電源周波数によって最大出力が変わるヘルツフリーの電子レンジ 132
最大 部門より
イオンのプライベートブランド「トップバリュ」に「光るタイマー電子レンジ17L HC-MR0117」という商品がある。タイマー設定した時間が点滅したり、調理後に食品を取り出さないと1分毎に電子音が鳴るなどの特長はあるが、オーブン機能や液晶表示などはなく単機能電子レンジと呼ばれるジャンルの製品だ。価格も5,980円(税込6,458.40円)と安価なクラスに属する。
この製品の興味深いところは、電源周波数によって最大出力(消費電力)が異なる点である。出力切換は「強 500W(50Hz)/650W(60Hz)」「弱 400W」「解凍 200W」の3段階から選べる。強 500W(50Hz)動作時の消費電力は950W、強 650W(60Hz)動作時の消費電力は1300Wだ。おそらく「弱」と「解凍」は間欠運転で、動作と休止の時間割合を変化させているのだろう。
50Hzと60Hzに対応した電化製品(スイッチなどによる変更で対応できる場合を含み、部品交換などが必要な場合は含まない)は 「ヘルツフリー」と呼ばれ、電源周波数が異なるエリアに引っ越しても使えるといったメリットがある。メーカーや販売店からすると、2種類の製品を用意しなくてよいといったメリットがある。ネット通販ではヘルツフリーでない商品ページに確認を促す注意や誤注文の返品は受け付けないと記載されているところもあり、それなりにトラブルもあるのかもしれない。
ミッドレンジ以上の電子レンジはヘルツフリーが一般的だ。一方、ローエンドの製品は「50Hz専用(東日本)」「60Hz専用(西日本)」として品番も異なっていることが多い(価格.com 単機能電子レンジ 価格の安い順)。電子レンジにおいてヘルツフリーの製品は、若干製造コストが高いと考えられる。いずれにせよ、ほとんどの電子レンジは電源周波数、あるいは同一シリーズの50Hz専用・60Hz専用モデルの違いによって最大出力(消費電力)に違いはない。出力は変わるがヘルツフリーであるHC-MR0117のような製品は、今後増えるのだろうか。
価格.comのスペック表に記載されていなくても、電源周波数によって最大出力が異なる製品はそれなりにある。家庭用の単機能電子レンジというカテゴリー自体が電子レンジの中でローエンドのような気もするが、オーブンレンジでは電源周波数別の製品はないようだ。なお、オーブンレンジの中にも電源周波数によって最大出力が異なる製品は存在するため、このような製品も少なくないと思われる。