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パソコンにも空冷と水冷があるし,さくらインターネットの石狩データセンター [sakura.ad.jp]は空冷だけど京コンピュータは(淀川水系の?)工業用水を(2次冷却水に?)使った水冷らしい.空冷と水冷,どっちがトータルコストが安いんだろう.十分スペースがあるならこの例のように空冷の方が効率がよいのだろうか.故障率はどうだろう.いちばん先に故障するのは空冷ファンやポンプだろうし.
前にいた職場で水冷のシステムにさんざん苦労させられたので、個人的には水冷にあまり良いイメージがありません。次から次へととトラブルに見舞われました。
・水の汚れ
細かいゴミが冷却水内に発生。調べた所、成分は酸化銅で、要するに錆び。冷却配管内の銅を使用した部分から出てきたらしい。その錆のため、カプラ(機器のユニットを引き抜いたときに瞬時に配管をそこだけ閉鎖する器具)が目詰まりを起こして動作しなくなり、ある時、ついに水漏れ発生。幸い、漏れた箇所は一番下に実装されていたユニットの所で他への波及は無かったが、カプラ全数480個を交換することに。その後、防錆剤のベンゾトリアゾールを冷却水に添加し、その濃度を常に一定にするよう管理することになった。誰だ、クローズドな配管だから基本的に放っておいて大丈夫って言ったのは。
・制御盤の故障
屋外熱交換器や水ポンプの制御をする盤内の熱設計が甘く、想定以上の高温になって、SSC(Solid State Contactor: 後述のサーマルリレーを制御するために挿入されているデバイス)が熱暴走を起こし、熱交換器ファンのサーマルリレーが勝手にトリップした。制御盤に新たに換気用の穴を開けて解決。
・熱交換器ファンが錆びた
ファンが錆びて回転しなくなった。原因は設置時の施工ミスで、ドレイン(雨水)を排出する穴を解放するのを忘れていたため。他のファンも同様の条件で使用していたはずなので、ファン72台(圧力扇みたいなでかい奴)を全数交換する羽目に。
まあ「全部、運用方法の問題じゃないか。素人かお前らは」と言われれば反論はできません。でも、熱交換器でバカでかいファンが必要なんだから、空冷でも一緒じゃん、とか、機械を冷やすのは水でも室内の空調は必要なんだし、じゃあ全部エアコンで冷やしゃあいいじゃん、とか、愚痴の一つや二つ言いたくなったのは許してください。
もちろん、熱効率の良さなどから、ランニングコストとしては空冷に遥かに勝っているのは否定しません。しかしそれは、全ての機械が順調に動いている前提であって、いざトラブルが発生すると、水冷は非常に手もお金も掛かるというのが実感です。
よくわからないけど、うちの蒼い巨塔(リザレータ1)は、今日も元気に水を冷却してるよ。
CPU・グラボ・HDDの水枕はまだ腐食していないらしい。ごみ沈殿用に繋げてる容器まで錆びが来てない。
だた残念なのが、このPC自体は3年以上前に壊れていること。水を止めたら腐食・水漏れがわからなりそうなのでリザレータ1のポンプを動かし続けてる。
撤去したいけど、周囲に作業場所がとれなくてそのまんまだったりする。
水冷のエンジンは自分でばらしてメンテしようとは思わなかった。空冷の2ストは、気軽に分解できるからイイ!
