環境問題へ積極的に取り組む Microsoft に対し、同社製品の修理しやすさも改善すべきという株主提案 90
提案 部門より
温室効果ガス削減や廃棄物削減、水消費量削減など、環境問題に取り組む大企業の先頭を行く Microsoft だが、ハードウェア製品の修理については逆行している。iFixitの修理しやすさスコアは10点満点で Surface Pro X が6点、Surface Laptop 3 が5点を獲得したものの Surface デバイスの大半は1点であり、Surface Laptop は修理に関して2017年最悪のデバイスに選ばれた。先日発表された Windows 11 の Surface デバイス対応状況を見ると、全モデルが対応するのは2019年以降に発売されたモデルのみ。2018年モデルの Surface Go は非対応であり、2017年モデルでは第8世代 Core プロセッサーを搭載した Surface Book 2 のみ対応する。また、米国の各州で進められている修理する権利の法制化についても、Microsoft は積極的に反対している。
米連邦取引委員会 (FTC) が5月に発表した報告書では、修理する権利を制限する企業側が理由として挙げる安全性の維持や知的財産の保護が記録に裏付けされたものではないと指摘している。フランスでは今年から修理しやすさスコアの表示が義務付けられ、パーツの交換しやすさだけでなく、サービスマニュアルやスペアパーツの入手性なども評価の対象になる。以前からサービスマニュアルやスペアパーツを提供していた Dell や HP などと比べて Microsoft は大きく出遅れている。
そのため、Microsoft 製デバイスの持続可能性を同社の環境問題への取り組みに一致させるには、修理しやすさを改善べきというのが株主提案の趣旨だ。取締役会に対しては、消費者や独立の修理業者による Microsoft 製デバイスの修理を容易にすることで、環境と社会にもたらす利益を報告書にまとめるよう求めている。