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富士通が半導体部門を分社、再編へ 42
ストーリー by mhatta
切り離し 部門より
切り離し 部門より
週末すでに幾つかの媒体で報道されていたようだが、富士通からは今日付けで正式に LSI部門の分社と再編が発表されている。 同時に、あきる野テクノロジセンターで行なってきた90nm世代以降の 先端プロセス技術開発と、90nm世代ロジックLSIの量産試作を三重工場に移管することも発表されている。
分社化による意思決定速度の向上という面もあるだろうが、FujiSankei Business-iの報道でも書かれているように、大規模な投資が必要になる半導体事業を富士通本体で支えるよりも、 今のうちに身軽になって次の業界再編劇に加われるようにしておこうという含みがあるのだろう。 新会社は3月を目途に設立とのことだが、その前後で何か動きがあるかもしれない。
エルピーダとNECエレクトロニクス (スコア:5, 興味深い)
再編・売却も含んでの分社化という時点でちょっと異なりますが、
総合電機の半導体部門を切り出した会社としてみると、この2社が
非常に対照的といえると思います。ある意味、半導体再編第一幕の
成功例と失敗例ですね。
エルピーダは折半出資の弊害によって、存亡の危機にたったのを、
一人の経営者の招聘と全権委任によって、見事に復活したものです。
企業は経営者で変わる、というものの代表例です。
逆にNECエレクトロニクスは、DRAM亡き後の設備投資を主導する
大量生産品を生み出せず、さらに苦境に陥ります。親会社が、
7割超の株式を保有し続けているのも、資本家からも批判の声が
あがっており、中途半端な再編が会社を悪くする代表例になって
しまいました。
富士通の製品構成を考えると、NECエレクトロニクスに近い企業に
なると思われます。NECエレが苦境に陥っているのを見て、富士通の
経営陣はどういう再編のシナリオを描いているのでしょうか。
Re:エルピーダとNECエレクトロニクス (スコア:1, 興味深い)
メモリは切り離してもASICは本体に残して絶対頑張ると言ってたのにどうしたのかな?
結局はASICの設計開発能力を武器に自立した事業展開出来ずに半導体事業はすべて切り売りされてしまうのか?
ASICのシリコンは外部のファウンダリから買えばよいとしても,中身の設計で他社と差別化出来なければそれを
部品として組み込んだ製品の競争に負けてしまうだろ?(設計の差別化が出来てるならASIC事業を切り売りする
必要は無い)
結局はDRAMの時と同じのないないづくしで国内から半導体産業は消滅するのではないか?
残るのはウェハー屋さんや,ステッパ屋さん,レジスト屋さんだけだったりして..........
Re:エルピーダとNECエレクトロニクス (スコア:4, すばらしい洞察)
世界のトップ10半導体メーカーで、ASIC専業の企業はいません。
インテル、サムスン、東芝、すべて基幹製品はASICではありません。
要するに、ASICというのはそんなに儲からないのです。
ASICは特定の顧客専用のカスタム品ですから、どうしても生産数がメモリや
ASSPのような汎用品より少なくなります。生産数が多くなければ、設備投資の
償却も進みませんし、開発費の回収もできなくなります。
カスタム品ですから、開発の工数も1製品ごとに膨大な工数がかかります。
それを開発費を含めても払ってくれる顧客がいればいいですが、顧客もできれば
そんなコストは支払いたくないため、ASICメーカをコストで選定します。
こうして、いくら設計力があっても、ASICというのは儲からない商売に
成り下がってしまったのです。
NECも富士通も、もともとは自社の通信機器やコンピュータに使うために
半導体事業を始めましたが、結局自社内の需要では、その設備投資をまかなえる
だけの販売数を増やせなかった(例外が松下で、自社が民生家電の最大メーカ
なのが幸いして、内販比率が比較的高い)のです。
300mmウェハーなどは、生産規模の拡大のための設備投資であり、生産数が
伸びない少量ASICをこれでビジネスにしようとしている限り、設備投資の重荷に
つぶされてしまい、日本のシステムLSIメーカーの未来は暗いでしょう。
さすがにNECはそれに気がついたのか、最近は車載半導体にフォーカスを
移しつつあります。NEC本体の携帯電話事業が、ドコモオンリーで埋没していく中、
通信系半導体はもはやビジネスにならない、と判断したのかもしれません。
(携帯電話は有望な市場ですが、親会社が携帯電話事業をしているのが弊害に
なっている)
中の人なのでAC
Re:エルピーダとNECエレクトロニクス (スコア:1, おもしろおかしい)
>それを開発費を含めても払ってくれる顧客がいればいいですが、顧客もできれば
>そんなコストは支払いたくないため、ASICメーカをコストで選定します。
それって「受託開発中心のSIerが儲からない」と同じ理由じゃないか。orz
#「社員が働かないから赤字なんだ」と曰ったのはどこの誰だっただろうか。
Re:エルピーダとNECエレクトロニクス (スコア:1)
NTTデータとNRIの独立系元請け2社は儲かっているように見えますが。
受託はハイリスクハイリターンのビジネスモデルじゃないですが、
ちゃんとやればそこそこ行けるんじゃないですかね。
Re: (スコア:0)
ひょっとして、官公庁御用達のピンハネ事業だけは儲かるって話?
