フィルム状のマグネシウムを使った新型マグネシウム電池が開発される 51
ストーリー by hylom
意外とアナログだった 部門より
意外とアナログだった 部門より
東京工業大学の矢部孝教授ら研究チームが、マグネシウムを使った電池の開発およびこれを使った電気自動車の走行試験に成功したという(日経新聞)。
開発されたのは、マグネシウムと塩水を使った電池。充電はできない一次電池だが、長期間の発電が可能という。仕組みとしては、フィルム上のマグネシウムをロール上に巻、それを少しずつ送り出して塩水と反応させる、というものだそうだ。
電池モジュール1個分のサイズは34×17×2cmで800gだという。これを40個乗せて560Wの電源として電気自動車の走行に利用したという。
以前の空気電池駆動電気自動車 (スコア:2, 参考になる)
この教授が以前に関わった、Mg空気電池で動く電気自動車。
http://www.hondafoundation.jp/library/pdfs/No.126.pdf [hondafoundation.jp]
記事の文章を読むと、「この人本当に大丈夫かなぁ?」と、ちょっと心配になる。
以下、PDFから転載。
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私が今一緒にやろうとしている、サデク・ファリスさんというアメリカの発明家
は、今から5年前にホンダのインサイトという車を改造して、マレーシアで 2003 年に亜鉛の
電極を差し込んで、車の 600km 走行に成功しています。この人たちが開発したのが亜鉛燃料
電池です。亜鉛燃料電池というのは、もうすでにリチウムイオン電池の 2.5 倍の性能を持って
います。先ほど私が言いましたように、亜鉛というのは資源量が 4 億 t しかありませんので、
こんなものをエネルギーに使うのはおかしいと言ったのはこういう事なのです。では何を使う
かと言うとマグネシウムです。マグネシウム燃料電池だと、大体リチウムイオンの 7.5 倍の出
力が出て来ます。
サデク・ファリスさんは面白い事をやっていて、これが燃料電池と呼ばれる理由
ですが、先ほどの亜鉛の電極を電池と切り離し、電極を何回も入れ替えたのです。1 回使って
酸化したものは抜き取って、また入れ替えるというようにして、リサイクルをどんどんして行
きます。100 回ぐらいやっても、ほとんど出力は落ちないという結果が出ています。ですから
これを燃料電池と呼んだのです。実態は何かというと空気電池です。空気電池というのは昔の
非常に古い電池で、空気と金属との酸化作用を利用した電池ですが、電極と本体を切り離した
事で燃料電池という事になったのです。
これは非常に重要な事です。皆さん、ご存知かどうか知りませんが、電池の性能というのは
本体もすべて入れた重さに対して、出力がどれくらい出るかで判断されます。1 回しか使わな
い電池だと、金属電池というのは非常に性能が悪い。本体が重いので当たり前です。ところが
電極を何回も入れ替えると、全体の重さは電極を 100 回使えば 100 倍の電極の重さになり、
本体の重さは全然関係なくなりますので、金属本来のエネルギーの換算になって来ます。そう
すると性能は格段にアップして行きます。
こういう頭の切り替えが出来ないと世界を制覇出来ません。実は私はこの話を 2 年前に日本
の多くの電池メーカーにお話ししましたところ、すべての電池メーカーがこんなものは性能が
悪くてだめと言われたのを覚えています。このように頭の切り替えが出来ないと取り残される
事になります。
Re: (スコア:0)
どこがどう心配なの?具体的に書いてみてもらえませんか?
Re: (スコア:0)
全体の重さは電極を 100 回使えば 100 倍の電極の重さになり、
本体の重さは全然関係なくなりますので
何言ってんのコレ?
冒頭の、亜鉛は少ないからマグネシウムだよといいつつ、
じゃあマグネシウムが埋蔵量多いと説明するかと
思ったら、今度はリチウムとの出力比(何を基準に?)
に話が飛ぶ。
なんかやばい予感は自分もしました。
逆に、あの文章読んで何にも思わないの?