冷却能力はもちろん比熱の大きい水を使う水冷の方がはるかに良い。
それを踏まえて,京の場合はCPUなどの動作温度をできるだけ下げてノードの信頼性を確保するという設計思想だから水冷。(CPUのダイのすぐ近くまで冷却水が通る)ノードの数が桁違いに多いから信頼性こそ大切(一時間計算してどっかのノードが壊れて交換していたのでは話にならない)。
データセンタの場合は電力効率(=コスト)が大切。できるだけ冷却温度を高くしておいて電力を節約する。少々壊れても,冗長構成を組んでおいて,ホットスタンバイの別サーバに移動させればそれで良い。
ちなみに原発を空冷やら水冷やら書いている人がいるけど,原発は全部水冷(しかも純水)ですから。(もんじゅは別だけど)廃熱を最終的に海にすれるか,大気に捨てるかの違いはある。もちろんたいていの場合海水の温度のほうが大気温度より低いから,海水で冷却した方が効率が良く,コストは安い。
> もちろんたいていの場合海水の温度のほうが大気温度より低いから,> 海水で冷却した方が効率が良く,コストは安い。
海水の方が有利な理由は温度より、比熱でしょ。
ついでに言うとHPCの場合は消費電力が桁違いだからデータセンタの冷却システムじゃ全然追いつかないとかありますよね。京コンピュータや、ローレンス・リバモア研究所のセコイヤは最大10GW級ですが、Googleが全世界で動かしているデータセンタの消費電力でも常時0.28GWだったりします。
#こうやって見るとGoogleの消費電力は低くみえるけど#これでも地方都市何個分と言う単位になる
これらは基本的には最後に熱になるわけでこんなもん空冷で悠長に冷やしてて間に合うわけ有りませんな。後Googleの水冷システムはDC内は空冷で、最後廃熱処理に水を使ってると言うだけでHPCとは違うとか。
京コンピュータや、ローレンス・リバモア研究所のセコイヤは最大10GW級ですが、Googleが全世界で動かしているデータセンタの消費電力でも常時0.28GWだったりします。
10GWって原発10基ぶんじゃん
スーパーコンピュータ「京」の電力消費はどれくらいですか? [fujitsu.com]には
2011年11月TOP500リストのベンチマーク計測時のスーパーコンピュータ「京」の電力使用量は、12.65989MWでした。一般家庭での平均電力使用量を400Wとすると、「京」の電力使用量は約30,000世帯分に相当します。
ってある
タンイマチガッタ(´・ω・`).;:…(´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: サラサラ……
どこの脳内原子力地上の楽園の話だよ。大型の商用原子炉は沸騰水型軽水炉、加圧水型軽水炉、黒鉛炉があるが一応全部冷却材は”水”。軍用だとMHD使っているものもあるけどな。減速材はいろいろあるが、MHD以外は結局蒸気でタービン回すから水が絡む。タービンを回した蒸気を冷却するのに日本では海水を使うことが多いがこれは火力発電所と同じ。海外だとアメリカ、フランス、インド、中国は川の”水”を使用している。スリーマイルは加圧水型、福島は沸騰水型、チェルノブイリは黒鉛炉。EUは事故以後黒鉛炉は域内のものを廃炉にするだけではなく旧ソ連圏のものも外交圧力をかけて廃炉させようとしている。加圧水型は300℃の液体の加圧水を使用するため、事故後世界的に厳重なシビアアクシデント対策が義務付けられたが、大飯原発はほとんど対応していない。
(#2301858)が突っ込みどころ満載なのは置いといて。
海外の原発だと「冷却塔」って設備が付いてる炉が多いけど、こいつらの最終排熱先も川の水なの?
あと加圧水の問題だけど、火力発電の方が水圧・水温も高くなかったっけ?火力は臨界水使うとかなんとか。大抵の原発だと臨界水を使えなくて熱量に対する発電効率が火力より若干低くなるとかなんとかって話を聞いた覚えがあるんだが。
大気ですよ。川の水に全部排熱したら川が温泉になって環境破壊になってしまいます。
>あと加圧水の問題だけど、火力発電の方が水圧・水温も高くなかったっけ?火力は臨界水使うとかなんとか。>大抵の原発だと臨界水を使えなくて熱量に対する発電効率が火力より若干低くなるとかなんとかって話を聞いた覚えがあるんだが。その通り。そういう意味では火力の方が遙かに高温高圧なんで危険ですね。熱機関はできるだけ温度,圧力を上げた方が効率は良くなります。
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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward
空冷 vs. 水冷 (スコア:0)
パソコンにも空冷と水冷があるし,
さくらインターネットの石狩データセンター [sakura.ad.jp]は空冷だけど
京コンピュータは(淀川水系の?)工業用水を(2次冷却水に?)使った水冷らしい.
