エンタープライズ向けSSDにおいては、SLCはMLCよりも信頼性が高いというわけではない 51
ストーリー by hylom
なるほど 部門より
なるほど 部門より
SSDに使われるNANDフラッシュメモリにはSLCおよびMLC、eMLCといった複数のタイプがあり、一般的にSLCが最も高性能/高寿命で、続いてeMLC、MLCの順に性能や寿命が優れていると言われているが、少なくともハイエンドのエンタープライズ向けSSDにおいては、MLC型のフラッシュメモリを採用したSSDの信頼性が低いというわけではないという調査結果が出たそうだ(北森瓦版、ZDNet)。
この調査結果はGoogleのデータセンターで使われた数百万個のデータドライブ利用状況データを基にまとめられたものだそうだ。これによると、いわゆる「エンタープライズ向け」のSSDは高性能化しており、MLCのものでもSLCのものと同等の信頼性が確保されるようになっているという。また、SSDはデータの書き換え回数に制限があり、頻繁に書き込みを行うほど寿命が縮むと言われているが、それよりも経年劣化のほうがエラーレートへの影響が大きいという。実際、調査対象のSSDでは書き込み回数の上限に達しているものはなかったそうだ。しかし、SSDはHDDよりもUncorrectable Bit Error Rate(UBER、ECCで修正できなかったエラーの発生率)が多く、データが破損する可能性はHDDよりも高いという。
関連リンク (スコア:4, 参考になる)
GIGAZINEにもう少し詳しい記事 [gigazine.net]と、元ネタ論文へのリンクがあったのでFYI。
Googleすごいねぇ (スコア:1)
前にも Googleが大量に使用しているHDDの故障率の分析 [srad.jp]とか出してたし。
アホほど大量にPCサーバを運用して統計してみたデータってのは貴重だし、公開してくれるのも貴重だわ。
Re:Googleすごいねぇ (スコア:1)
こういうのを公開してこなかった他のベンダーは、この手の情報はノウハウに属するものだから非公開が基本と思ってるんでしょうか。
とはいえ、公開もGoogleほど大きければこそ出来たんだろうなあ…とも思いますよね。
Re: (スコア:0)
いや多分他は情報自体を持ってないと思う
グーグルがLinux使ってると話題になった頃
「わかってないな、Linuxなんてすぐデータが消失するから使えない」
という声が多かったが
データ分散や細かい管理で他を圧倒
カンに頼らずデータを取って管理していたわけだろ?
他もカンに頼らずデータ見て管理してればグーグルの独走なんてなかっただろうな
Re: (スコア:0)
HDDのデータはターゲットの違う使い方をしてるのでそれを踏まえてみなければいけないのと同じように
SSDも一般用途とは違う使い方をしていることを踏まえてみなきゃダメそうですよね
フラッシュメディアに (スコア:1)
写真を保存しておくと危ない [hardware.srad.jp]と思って、クラウドに保存するようにしたら、
クラウドがSSDをつかっていたでござる の巻
Re:フラッシュメディアに (スコア:1)
だからAmazonほど明確じゃないけどGoogleも分散させてるんでしょ?
Re: (スコア:0)
多重化でなくて分散なの?
いつ頃のSSD (スコア:1)
経年劣化が大きい、ってことだけど、いつ頃のSSDを使ってデータを出したんだろう。
Gigazineの記事だと6年以上って書いてあるけど、さすがに6年以上前のSSDって品質的に良くないものが多かった印象。
SSD出始めの時なんて、結構貧乏くじ引いた気がする。容量単価も高かったし、パフォーマンスもHDDより少しよかった程度だったのに。
最近のSSDだとどうなんだろう。それでも同じような結果になるんだろうか。
Re: (スコア:0)
中に使われているNANDフラッシュメモリチップは、最近の物になるほど集積化が進んで
急速に信頼性が悪化している [impress.co.jp]という話がありますが。
SSDは使用することよりも(製造されてからの)年数の方が信頼性に影響を及ぼす (スコア:0)
ってことは、使用時間が少なくても、古すぎたらヤバイ、という認識でよいのですよね
データセンターは電源を入れっぱなしだから、そのあたりのデータは無いも同然なのか?
Re: (スコア:0)
なんか生ものっぽいな。
これからSSDは「ちょっとそこのお兄さん!今日工場から出てきたばかりの、生きのいいSSDだよ!!」
と八百屋の店先のノリで売られるようになるのか?