Re:以前の空気電池駆動電気自動車 (スコア:1)
> 全体の重さは電極を 100 回使えば 100 倍の電極の重さになり、
エネルギー源としての電池は、発電に貢献する電極が電池全体に占める割合が低くい。
しかし、中身の交換を前提に考えると、ケースは使い回しなのに電極物質は交換した回数倍の重量が使えるから
発電に使った100回分の電池に占める電極物質の割合を高めることが出来る。
(というようなことを違う先生がNHKのサイエンスゼロで簡単な表現で言っていたような気がした)
まあ、分かりやすい文章を書くのが苦手な先生なんじゃない?
Re: (スコア:0)
読者に解かりやすく説明することに関心のないタイプの人に思いますね。
自分の頭の中にあるロジックのつながりをそのまま表現して他人にもわかるだろうとする人だと思います。
こういう人は結構いると思います。また講演の口述をそのまま文章にするとこういう文章が出来がちです。
この程度を(これを基準に)「やばい」とか言えるのは、人付き合いがだいぶ違うのだなあと思いました。
Re: (スコア:0)
「理系」とか「研究者」のステレオタイプがそのまま当てはまった人ですねw
Re: (スコア:0)
わかりやすくはないが必要な事は書かれていると思うんだよね。直前には以下のように書かれていて、
電極と本体を切り離した事で燃料電池という事になったのです。
1 回しか使わない電池だと、金属電池というのは非常に性能が悪い。本体が重いので当たり前です。
本体というのが電池の電極以外の部分で、そこが電極に比べて重い事がわかる。
1回100回というのも更にその前での交換の事だとわかるし、その前には空気電池にも触れられ
Re: (スコア:0)
電池の性能は重さと出力の比
電極と本体を分けて燃料電池にした
金属電池だけど、本体の重さは燃料電池と同じように電極の重さだけで考えていい?
↑これが抜けてる?
100回使えば100倍の電極の重さになる
Re: (スコア:0)
この転載された文章読んで何も感じない人がいたら、
「この人本当に大丈夫かなぁ?」と、ちょっと心配になる。
Re:以前の空気電池駆動電気自動車 (スコア:2)
「これだけじゃわからん」と感じるでしょうね。
燃料電池? (スコア:1)
マグネシウムのロールを燃料とする燃料電池?なのかしら。
ロール交換が簡単なら、普及するんじゃない?
問題はロールの価格だけど。
# ガソリンの2倍くらいに収まればなんとかなるんじゃないかと
notice : I ignore an anonymous contribution.
出力の割に重いなあ (スコア:0)
モジュール40個で560Wだから、1個14W。
普通の電気自動車が20kWhくらいの電池を積んでると考えると、1000個~2000個くらい積む必要がある訳だけど、
そうなると、1個800g×1000で800~1600㎏という重さになってしまいます。
ユニット1つ辺りの重さを最低限4分の1程度にできないと、
いくらリサイクルが容易でも、リチウムイオン電池の前に競争力を発揮するのは難しいと思います。
Re:出力の割に重いなあ (スコア:1)
本文位読んでからコメつけたら良いと思うよ。
リチウムイオン電池の7倍の容量なんで、単純に言えば同じ距離なら
7分の1の重量で済むし、同じ重量積めば7倍走る計算になる。
(単純にはそうはならないだろうけど。)
なので、リサイクルが簡単ならば重量的に不可能だった
交換式電池スタンドも可能性が見えてくる。
Re:出力の割に重いなあ (スコア:1)
WとWhは混ぜるな危険。
ちなみにハイブリッドでない純粋な電気自動車である日産リーフと比較すると、リーフの方はモーター出力80kW、電池容量24kWh、バッテリ重量300kg。
今回のバッテリで同じ出力を得るには80kW÷14W = 5700個、1個0.8kgなのでバッテリ重量は約4.5t。乗用車サイズには到底積めない重さですな。
容量/重量比以前に、まずは出力を上げることを考えないと自動車には辛そう。
Re: (スコア:0)
まずは反応面積を増やす。そのための大型化といっても800グラムの全部じゃなくて1部、実際に発電している電極部分だけだし、電解質との接触方法も改良の余地くらいあるだろう。あと、フィルムへの蒸着方法とかで表面積増やせたり出来る可能性とか。
10倍20倍なら夢ではなさそう。
あと、回生エネルギとか考えれば別にキャパシタは必要だろう。回生エネルギを十分吸収できる容量であれば加速分もかなりカバーできるだろう。
それならば電力需要はかなり平滑化されるのではないだろうか。
まあ、逆に言えば、高性能なスーパーキャパシタの開発も必要ってことですが。
Re: (スコア:0)
WとWhって比較できるものなのですか。
Re: (スコア:0)
彼にはエッチが足りないのです。
Re: (スコア:0)
おもおか+1
中学生くらいなら、ほほえましい+1 でもいい
Re: (スコア:0)
現在のリチウムイオン式電気自動車の欠点は充電時間だから。
これを電池交換でぱっと終われるメリットがないと思います?