空冷と水冷,どっちがトータルコストが安いんだろう.
十分スペースがあるならこの例のように空冷の方が効率がよいのだろうか.
故障率はどうだろう.いちばん先に故障するのは空冷ファンやポンプだろうし.
Re:空冷 vs. 水冷 (スコア:5, 興味深い)
前にいた職場で水冷のシステムにさんざん苦労させられたので、個人的には水冷にあまり良いイメージがありません。次から次へととトラブルに見舞われました。
・水の汚れ
細かいゴミが冷却水内に発生。調べた所、成分は酸化銅で、要するに錆び。冷却配管内の銅を使用した部分から出てきたらしい。その錆のため、カプラ(機器のユニットを引き抜いたときに瞬時に配管をそこだけ閉鎖する器具)が目詰まりを起こして動作しなくなり、ある時、ついに水漏れ発生。幸い、漏れた箇所は一番下に実装されていたユニットの所で他への波及は無かったが、カプラ全数480個を交換することに。その後、防錆剤のベンゾトリアゾールを冷却水に添加し、その濃度を常に一定にするよう管理することになった。誰だ、クローズドな配管だから基本的に放っておいて大丈夫って言ったのは。
・制御盤の故障
屋外熱交換器や水ポンプの制御をする盤内の熱設計が甘く、想定以上の高温になって、SSC(Solid State Contactor: 後述のサーマルリレーを制御するために挿入されているデバイス)が熱暴走を起こし、熱交換器ファンのサーマルリレーが勝手にトリップした。制御盤に新たに換気用の穴を開けて解決。
・熱交換器ファンが錆びた
ファンが錆びて回転しなくなった。原因は設置時の施工ミスで、ドレイン(雨水)を排出する穴を解放するのを忘れていたため。他のファンも同様の条件で使用していたはずなので、ファン72台(圧力扇みたいなでかい奴)を全数交換する羽目に。
まあ「全部、運用方法の問題じゃないか。素人かお前らは」と言われれば反論はできません。でも、熱交換器でバカでかいファンが必要なんだから、空冷でも一緒じゃん、とか、機械を冷やすのは水でも室内の空調は必要なんだし、じゃあ全部エアコンで冷やしゃあいいじゃん、とか、愚痴の一つや二つ言いたくなったのは許してください。
もちろん、熱効率の良さなどから、ランニングコストとしては空冷に遥かに勝っているのは否定しません。しかしそれは、全ての機械が順調に動いている前提であって、いざトラブルが発生すると、水冷は非常に手もお金も掛かるというのが実感です。
Re:空冷 vs. 水冷 (スコア:1)
よくわからないけど、
うちの蒼い巨塔(リザレータ1)は、今日も元気に水を冷却してるよ。
CPU・グラボ・HDDの水枕はまだ腐食していないらしい。
ごみ沈殿用に繋げてる容器まで錆びが来てない。
だた残念なのが、このPC自体は3年以上前に壊れていること。
水を止めたら腐食・水漏れがわからなりそうなのでリザレータ1のポンプを動かし続けてる。
撤去したいけど、周囲に作業場所がとれなくてそのまんまだったりする。
それはバイク乗りが昔から言っている (スコア:0)
水冷のエンジンは自分でばらしてメンテしようとは思わなかった。
空冷の2ストは、気軽に分解できるからイイ!