古い在庫SSDの製造年月日のラベルを貼り替えて、最近作られた物のように偽装するなんてのも起きそうだ。
Re: (スコア:0)
乾電池やインクカートリッジのように、使用開始推奨期限が表示されるようになったりするのかな。
店舗の隅で埃をかぶっていたり直射日光が当たるところに陳列されているプラスチック製品やゴム製品を避けるような感じになるのかな。
Re: (スコア:0)
SDみたいなリムーバブルな奴がこれ以上大容量化するときには、賞味期限が設定されるかも。
で、秋葉原でジャンクとして「賞味期限は切れているけど、消費期限はまだ」ってのが叩き売りされる、と。
Re: (スコア:0)
未使用の年増より、使い古しでも若い子のほうが良いってことか
Re:SSDは使用することよりも(製造されてからの)年数の方が信頼性に影響を及ぼす (スコア:1)
しかし、書換回数制限に達する前に経年劣化が影響するとは……自宅PCの起動ドライブは大丈夫かなぁ。
#書籍小売りのシステム担当、未登録商品だけは勘弁な。
Re: (スコア:0)
ここでの経年劣化って、リード時の劣化なのか、通電での劣化なのか、それとも通電しなくての劣化なのか
Re: (スコア:0)
Googleの利用状況からあえて憶測すると、(データセンター利用は自明かつ書き込み回数がそれほど多くないレポートなのを考慮すると)リード主体かつ、常時通電における劣化でしょう。
特定のパターンにおける劣化でしょうから、これをもってSSDの信頼性の総てを語れるわけではないと思いますね。
あと、SSDはFWやチップセットの出来不出来もかなり影響を及ぼすので、その偏りが気になります。
Re:SSDは使用することよりも(製造されてからの)年数の方が信頼性に影響を及ぼす (スコア:2)
能書きでは大抵SSDはE-17、HDDだとE-15で、何か変だと思ったのだけど、書込が少ないからSSDが妙に不利なのかもしらない。
Re:SSDは使用することよりも(製造されてからの)年数の方が信頼性に影響を及ぼす (スコア:1)
HDDと比較しての話ということを忘れてないか?
決して信頼性が低いとは言っていない。HDDよりデータが壊れやすい、と言ってるだけだよ?
直感と合わない違和感 (スコア:0)
MLCよりもSLCの方が信頼性が高いのは当たり前。
TLCなんて論外。
って、自分の周りで事情通を気取った人達は、みんな言ってた。
あれってただの知ったかぶりだったのかな?
Re:直感と合わない違和感 (スコア:1)
SLC>MLCという比較は揺るがない。
でも技術が進んで有意な差が無くなったという話。
むしろ経年劣化耐性という点で、
HDD>SSDという結果のが気になる。
有意な差があるなら、既にSSD化したおいらのパソコンの寿命はどうなる。
Re: (スコア:0)
システムドライブだけSSDにして
ストレージはHDDにしておくのが無難な使い方だというのが
かなり一般的な認識ではないでしょうか?
Re: (スコア:0)
HDDも経年劣化あることを考えたらあまり変わらんと思いますよ
バスタブ曲線になるって言われたけど、実際には初期不良超えたらずっと故障率は上昇傾向にあるっていうものですし
#個人的にはHDDのヘッドの繊細さはSSDのコントローラ以上だと思ってます。
Re:直感と合わない違和感 (スコア:1)
実際は、MLCは多値の情報を保持性能を保ったまま格納できるようにサイズを少し大きくしたりしているので、性能はほとんど変わらないのでしょう。
Re: (スコア:0)
北森には、
必要以上に信頼性確保のために冗長性を確保しすぎており、
もはや意味のない領域に達してしまっているということでしょう
とあります
要は、設計する側の配慮(冗長性)が万全なら、多少の違いはどうってことないのでしょう
ということは、冗長性の少ないメーカーはダメ、ということになりますね
それがわかれば選択基準になりますが、仕様に明記されているのでしょうか
Re:直感と合わない違和感 (スコア:1)
必要以上に信頼性確保のために冗長性を確保しすぎており、
「必要以上」「確保しすぎ」ってあたりに、「冗長性」が感じられて、良い表現です。
Re: (スコア:0)
そんな素人の感想を持ってこられても…
Re: (スコア:0)
細かいことだけど
TLC(Triple)はMLC(Multi)に含まれるよ。
2レベルを限定したいならDLC(Double)ね。
もうSとかDとか言うのやめて1LC、2LC、3LC…で良いんじゃないかと思う
Re:直感と合わない違和感 (スコア:3)
日本語としては
「(信頼性の低いMLCの中でも特に、)TLCは論外」ということで決して誤りではないような。揚げ足取りですけど。
ところで「"double level cell"」でググった結果が849件、うちフラッシュメモリの話題で使われているのは数えるほどのようですが。
バイク乗りが4気筒エンジンのことだけ「マルチ」って呼ぶのと似た感じで、MLC≒2bit記録方式 の意味で使われるのはもう避けられなさそう。
Re:直感と合わない違和感 (スコア:1)
弟が直列6気筒のを使っているけど, そういうのは別格になっちゃうんだろうな.