Re: (スコア:0)
リチウムイオンでも充電したやつとぱっと変えればいいんじゃないのかとか思ったり。
再作成した電池より再充電の方がむらが出やすいとかはあるか
Re: (スコア:0)
マグネシウム電池は塩水でいいのが大きなメリットでは?
「マグネシウム文明」の先生 (スコア:0)
東工大の矢部教授って、元々、太陽光でマグネシウムを還元する研究をされてて、
「マグネシウム文明」とか提唱されている人でしたっけ??
たしか、以前はマグネシウムエンジンとか、内燃機関を提唱されていた気がするのですが、
一時電池に鞍替えされたんでしょうか??
http://www.mech.titech.ac.jp/~ryuutai/ [titech.ac.jp]
http://archive.wiredvision.co.jp/blog/yamaji/200907/200907151101.html [wiredvision.co.jp]
Re:「マグネシウム文明」の先生 (スコア:1)
三時には戻るそうです
この先生 (スコア:0)
CIP法の開発者ですよね。
記事中の写真は車だろうか?電気自動車だろうか? (スコア:0)
「携帯電話なら1カ月もち、電気自動車は500キロ走行できる見通しだ。」
「充電はできないが、携帯電話なら1カ月もち、電気自動車は500キロ走行できる見通しだ。」
「この電池を動力とする試験車で性能を確認した。電池は縦34センチ、横17センチ、厚さ2センチで重さは800グラム。40個載せて560ワットの電源にすると、重さ約200キロの車がスムーズに走った。」
「スムーズに走った」ってのは「テストの用意ができました♪」ってことだろうか?
200kgの台車をスムーズに走らせるだけなら、100Wもあれば十分だ。
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再充電できなくてイイならマグネシウムより不安定な化学物質はリチウム以外にも
(石油、石炭、アルコール、水素、ナトリウム、etc)いくらでもある。
Re: (スコア:0)
現行マグネシウム電池と比べて安全なんだろうけど、体積当たりの密度と出力はどうなんだろ
Re: (スコア:0)
素人なんですけど、フィルム型のは普通のマグネシウム電池より安全で交換も容易なんでしょうけど、体積当たりの密度や出力はどうなんでしょう。
少々劣ってもリチウムイオン電池よりはよっぴどいいか。
安全性が一番だし。
マグネシウムって (スコア:0)
爆発しないですか?昔のカメラでフラッシュに使っていましたよね?リチウムだって時々燃えだしてるのに。
Re: (スコア:0)
粉末じゃなければまあ大丈夫。フィルムっちゅうことで比表面積は大きくなってるけど、まだ平気じゃないかなあ。一度火が付くと結構激しく燃えるけどね。
自動車用のマグネシウムホイールがあったり、車いすの部品やら老人用の杖やらでマグネシウム製のものがあったり、昔のiPodの裏側がマグネシウム製だったりするところからわかる通り、リチウムよりはかなりマシ。
#もちろん、リチウムイオン電池は金属リチウム使ってるわけじゃないけど、エネルギー的にはかなり近いものを使っている。
Re: (スコア:0)
とはいえ流通保管するとなるとやはり火災時の事も考えねばならず、wikipedia見ると水はもとより二酸化炭素や窒素とも反応するとかあって、どうやって消化すんの?とか思う。
Re: (スコア:0)
去年、マグネシウムを扱っている工場で火事があって、えらいことになってましたね~
http://matome.naver.jp/odai/2133769677830135701 [naver.jp]
Re: (スコア:0)
最近、合金化で「燃えないけど、電気化学的活性は保たれる」ってのが出来てたよ。
Re: (スコア:0)
iPodの裏はマグネシウムだったのか!道理で光沢が違うと思った!ノートがチタン製だったり、やっぱりAppleはひと味違うぜ!
