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水や重水は中性子の減速能が大きいのでちょっと……
高速増殖炉は,名前の通り高速中性子を使う必要があります.高速中性子を238Uに吸収させ239Puにして利用するわけです.ところが水や重水素といった軽い原子を冷却剤に使ってしまうと,こいつらは中性子の減速能が大きいためせっかく発生した高速中性子が減速されてしまい,238U → 239Puが行かなくなってしまいます.そのため,中性子減速能の小さな何か(=重い原子)を冷却に使う必要があります.
まあ実のところNa(とかNa-K合金)以外を冷却に使うのは不可能ではなく,基礎研究段階でいろいろ研究されていました.代表的なところでは,
鉛ビスマ
> 中性子が減速されてしまい,238U → 239Puが行かなくなってしまいます.
ちょっと違います.捕獲反応は,減速したほうが確率は大きくなります.捕獲断面積は1/vで下がっていきますので.ただ,おっしゃるとおり,中性子が減速されてしまうと出来上がったPu239も核分裂してしまいますので,Pu239の増殖という意味では損します.高速中性子を使うのは,低エネルギー中性子で核分裂をほとんど起こさないU238を利用して臨界体系を作ることができるためです.その意味では,U238でなくとも,Am241でも高速炉を作ることは,原理的には可能です.
> ただ,おっしゃるとおり,中性子が減速されてしまうと出来上がったPu239も> 核分裂してしまいますので,Pu239の増殖という意味では損します.じゃあ増殖に固執しなければ…。ってよく考えたらそれ普通の軽水炉じゃん
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計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである
液体金属ナトリウムで冷却に未来はあるか? (スコア:1)
高速増殖炉が液体金属ナトリウムでないといけないなら、高速増殖炉に未来はないと思う。
重水とかではダメなのかな、、、
Re: (スコア:5, 参考になる)
水や重水は中性子の減速能が大きいのでちょっと……
高速増殖炉は,名前の通り高速中性子を使う必要があります.高速中性子を238Uに吸収させ239Puにして利用するわけです.
ところが水や重水素といった軽い原子を冷却剤に使ってしまうと,こいつらは中性子の減速能が大きいためせっかく発生した高速中性子が減速されてしまい,238U → 239Puが行かなくなってしまいます.
そのため,中性子減速能の小さな何か(=重い原子)を冷却に使う必要があります.
まあ実のところNa(とかNa-K合金)以外を冷却に使うのは不可能ではなく,基礎研究段階でいろいろ研究されていました.
代表的なところでは,
鉛ビスマ
Re:液体金属ナトリウムで冷却に未来はあるか? (スコア:4, 参考になる)
> 中性子が減速されてしまい,238U → 239Puが行かなくなってしまいます.
ちょっと違います.捕獲反応は,減速したほうが確率は大きくなります.
捕獲断面積は1/vで下がっていきますので.
ただ,おっしゃるとおり,中性子が減速されてしまうと出来上がったPu239も
核分裂してしまいますので,Pu239の増殖という意味では損します.
高速中性子を使うのは,低エネルギー中性子で核分裂をほとんど起こさないU238を
利用して臨界体系を作ることができるためです.
その意味では,U238でなくとも,Am241でも高速炉を作ることは,原理的には可能です.
Re: (スコア:0)
> ただ,おっしゃるとおり,中性子が減速されてしまうと出来上がったPu239も
> 核分裂してしまいますので,Pu239の増殖という意味では損します.
じゃあ増殖に固執しなければ…。ってよく考えたらそれ普通の軽水炉じゃん