# 全気筒をちゃんと点火するように整備するのが大変らしい
Re: (スコア:0)
なぜ最初にそれをやらない
Re: (スコア:0)
Single/Double/Tripleと1/2/3...は厳密には違う概念とかなんとか。
Re:直感と合わない違和感 (スコア:1)
更に英語にはFirst,Second,Thrid...もあって違う概念とかなんとか
#中国語でもそういうの聞いたことあるなぁ。麻雀の二盃口が正しくは両盃口(だからアルペーコーじゃなくてリャンペーコー)であるのは英語のtwoとdoubleの関係と同じ、みたいな
Re: (スコア:0)
それはそれで別に間違ってはいないんだけど
色々不安だ不安だって騒ぐのでFwやら何やらので制御を入れた結果としてSLC/MLCによる差が発生する前に
経年劣化でエラーが発生するって話ですよ
チップ自体の信頼性としては正しいがSSDとしての信頼性としてはって話じゃないですかね
まぁ、自作PCなら趣味や宗教なんでTLCは買わないとかのありですよね
// でもこれ、サーバ屋が倉庫に残ってるSSDならお安くって騙していけそうな
Re: (スコア:0)
昔はそうだったけど今は違うってだけでしょ。
Re:直感と合わない違和感 (スコア:1)
一般消費者向けは今でもそうだけど、業務用は違う、ってことかもよ。
Re: (スコア:0)
同じコントローラでMLCとSLCのSSDを純粋に比較してるわけじゃないからだろ。
最近のMLC(やTLC)に最適化されたコントローラのSSDなら信頼性に違いはないということ。
Re: (スコア:0)
事情通気取りは、真実には興味がなく、自分が物知りだと思い込みたいだけ。
Re: (スコア:0)
エラー訂正とウェアレベリングの問題。
1ビットの素子単体で見たら、MLCよりもSLCの方が信頼性は高い。
でも、SSDのシステムとしてみたら、素子単体の信頼性は単なる一要素に過ぎません。
NANDフラッシュは元々壊れることを前提にした素子であって、エラー訂正と合わせて信頼性を確保してます。
エラー訂正の設計によっては、トータルの信頼性はどうとでも変わります。
また、ウェアレベリングを考えると、書き込み寿命はSSDの総容量に比例して大きくなります。
SLCの素子自体の寿命がMLCの数倍大きくても、容量が数分の一であれば意味がありません。
エラー訂正 (スコア:0)
化けやすいことを前提に、SLCよりMLCのエラー訂正の方が強力だったりする。
ホストから見たらMLCの方が化けにくいという話は、確かにあり得ると思う。
Re:エラー訂正 (スコア:4, 参考になる)
そういうエラーコレクションの効きの影響を避けるため、この調査ではRaw Bit Error Rateを使って信頼性を評価している。
Raw Bit Error Rate(RBER)はエラー訂正がかかる前、SSDからデータを読み出し時に起きるエラーの発生率。
それにエラー訂正をかけて、それでもリカバーできなかったエラーの発生率がUncorrectable Bit Error Rate(UBER)。
訂正不能エラーによるデータロス率が高い? (スコア:0)
という事は、write 時にはエラーが検知できなくて
read 時にやっとエラーが判明したってこと?
verify してないわけないと思うけど、bit 抜けしやすいって事かな?
# 本題とは関係ないけど「UBER が多い」って馬から落馬みたいでなんか変
Re:訂正不能エラーによるデータロス率が高い? (スコア:1)
「UBER が多い」って馬から落馬みたいでなんか変
「Rate」つまり率が「多い」ってのは確かに違和感があって、「高い」などを使うべきとは思います。
が、「馬から落馬」の類の重言みたいだ、と言われると、それはそれで違和感があります。
常識だと思ってた (スコア:0)
信頼性が必要な場面ではSSDなんて論外
どうしても安く済ませたいときに仕方なく使う感じカナ〜
Re: (スコア:0)
え?速度じゃなくて値段の話?
Re: (スコア:0)
FusionIO高いっすからね
Re: (スコア:0)
FusionIOって主に速度のために選ぶもんじゃね?
FusionIOがHDDより長期保存信頼性高いってエビデンスあります?
突然の電源断に弱い (スコア:0)
印象。
だったらUPS使えばいいという意見もあるかもしれませんが
ハングアップ後のリセットが出来ない状況とかありますよね…
だいたいそれで壊れる印象。
よくわからないんですが。 (スコア:0)
平均書き換え回数が1000回行っていないと言及されている評価データでSLC(書き換え可能回数 100000回)とMLC(1000回?)の品質に差分が見えないのは当たり前じゃね?
googleのリソースマネジメントが上手いのか、設備が過剰(SDD1台当たりのアクセスが少ない)なのか、まともなウェアレベリングが入っているとそこまで使えないものなのかはよくわかりませんが。