Re:エルピーダとNECエレクトロニクス (スコア:1)
ルネサスはマイコンなんかも作っていますが、そんなことを言い出せば、
「ASIC専業」の大企業自体あまりないわけで。
Re: (スコア:0)
単純に、赤字部門の切り捨て?
Re:エルピーダとNECエレクトロニクス (スコア:5, 参考になる)
長年Fの中では、足を引っ張るお荷物事業部だったし。
開発部隊だったあきる野から設備やエンジニアを三重に持っていったところから見て、将来的に三重工場に一本化して、設備的に最新テクノロジに対応できない若松工場と岩手工場を終息に追い込むのではないでしょうか。
ごく最近三重工場に巨額を投じて300mmウェハーライン作ったばかりですし、そう簡単に三重工場は潰さないでしょう。
そんなニュアンスを含んだ上様のお言葉がありました。
中の人なのでAC
Re:エルピーダとNECエレクトロニクス (スコア:2, 興味深い)
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200801210016a.nwc [business-i.jp]
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200801220011a.nwc [business-i.jp]
Re:エルピーダとNECエレクトロニクス (スコア:2, すばらしい洞察)
だとおもうのですが、
Fの体質からして、うまくM&Aで償却できればよし、
出来なければ、ずるずると本社管理の下でNECと同様の状態に
陥らないことを懸念します。
販売価格が妥当な額で想定されていれば良いのですが、
何のための分社化か、という状況にならないことを祈っております。
Re:エルピーダとNECエレクトロニクス (スコア:2, 興味深い)
ド田舎のあきる野にそぐわない近代的なビルで、遠くからもよく目立ちます。
プロセス関係の設備やエンジニアは三重に引越しだそうなので、残った部門ごと売却しよう
ってところなのでしょうか。
Re:エルピーダとNECエレクトロニクス (スコア:1)
「岩手工場復旧のお知らせ」http://pr.fujitsu.com/jp/news/2003/05/29.html [fujitsu.com]
Re:エルピーダとNECエレクトロニクス (スコア:2, 興味深い)
日立との合併によって、国内の人的物的リソースが国内市場で競争するのは昔はともかく現代には時代遅れだと。
ジャパンアズナンバーワンなんて言われていた時代ならともかく、今となってはコスト競争で体力が疲弊するばかり。
日本が国内でセコい競争をしている間に世界で大きな市場を作ったサムスンも結局リソース集中の差でしょう。
NECエレクトロニクスは、分社しただけで、集中させたリソースがない状態が原因と思います。
製品ラインがどうとかではなく、単独で競争に晒されているから利益が生みにくいだけじゃないかと、
製品ラインの近さから富士通が似たようになるというよりも資源が集中しないからじゃないかと、
分社化だけでも決定が早くなるとか風通しがよくなるとかは期待できるかもしれませんが・・・。
もちろん、独立独歩というのもベンチャー精神のように良い面もあるとは思いますけど、
中途半端にNECという看板がついてるとそういう良い緊張感も生まれそうにないですよね。
東洋経済9/29 [toyokeizai.co.jp]にあったように、ルネサスの統合から外れた三菱の半導体事業はパワー半導体で
生き残っているという例もあるようですから再編に取り残されたら即死という訳でもないようですが。
>赤字部門の切り捨て?
捨てる神あれば拾う神ありですから、はっきり分社化する事で「ここからここまで買える」とか、
「あの部門と統合できる」とか目安がつくようになる事をどれだけ具体的に考えているかでしょうね。
Re: (スコア:0)
で、ここまで会社を傾かせた経営陣を会社ごと捨てて、投資ファンドにでも経営やってもらったほうがよかったんじゃない?
富士通に限ったことではないかもしれないけど。
SPARC64 (スコア:2, 興味深い)
IBM POWERに対抗できる唯一のハイエンドRISC CPUだと思うんですが。
Re:SPARC64 (スコア:1)
という台詞が真っ先に浮かんだ。
Re: (スコア:0)
なので直接の関係はないと思われる。
(間接的にどうかはさておき)
Re:SPARC64 (スコア:1, おもしろおかしい)
もし分社化したLSI部門が「そんな売れない石作るのヤダ」とか言い出すと困るかも。
Re:SPARC64 (スコア:1)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
富士通とNECは合併すべきである (スコア:1, 興味深い)
Re: (スコア:0)
「NEC富士通エレクトロニクス」にするかみたいな下らないことで毎日会議が開かれて、
F出身者とN出身者が朝から晩まで真っ向から議論を戦わせる(=感情的に喧嘩する)
ような会社ができても、今より状況が悪くなるだけじゃないかなあ?
