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電力

エタノール燃料電池の効率を10倍以上にする新触媒を開発 64

ストーリー by hylom
燃料電池普及へつながるか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)が、エタノール燃料から常温常圧で効率よく電力を取り出せる触媒を開発した(ASCII.jp発表資料)。

開発された触媒は、タンタルとプラチナを組み合わせた「TaPt3ナノ粒子」。エタノールを使った従来のポリマー電解質膜燃料電池ではエタノールが持つ炭素-炭素結合を効率良く切断できなかったため、エタノール分子の化学エネルギーを利用し尽くすことができなかったという。今回開発された触媒を用いることで、常温・常圧の水中において効率よくエタノール分子の炭素-炭素結合を切断でき、さらに発生する一酸化炭素を二酸化炭素まで完全に酸化させることもできるという。

その結果、エタノール燃料電池の電流密度は10倍以上にも向上し、また有害排気の発生なくエタノール燃料からエネルギーを取り出すこともできるという。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • すげえ…けど (スコア:3, 参考になる)

    by yatobi (7117) on 2015年05月29日 7時30分 (#2822014) 日記

    タンタル需要が増すことだけが悩ましい。 [wired.jp]

    --
    # 爆言のち漏電中… :D
    • by Anonymous Coward on 2015年05月29日 7時50分 (#2822020)

      どっちもレアメタルですねぇ・・・

      親コメント
      • by acountname (43053) on 2015年05月29日 15時24分 (#2822198) 日記

        たしか、ある元素に対して周期表の隣同士の元素をうまいこと合金化することで挟まれた元素のマネをさせる方法があったはず。博士のお名前とか、すっかり度忘れしてる。

        Ptの隣ってIrとAuだよ……Ptより多いかもだけど.

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          わりと眉唾系の話な上、今回のコレはナノ粒子で微細構造も効果に寄与してる感じですからまず無理でしょう。
          運良く隣接元素で類似効果を再現出来ても単なる新種の触媒として扱うべき話になる気がしますね。

        • by Anonymous Coward

          これ [jst.go.jp]

      • by Anonymous Coward

        kg単位で売買されるタンタルとg単位で売買され白金の組み合わせですから、
        タンタルの方は白金の相場変動に埋もれるくらいの影響しか無いかと。
        タンタルの需要に影響が出るほど使ったら、この世から白金無くなっちゃいます。

    • by Anonymous Coward

      タンタルといえば、タンタルコンデンサを思い出すんだけど、
      発火しないか心配だ......

      • by Anonymous Coward

        いや、タンタルコンデンサのタンタル自体が発火する訳でなく、
        タンタルコンデンサが故障時にショート方向で故障することで
        安全回路が無い基板等で発熱/発火事故が起きた。
        今回の場合特に問題とはならないのでは?

        ネタにマジレスなら申し訳ない。

        • by Anonymous Coward

          コンデンサの話とは別だが、発表資料を見るとそもそもタンタルの微粒子は反応性が高くて扱いに困るが、合金化すると安定化されるらしい

        • by Anonymous Coward

          タンタル自体は発火しないが、タンタルコンデンサ自体はフツーに発火するよ。

          • by Anonymous Coward on 2015年05月29日 15時44分 (#2822206)

            それフツーじゃないやい
            逆電圧かけたか耐圧オーバーしたか、設計ミスったか組立てミスった結果やん

            そもそも今のタンタルコンデンサーは昔と違ってヒューズ入りだったりポリマー使ったりしてそう簡単に爆発しなくなってますよ

            #わざと逆電圧で大電流流さん限り爆発や発火はしなくなってるようです

            親コメント
  • by Anonymous Coward on 2015年05月29日 11時18分 (#2822099)

    通常動力型AIP潜水艦用電力源として、この新触媒燃料電池でエタノールと酸素を反応させる。(大量の水素の長期保管は今でも大変だ)
    潜水艦において液体酸素は長期断熱保管が大変だろうから、代わりに「インゴリン=T液」(80%濃度の過酸化水素)から既存触媒で発生させた酸素を使う。
    XVIIB型やXXVI型Uボートの様なタービンは使わないものの、「ヴァルター燃料電池潜水艦」とでも呼ぶ代物になる。
    まあ今なら素直に液体酸素を使うかもしれないが。

  • "New Catalyst Paves the Path for Ethanol-Powered Fuel Cells January 25, 2009" [bnl.gov]

    But at Brookhaven, scientists have found a winner. Made of platinum and rhodium atoms
    on carbon-supported tin dioxide nanoparticles, the research team’s electrocatalyst is capable of
    breaking carbon bonds at room temperature and efficiently oxidizing ethanol into carbon dioxide
    as the main reaction product.
    Other catalysts, by comparison, produce acetalhyde and acetic acid
      as the main products, which make them unsuitable for power generation.

