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経団連会長、政府が提示した「脱原発依存」明記の再生戦略に猛反発」記事へのコメント

  •  30日の国家戦略会議では、政府が日本再生戦略に「脱原発依存」を盛り込んだことに対し、経団連の米倉弘昌会長が強く反発し、閣僚と応酬する場面があった。米倉氏は「脱原発依存という言葉は戦略会議で議論していない」と詰め寄り、政府の議論の進め方に不快感を示した。

    太字にしたところが「猛反発」したキーだと思うんだけど。
     民間議員に選ばれて、議論に参加していた [reuters.com]はずなのに、議論し

    • 国家戦略室 - 政策 - 国家戦略会議 [npu.go.jp]にはまだ「平成24年 第8回会議(平成24年7月30日)」の議事要旨がアップされていないが、会議での配布資料 [npu.go.jp](pdf)にはこういう記述があった。

      2.エネルギー・環境政策の再設計

      (1)原発からグリーンへ
       原発への依存をできる限り減らす。これが、東京電力福島第一原子力発電所事故の反省を踏まえた政府の基本方針である。その原発依存度低減を補う主役は、風力、太陽光などの再生可能エネルギーや省エネルギーである。つまり「原発からグリーン」を目指すことになる。このグリーンへのシフトを、いかに我が国の成長につなげるかが極めて重要な課題である。そのための戦略がグリーン成長戦略であり、現在の我が国にとって、最優先で取り組むべき事項といえる。
       震災前までは原子力を基幹電源としてきた我が国にとって、原発依存度低減を実現しようとすることは、大きな制約であるが、その制約をバネとして、構造改革に取り組み、成長につなげる戦略を考えなければならない。
       国家戦略会議の分科会であるエネルギー・環境会議は、本年6月、エネルギーミックスと環境に関する3つの選択肢を提示した。原発依存度を震災前の 2010 年の実績値 26%から、2030 年までに0%、あるいは 15%、または 20%から25%まで下げていくという3つのシナリオである。いずれも、再生可能エネルギー、水素や蓄電システムなどのクリーンエネルギーや、省エネルギーに重点をシフトし、原発依存度も化石燃料依存度も下げ、今よりもエネルギー安全保障を改善し、温室効果ガスを削減する選択肢となっている。

      >日本再生戦略に「脱原発依存」を盛り込んだ
      もうすでに「日本再生戦略」の要のひとつは、「原発からグリーンへ」、脱原発依存を実現しつつ再生可能エネルギーなどの「グリーン成長戦略」となっているそうなので・・・いつ決まった話か知らないが、米倉氏が文句を言うのは遅すぎたというところだろうか。

      --
      モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
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      • ひとつ前の第7回会議(米倉氏はおそらく欠席)で、日本再生戦略(原案) [npu.go.jp]というのが示されていて、これにも「東電福島原発の事故の反省を踏まえ、この戦略において、原発依存度をできる限り下げることを、政府の基本的な方針とした。」という表現が見られますね。
        議事要旨 [npu.go.jp]では

        (古川国家戦略担当大臣)
        今日はさまざま皆様方から議論いただきました。若干の字句調整等は私にお任せをいただきたいと思うが、まだこれは戦略会議として決定ということではないので、最終的なとりまとめに向けた作業を行ってまいりたい。

        とあるので、「戦略会議として決定」となる前に噛みついた、ということなのでしょう。

        なお、米倉氏は第6回会議で既にエネルギー戦略と成長戦略の不整合を指摘している [npu.go.jp]ようです。

        (米倉議員)
        政府は今、名目3%、実質2%という成長率の目標を掲げているが、エネルギー・環境に関する選択肢の前提は、2010 年代には実質1.1%の成長率、2020 年代は0.8%の経済成長を想定している。エネルギー戦略というのは成長戦略と整合性をとるべきではないか。
        これでは、政府が考えているような名目3%、実質2%というような成長が達成されたら、完全に電力不足に陥ってしまう。誰が責任を持って電力を供給するのか。そして、また国民が判断する上で不可欠な情報が、わかりやすい形で提供されるということが一番重要ではないか。失業率がどうなるのか、可処分所得への影響や買取制度に係る電力への賦課金の見通しなど、是非そういったデータを示してほしい。