Re: (スコア:0)
冷却能力はもちろん比熱の大きい水を使う水冷の方がはるかに良い。
それを踏まえて,
京の場合はCPUなどの動作温度をできるだけ下げてノードの信頼性を確保するという設計思想だから水冷。
(CPUのダイのすぐ近くまで冷却水が通る)
ノードの数が桁違いに多いから信頼性こそ大切(一時間計算してどっかのノードが壊れて交換していたのでは話にならない)。
データセンタの場合は電力効率(=コスト)が大切。
できるだけ冷却温度を高くしておいて電力を節約する。
少々壊れても,冗長構成を組んでおいて,ホットスタンバイの別サーバに移動させればそれで良い。
ちなみに原発を空冷やら水冷やら書いている人がいるけど,原発は全部水冷(しかも純水)ですから。
(もんじゅは別だけど)
廃熱を最終的に海にすれるか,大気に捨てるかの違いはある。
もちろんたいていの場合海水の温度のほうが大気温度より低いから,
海水で冷却した方が効率が良く,コストは安い。
Re: (スコア:0)
> もちろんたいていの場合海水の温度のほうが大気温度より低いから,
> 海水で冷却した方が効率が良く,コストは安い。
海水の方が有利な理由は温度より、比熱でしょ。
Re: (スコア:0)
ついでに言うとHPCの場合は消費電力が桁違いだからデータセンタの冷却システムじゃ全然追いつかないとかありますよね。
京コンピュータや、ローレンス・リバモア研究所のセコイヤは最大10GW級ですが、Googleが全世界で動かしているデータセンタの消費電力でも常時0.28GWだったりします。
#こうやって見るとGoogleの消費電力は低くみえるけど
#これでも地方都市何個分と言う単位になる
これらは基本的には最後に熱になるわけでこんなもん空冷で悠長に冷やしてて間に合うわけ有りませんな。
後Googleの水冷システムはDC内は空冷で、最後廃熱処理に水を使ってると言うだけでHPCとは違うとか。
京コンピュータの消費電力 (スコア:0)
京コンピュータや、ローレンス・リバモア研究所のセコイヤは最大10GW級ですが、Googleが全世界で動かしているデータセンタの消費電力でも常時0.28GWだったりします。
10GWって原発10基ぶんじゃん
スーパーコンピュータ「京」の電力消費はどれくらいですか? [fujitsu.com]
には
2011年11月TOP500リストのベンチマーク計測時のスーパーコンピュータ「京」の電力使用量は、12.65989MWでした。一般家庭での平均電力使用量を400Wとすると、「京」の電力使用量は約30,000世帯分に相当します。
ってある
Re: (スコア:0)
タンイマチガッタ
(´・ω・`).;:…(´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: サラサラ……
Re: (スコア:0)
どこの脳内原子力地上の楽園の話だよ。
大型の商用原子炉は沸騰水型軽水炉、加圧水型軽水炉、黒鉛炉があるが一応全部冷却材は”水”。
軍用だとMHD使っているものもあるけどな。
減速材はいろいろあるが、MHD以外は結局蒸気でタービン回すから水が絡む。
タービンを回した蒸気を冷却するのに日本では海水を使うことが多いがこれは火力発電所と同じ。
海外だとアメリカ、フランス、インド、中国は川の”水”を使用している。
スリーマイルは加圧水型、福島は沸騰水型、チェルノブイリは黒鉛炉。
EUは事故以後黒鉛炉は域内のものを廃炉にするだけではなく旧ソ連圏のものも外交圧力をかけて廃炉させようとしている。
加圧水型は300℃の液体の加圧水を使用するため、事故後世界的に厳重なシビアアクシデント対策が義務付けられたが、大飯原発はほとんど対応していない。
Re: (スコア:0)
(#2301858)が突っ込みどころ満載なのは置いといて。
海外の原発だと「冷却塔」って設備が付いてる炉が多いけど、こいつらの最終排熱先も川の水なの?
あと加圧水の問題だけど、火力発電の方が水圧・水温も高くなかったっけ?火力は臨界水使うとかなんとか。
大抵の原発だと臨界水を使えなくて熱量に対する発電効率が火力より若干低くなるとかなんとかって話を聞いた覚えがあるんだが。
Re: (スコア:0)
大気ですよ。
川の水に全部排熱したら川が温泉になって環境破壊になってしまいます。
>あと加圧水の問題だけど、火力発電の方が水圧・水温も高くなかったっけ?火力は臨界水使うとかなんとか。
>大抵の原発だと臨界水を使えなくて熱量に対する発電効率が火力より若干低くなるとかなんとかって話を聞いた覚えがあるんだが。
その通り。そういう意味では火力の方が遙かに高温高圧なんで危険ですね。
熱機関はできるだけ温度,圧力を上げた方が効率は良くなります。