    今回の発見は、他の研究成果に比して、何か新しい利点があるのだろうか。
     
    しかし、触媒ってのはどうしてこうも高価な金属ばかり必要なんでしょうな。
    上の話で使われているロジウムは、最近比較的安価な代替手段が見つかったた [jst.go.jp]ようですけど。

  • by Anonymous Coward on 2015年05月29日 9時17分 (#2822038)

    なの?

    • by Lurch (10536) on 2015年05月29日 9時32分 (#2822049)
      水素燃料電池は炭酸ガスが出ないと言い張れるけど

      これは、水素ステーションも高圧水素タンクもいらないし、
      植物由来のエタノール使えれば、炭素循環とか言い張れるし
      涙出るかもですね
      --

      ------------
      惑星ケイロンまであと何マイル?
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        水素ステーションはいらないけどエタノールステーションはいるから多少安くつく程度ですな。
        //一方ロシア人は酒屋で給油した

        • by Lurch (10536) on 2015年05月29日 11時16分 (#2822098)
          常温で液体なんでガソリンスタンドの設備でいけませんかね?

          パッキンの材質とか変えないとダメですか?
          --

          ------------
          惑星ケイロンまであと何マイル?
          親コメント
        • by Anonymous Coward on 2015年05月29日 11時18分 (#2822100)

          //一方ロシア人は酒屋で給油した
          逆に、ロシア人は燃料を自分で飲んじゃいそうな予感。

          親コメント
        • by Anonymous Coward

          エタノールステーションなら、既存のガスステーション(ガソリンスタンド)の設備を
          ちょっとした改良で流用できないですかね。
          少なくとも、常温常圧で取り扱えるのは水素に対する優位点だと思います。

          > //一方ロシア人は酒屋で給油した

          リリース文を見ると、この触媒は「常温・常圧の水中において」とあるので、100%
          エタノールじゃなくてエタノールと水の混合物も使えそうなので、ある程度以上の
          度数のお酒ならいけそうに思います。

          あとは不純物(風味成分)をどれくらい含んでいても大丈夫かですね。
          (不純物由来の生成物とか、触媒の劣化とか)
          ビールやワインはだめでも、無味無臭のウォッカならいけるんじゃないでしょうか。

          • by Anonymous Coward

            エタノールはゴムパイプを腐食するからそれなりの素材を使わなければならないと聞いた。

            • Re:トヨタ涙目? (スコア:4, 参考になる)

              by cassandro (6035) on 2015年05月29日 12時34分 (#2822127)

              > エタノールはゴムパイプを腐食するからそれなりの素材を使わなければならないと聞いた。
               
              エタノールでもメタノールでも、ゴムに対する影響は腐食ではなくて膨潤ですね。ゴムがアルコールを吸い込んで膨れる事。これが理由でパッキンから漏れが発生するケースがあります。更に問題なのは、エンジン部品に多用されているダイカスト用のアルミ合金や亜鉛合金の腐食です。

              親コメント
            • by Anonymous Coward

              ガイアックス(GAIAX) [wikipedia.org]騒動時にそんな話がありましたね。
              尤も今日いくつかの国では、エタノール混合燃料が普通 [eco-biofuel.go.jp]らしいですけど。

              • by Anonymous Coward on 2015年05月29日 14時17分 (#2822162)

                エタノールとメタノールでは話が違います。
                確実な話としてはE85ならECUと燃料のアルコール濃度センサー付けてコーションラベルにE85OKとかくだけで他は何も変更しなくて大丈夫です。
                #普通のガソリンより大幅に燃費悪くなるから、燃料タンク大きくしなきゃダメじゃないのという冗談はありましたが。
                なので、米国政府の調達車両の要件に「エコカーであること」という条件がついた際に、E85燃料車もエコカー認定受けられるように圧力がかかって、E85が追加され、それなりの数のE85車が生産されました。

                ガソリンを15%残すのは低温始動性の問題です。
                エタノール100%が腐食がダメなら85%でOKが出るとは思えません。

                一方でメタノールは非常に危険です。
                ガイアックスは石油製品生成の副生成物として余っていたメタノールを混ぜた燃料で、
                ここからは不確実な話ですが、製造元の韓国では危険だから販売中止となった為日本に持ってきたというが経緯のようです。