        親コメント
        • どうもコメントありがとうございます。

          >誰が責任を持って電力を供給するのか。そして、また国民が判断する上で不可欠な情報が、わかりやすい形で提供されるということが一番重要ではないか。

          これですが、先の2030年のエネルギーの選択に関するパブリックコメント [srad.jp]の3シナリオが該当するのではないでしょうか。

          震災前は原発依存度を50%程度にまで高めるつもりだったのに、

          2011年3月11日、東日本大震災と東電福島原発事故が発生した。原子力は安全であるという大前提が大きく揺らぎ、原子力発電に依存したエネルギー選択を白紙から見直さなければならなくなった。政府は同年6月に国家戦略担当大臣をはじめ関係閣僚をメンバーとするエネルギー・環境会議を設け議論を開始し、同年7月29日に原発依存度を低減するという基本理念を決定した。

          とあります(「エネルギー・環境に関する選択肢 平成24年6月29日 エネルギー・環境会議 」資料を#2190759 [srad.jp]から再引用)。こう決まっている以上、平成24年第6回会議(平成24年7月5日)で指摘されたところで、とりあってもらえない感じでしょう。

          ただ平成24年第7回の議事要旨 [npu.go.jp]には「グリーン成長戦略」のポイントが列挙されているのですが、

          新たなエネルギー環境戦略に基づくエネルギーミックスの転換に合致した産業構造の進化、社会の一大変革を起こすため、電池性能向上による普及促進、走る電源としての活用、国際標準の獲得等による次世代自動車での世界市場獲得、各用途の蓄電池の高度化、住宅、ビル、地域拠点公共施設への設置強化等による蓄電池の市場創造と競争力強化、製品化に向けた川上川下の共同技術開発等によるグリーン部素材が支えるグリーン成長の実現などに取り組むこととしている。

          電力不足には産業構造の変化と蓄電池の技術革新にゆだねる、とあるだけ。これではたして解決できちゃう問題なのかどうか・・・。

          --
          モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
          親コメント
          • 技術革新にゆだねるってそのための予算はちゃんと割り当てられるんですかねぇ

            技術革新って天から降ってくる物とでも思ってないだろうか...

            もっとも現状じゃ、旧炉廃止でまだ安全な新型炉への切り替えって方のが現実的だと思うんですけどね
            津波対策等の自然災害起因の災害対策をどこまで盛り込むかってのも同時にあるとは思いますけど

            新技術をあてにするのはせめてその技術の大規模実験炉が出来てからにして欲しいなぁ
            技術革新とか新技術とか言われても絵に描いた餅としか思えん...

            親コメント
          • 日が経ちましたが、件の会議の議事要旨が出てました。
            http://www.npu.go.jp/policy/policy04/pdf/20120806/gijiyoshi08.pdf [npu.go.jp]

            古川国家戦略担当大臣「脱原発依存という基本方針は、前政権のときに決めたこと」
            米倉経団連会長「日本再生戦略より脱原発依存を優先する気か」
            古川国家戦略担当大臣「日本再生戦略と矛盾するようなエネルギー・環境戦略はあり得ないと考える」
            米倉経団連会長「今の、議事録に書いといて」
            枝野経済産業大臣「経産大臣としては、3つのシナリオいずれも日本再生戦略と矛盾するものではないと考えている」

            みたいな、結局よくわからないけれど従来型産業が1%くらい成長するエネルギーで実質2%成長するんだよ!グリーンだから!ということになった模様です。

            「『○○成長戦略』を全部積み上げると実質4%くらいの成長になるんだけど」 [zakzak.co.jp]という話もあるようで、なんだか色々とあてにならなさそうです。

            親コメント
          • by Anonymous Coward

            技術革新のために必要な電力の確保ってどう考えてるんだろうな…

一つのことを行い、またそれをうまくやるプログラムを書け -- Malcolm Douglas McIlroy

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