#マグネシウム100%では…ないよね?
Re:ははっ (スコア:3)
燃料電池も充電は出来ませんが…
Re: (スコア:0)
つまり普及する前から終わってるってこと?
Re: (スコア:0)
そんな前提にあなたが乗っかりたいなら。
Re: (スコア:0)
「燃料電池は、(充電じゃなくて、)燃料供給でエネルギーを生み出す」
廃棄物をリサイクルすれば、充電池的に使えます。
# 乾電池だって一緒だけどね。
Re: (スコア:0)
値段と電池の持ちによっては十分に勝負できる。
1万円の電池で充電いらずで100年ぐらい持てば問題にならないだろうw
Re: (スコア:0)
ははっオワコンって言いたいだけ?
塩水補充すれば再度発電出来れば良いのでは?(燃料電池?)
電池よりも海水流せば発電しつづける発電所になるかと思いました。
Re: (スコア:0)
http://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2007_06/jspf2007_06-578.pdf [jspf.or.jp]
日経の記事じゃ海水と反応と書いてあるけど、このレビュー論文では、Mgの加水反応。
(どうして海水になったのかな?)
Mg+H2O -> MgO+H2+86kcal
このエネルギーに加え、副産物のH2は燃料電池に使えるという、一粒で2度おいしいワザ。
ただし、MgOは還元再利用することになっており、そのエネルギー源としては太陽光や風力を想定しているらしい。
つうことで、海水を補充するだけでは発電継続不可能。残念!
Re: (スコア:0)
>副産物のH2は燃料電池に使えるという、一粒で2度おいしいワザ。
それができるなら最初から、
H2 + O2 = H2O(液) + 286kJ
だけでいいじゃないか。なんでマグネシウムなんて重いもん持ち運ぶんだよ。
Re:ははっ (スコア:1)
水素は、貯蔵運搬が難しいから。
また密度が低いので、タンクがでっかくなり、人や荷物を載せるスペースがぁ、って問題にもなる。
水素脆性破壊に耐えられる高圧タンク(けっこうでかい)と、マグネシウム燃料(比重1.7)使った場合を比べて、
車体が軽くなるようなら、採用して良いんじゃないの。
Re: (スコア:0)
単なる門外漢の空想ですが、
「太陽光で効率よくマグネシウムを還元して再利用」とかいう研究との絡みかな。
「太陽光発電と二次電池」のセットの代わりに「マグネシウム発電と(太陽光?)還元機」のセット。
あるいは太陽光でマグネシウムを還元して”給油”する、ガソリンスタンドならぬマグネシウムスタンドみたいな。
Re: (スコア:0)
H2 + O2 = H2O(液) + 286kJ
↓
O = 286kJ
これだけでいいじゃん。
Re: (スコア:0)
天日干し(笑)とかして還元したらなぁ。
残念。
Re: (スコア:0)
太陽電池もプルトニウム電池も充電できませんなぁ。
#ところで、送電インフラのない場所で充電池ってどう使うんでしょう?
Re: (スコア:0)
単純に考えて、 「500回繰り返し充電して使える電池」 と 「普通の電池の500倍長寿命の電池」 とで、使用可能時間において一体どれだけの差があるんだろうか。
仮に重量・劣化耐性・金額等の諸々の条件が無視できるなら、後者の方がよりスマートで利便性が高いですよね。
# ネタニマジレスカッコワルイ
Re:ははっ (スコア:1)
こっち「普通の電池の500倍長寿命の電池」は下手したら爆発しない?
#made in china.
サイエンスゼロで放送済み (スコア:0)
NHKオンデマンド [nhk-ondemand.jp]にもあるけど、以前サイエンスゼロでマグネシウム電池が紹介 [nhk.or.jp]されていた。
番組には東北大学の小濱教授が出ていたが、電池として使用したマグネシウムのリサイクルに太陽炉を提案していた。
なお、
Re: (スコア:0)
そして自動車用のバッテリーはカートリッジ式として、電池がなくなったらカートリッジごと交換することを想定。つまり「充電に時間がかかる」という充電式の電気自動車の欠点が無い。
この再利用サイクルが実現できれば、自動車の利用者にとっては充電式の電気自動車よりも便利でしょう。