                親コメント
              • by Anonymous Coward

                環境省委託|バイオ燃料利用体制確立促進事業 [eco-biofuel.go.jp]って、
                そもそも国がアルコール混合燃料の流通を止めさせておいて [wikipedia.org]、いまさらなんやねん!
                大体、いつの間に日本ではE10なんか使えるようになったんや! [eco-biofuel.go.jp]
                と思たら、使えるのは沖縄だけやったw [eco-biofuel.go.jp]

                やっぱ、

              • by Anonymous Coward

                E10は前世紀から(多分にオイルショック後には)完成車メーカーにはいつE10に切り替えても問題のない様な車を作りなさい、という指示は出てます。
                当然給油設備メーカーと石油元売りにも行き渡っています。
                実現しないのはそんなに大量のエタノールを調達出来る目処がいつまで経っても立たないからです。
                沖縄はサトウキビ関連でエタノールを買い付けなきゃいけないから販売できているだけでしょう。

                大体食料生産に使える土地でエタノールの原料を作ることは全然エコではありませんが、今は他に実用化しているエタノール生産の手段がありません。
                残念ながらあなたの指摘は的外れもいいところです。

              • by Anonymous Coward

                >実現しないのはそんなに大量のエタノールを調達出来る目処がいつまで経っても立たないからです。

                それじゃ世界各国で普通にE10が売られている [wikipedia.org]のは、ありゃあ何か日本人には使えない魔法でも使ってるんですかね?

              • by Anonymous Coward

                ガソリンと比べてどうこう言うほど危険なんですかね。

              • by Anonymous Coward on 2015年05月29日 17時21分 (#2822247)

                > E10は前世紀から(多分にオイルショック後には)完成車メーカーにはいつE10に切り替えても問題のない様な車を作りなさい、という指示は出てます。

                じゃあ、そういう指示を出しておきながら、政府が2003年に「揮発油等の品質の確保等に関する法律 [wikipedia.org]」を改正し、

                ってのはやっぱり政府の嫌がらせじゃなかったんですかね。
                 
                エタノール 自動車燃料 [wikipedia.org]

                日本においては、実験を進めていた経済産業省が、コストの観点から日本国内での生産よりも輸入によることによる
                普及促進を狙い、2006年2月にブラジルの国営石油会社ペトロブラスと日本の日本アルコール販売の50%出資で、
                「日伯エタノール」を設立した。
                 
                2007年2月時点で経済産業省の政策に対し石油会社の協力が得られておらず、ガソリンとの混合およびその販売には
                まだ明確な道筋が立っていない。
                 
                日本の法制度上では、過去にメタノールが主成分のガイアックスを高濃度アルコール燃料と名指しした上で
                事実上の販売禁止令を発布した経緯があり、その際に自動車部品への安全性を確保する基準とされた
                「アルコール添加量3%以下(E3相当)」という文面が現在でも法的根拠として残り続けている
                ことや、
                「高濃度アルコール燃料」に対する過度のバッシングによる悪印象が未だ尾を引いている事から、
                E3以上の濃度のアルコール燃料の普及の目処は全く立っていないことが現状である。

                これを読んでも、石油会社と政府が止めているとしか読めないんですが。

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              • by Anonymous Coward

                食料自給率とカネに余裕があればエコというポーズのためにやるってのはありそう。
                食料も(燃料もだが)かなり輸入してる日本ではエタノールのために食料大量生産・消費はちょっと…
                食料自給率を圧迫せずにエタノール生産するような植物(藻とか)があればいいけど、そっちは研究途上だったような?
                # 燃料自給率が上がると困るって勢力の横槍もありそうだけどそれはそれ

              • by cassandro (6035) on 2015年05月29日 18時19分 (#2822261)

                > ガソリンと比べてどうこう言うほど危険なんですかね。
                 
                メタノール自体は「非常に危険」と言うほどは危険ではないですね。飲んだり、蒸気を大量に吸い込んだりしない、程度ですね。
                 
                メタノールはCARTだったかな、モータースポーツの燃料として使われていますが、一般車の燃料としては色々問題があると思います。排気ガス中にメタノールの不完全燃焼して出来るフォルムアルデヒド(強い毒性、低濃度でも健康被害) [wikipedia.org]や蟻酸(金属の腐食、皮膚のただれを引き起こす) [wikipedia.org]の様な厄介なものが出て来ます。
                 
                # マフラーやボディがすぐにがボロボロとか排ガス公害の再来とかはちょっとですね。

                親コメント
              • by Anonymous Coward

                モータスポーツじゃ触媒を使わないのかもしれないけど、そういう不完全燃焼による炭化水素排出物は、公道を走る車なら
                三元触媒で取り除けるんじゃないの?

