったのに (スコア:3, 興味深い)
あれはテレタイプ端末に由来する配列だったかと。
活字が並んでるだけのタイプライタと違ってテレタイプは文字コードを電気的に送信するので、Shiftキーの処理がASCIIコードの1ビットを反転させるだけで済むこの配列の方が都合が良かったんでしょう。
で、元々日本はタイプライタの文化がなかったので、キーボード配列を決める際にもタイプライタ配列にこだわる理由がなかったんじゃないかと。
Re:記号の位置まで変えなくても良かったのに (スコア:3, 参考になる)
ざっくり言うとUS配列は旧配列で、ISO/JISが新配列。
元々文字コードはプロプラで統一が無かったから制定されたのがASCII符号。
で、ASCII符号に合わせた記号配列が新規格でISOが採用。
USも追随する筈だったが、IBMが最新端末に旧配列を採用したんで移行しなかった。
ANSIには新旧両配列が記載されてるらしい。
-- Buy It When You Found It --
Re:記号の位置まで変えなくても良かったのに (スコア:1)
ざっくり言うとUS配列は旧配列で、ISO/JISが新配列。
逆でしょう、ISO(→JIS)は元々の旧配列で、IBM/US配列が新配列。
で、ASCII符号に合わせた記号配列が新規格でISOが採用。
レミントン由来の伝統的な配列に合わせてASCIIが決められた、なのでは。
Re:記号の位置まで変えなくても良かったのに (スコア:1)
Re:記号の位置まで変えなくても良かったのに (スコア:1)
http://kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~yasuoka/publications/ISCIE2003.pdf [kyoto-u.ac.jp]
http://kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~yasuoka/publications/ISCIE2004.pdf [kyoto-u.ac.jp]
テレタイプ社とIBMでバトルした結果
日本ではISO原案に従ってテレタイプ社の配列にしたけど
一方その頃米国ではIBMの配列が優勢でそのまま席巻したとかそんな感じ?
Re:ソースどぞ~ (スコア:1)
ページ下部にある「参考文献」の文字が読めないのか。
まぁそれらを書いた著者本人による要約記事だから手前味噌ではあるんだが、それだけ色々と研究している「専門家」の言なんだよ。
しっかりソース出して話をする人みたいだから、その批判はまるで見当違いだよ。
タイプライター関連の嘘や誤情報を指摘するときとか色々と資料提示してるの見た覚えがある。
具体的なそれぞれの参考文献はそれぞれの参考文献中に記載があるはず。