建て前だけ合併しても社内が一枚岩にならなければ、亡国の大連立政党と同じ
結果になりかねない。
そう言えば、こういうネタもあった。
http://srad.jp/comments.pl?sid=386584&cid=1278684 [srad.jp]
新会社名は (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:新会社名は(オフトピ) (スコア:0)
いいかげん55ボードはやめてくださいよ。
# なつかしー!
Re: (スコア:0)
近辺の東芝やキヤノンや日立も巻き込みやすいかも。
あと、「三井住友みずほ電機」とかかな?
#ノキア・シーメンス・ネットワークス [nokiasiemensnetworks.com]の社名は
#「ノ士通」にすべきかも思います。
Re: (スコア:0)
会社ですから、親会社も巻き込んで、旧第一勧銀ばりの内紛が繰り広げ
られるのではないでしょうか。
すっきり収めるには、三井住友銀行方式しかないですね。
和名:三井住友銀行
英名:Sumitomo-Mitsui Banking Corp.
したがって
和名:富士通NECエレクトロンデバイス(株)
英名:NEC-Fujistu Electron Devices Inc.
なんてのでどうでしょう?
どっちかの中の人なのでAC
Re:富士通とNECは合併すべきである (スコア:1)
狼と香辛料(Spice and Wolf)とか。(?)
Re:富士通とNECは合併すべきである (スコア:1)
>英名:NEC-Fujistu Electron Devices Inc.
>なんてのでどうでしょう?
「いや
和名:NEC富士通エレクトロンデバイス(株)
英名:Fujistu-NEC Electron Devices Inc.
にすべきだ!」
という議題で議論が紛糾して収拾がつかなくなるに1000マネリラ。
Re:富士通とNECは合併すべきである (スコア:1)
富士通は日立とともにみずほ系。
日立は三和→三菱UFJでもあるので、三菱電機とも。
古河+ジーメンス(Re:富士通とNECは合併すべきである) (スコア:1)
笛電子(株)でどうでしょうか。
#日電のまんまだったらふに電子とかで
Re: (スコア:0)
#だけなのでACで
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
日立 + 三菱 = ルネサス
とか
NEC + 日立 = エルピーダ
っていう前例があるんだから、こっちの方がすっきりするんじゃ……
# エルピーダは最初はNEC日立メモリだったみたいだけど
Re: (スコア:0)
ブランド戦略としては、「どちらか強い方のブランドに一本化する」が定石だと思います。
だからこそ「ブランドが生き残る => 俺達の方がエライ。お前ら格下。」みたいな
勘違いをする老害連中もはびこるのではないでしょうか。特に社内に旧F社派と
旧N社派で、見難い派閥争いがある時は事態は深刻です。
一番話が早いのが、親会社から縁を切られるパターンでしょう。
たとえば親会社から「今後NEC/富士通のブランドを使うことは一切許さん」と言われれば、
新しいブランドを作るしかありません。でもこれは一からブランドを再構築するということ
なので、ブランド戦略としては大きく後退することを意味するものと思います。
Re: (スコア:0)
その定石は市場である程度有利に事が進められることを前提にします。
仮に出資率にそんなに差がなく、一方が圧倒的に市場で強いという場合でなければ、
新たに新ブランドを掲げて社外には新規性を、社内には一体感醸成を目指した
ほうが有利ですね。
Re: (スコア:0)
それを誰が決定するかが問題ですね。そんな意志決定ができる強いリーダーがいれば、
名前を決めるくらいは簡単でしょうに。
Re: (スコア:0)
必要がない、特殊な製品なので、必ずしもブランドを維持する
必要がないのが特徴です。(インテル、AMDは非常に特殊な例です)
ここ数年でおきた世界的な半導体再編では
モトローラ→フリースケール
シーメンス→インフィニオン、キマンダ
フィリップス→NXPセミコンダクタ
NEC日立メモリ→エルピーダ
日立、三菱電機→ルネサステクノロジ
と、ブランドをガラッと変えています。
社名に親会社、元会社の名残があるのが
SGS,Tomson→STマイクロ
ぐらいでしょうか。
そういう意味では、NECエレクトロニクス、三洋半導体は
特殊な例なのかもしれません。(三洋は売却前提でしたが・・・)
PC事業部の製品は (スコア:0)
あなたの実家の押入れに眠っている、過去の豊富な嫁資産が今甦ります!
Re: (スコア:0)
それはともかく、最近は双方ともあまり強烈な個性を放っている
ように見えないので、合併したらわりあいいいかも。
# 向河原のビルに近いところに住んでいる、相手側の中の人