              • by Anonymous Coward

                > モータスポーツじゃ触媒を使わないのかもしれないけど、そういう不完全燃焼による
                > 炭化水素排出物は、公道を走る車なら三元触媒で取り除けるんじゃないの?
                 
                アルコールやその酸化物のアルデヒドや有機酸は、炭化水素 [wikipedia.org]ではありませんね。それはそれとして。三元触媒 [wikipedia.org]でアルデヒドや有機酸を酸化して水と二酸化炭素にして浄化、原理的にまあ無理でしょう。

            • by Anonymous Coward

              その辺はガソリンも同じなのでエタノールの方が良いという事になれば素材を変更するだけ。

        • by Anonymous Coward

          自動車用にアルコール使うってのは別段今時珍しくないから、特に苦労しないだろ。
          E3とかE10とか聞いたことないか?
          その辺り、バイオエタノールの話が出た時に既に考えられたモノ。

    • by Anonymous Coward on 2015年05月29日 10時24分 (#2822073)

      まあ、水素燃料電池の触媒はプラチナの代替が進んでいるので、この触媒がどのくらい必要かで、涙の量は変わるのではないかと思います。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      水素燃料電池の車は、バッテリを燃料電池に置き換えるのが目的です。
      バッテリでは技術革新で航続距離を伸ばすことがで来ても、現状の給油時間(~数分)に対して充電時間(~数十分)を短くできないことが問題で、それを解決するのが水素燃料。
      電力から水素に変換して、エネルギーとして貯蔵できることが肝です。

      それに対してエタノール燃料電池は、燃料のエタノールをバイオマスで製造することはできても、電力の貯蔵目的では使えない。
      エタノール燃料電池はどちらかというと、ガソリンからの燃料の置き換えが目標となるので、水素燃料電池とはあまり競合しない技術でしょう。

      • by Anonymous Coward

        目的が違うといってもそれは学術的な分類の話。
         
        自動車の利用者視点では「使い勝手が良く、便利に乗れればいい」のであって、利用者が便利だと思って普及するかどうかは、
        最終的には、車両価格、燃料コストと、航続距離にかかってくる。その3点で負ければダメなんじゃないの。

        • by Anonymous Coward

          燃料の生産が農業か電力かの違いは燃料コスト面で大きく違うかと思います。
          日本で農業に依存したバイオ燃料は(自給率維持の名目上)あまり生産できないので、
          石油より安くなっても電力ほど安定供給できるかというと微妙ではないでしょうか。

          今後の電力事情が悪かったり電力主体のC1化学で液体燃料生産する効率が向上すればアルコールのほうが優勢。
          電力はソースが何かはともかくどうせ確保する必要があるし、
          C1化学でそう極端なブレイクスルーが起きるかというと…ね。

          どちらにしてもそこまで高効率やエコなわけじゃない

          • by Anonymous Coward

            エタノールの場合は、化学工業的な生産方法の改良よりも、バイオマス燃料の生産効率を上げる方向での研究開発が主流です。
             
            世界中で常に大量の穀物や野菜が作り出されているのです。その非可食部分をエタノールに効率よく変換できれば
            (いわゆる第二世代バイオエタノール)大きな供給源となるはずで、そういう目的に向けて酵素や微生物の探求や
            改良が研究されており、 事業化も始まっています。 [dsm.com]

    • by Anonymous Coward

      別に、コッチが良くなりそうなら置き換えるだけだろ。
      FCとタンクが変わるだけで他は大差無く使えるのだし。

      • by Anonymous Coward

        水素ステーションを含む供給インフラ整備への投資がまるっきり無駄になりますがな。

    • by Anonymous Coward
      いや、無限にとれる安価な油田が発見されたとか言われない限りは
      トヨタにとってみればこの辺りの技術、発展してくれりゃどれでもいいんじゃね?
      バッテリーも組めて。

      後は人工光合成が上手く行くといいなと。
      • by Anonymous Coward
        燃料電池の発電効率って40%くらいだから、これで10倍になると400%。
        これは無限にとれる安価な油田が発見されたと考えてもよいのでは。
        • by Anonymous Coward

          今回の話題、理解してないでしょ。

    • by Anonymous Coward

      水素革命とかぶってた安倍ちゃんが涙目じゃなければいいけど
      まあ任期終われば税金の損失なんか知ったこっちゃないか。

      • by Anonymous Coward

        絶賛お手上げ状態の国立競技場にまで水素革命とか言い出さなくてもなー

  • by Anonymous Coward on 2015年05月29日 14時13分 (#2822160)

    ガソリンの代替燃料としてのエタノールを燃料電池で効率よく扱えるなら
    ガソリンを燃料電池で効率よく扱えるかも知れない。

typodupeerror

計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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