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今回の原発事故が無くても、近年化石燃料の値段が上がってきて、困ったことになっているのはご承知の通りです。その対策の一環として太陽光以外の再生可能エネルギーを増やす方針は以前から打ち出されていて、その施策の一つが 「全量買い取り制度」 [meti.go.jp]です。現在のドイツよりはだいぶ控えめな内容ですけど、それでも現状よりは助成水準が上がります。また発電量ベースなので、”回らない風車”なんてトラブルも減らせるかと(きっちり発電しないと、元が取れない)。1年以上かけて制度設計されてきたんですが、先日国会に提出されたそうです(すごいタイミングですが、たまたまそういう時期に震災が起きた)。
もちろん再生可能エネルギーも決して「魔法の杖」というわけではなく、欠点・課題もたくさんあります。でもそれ
ドイツですが、長年にわたり電力不足に悩まされており、フランス(電力の元は原子力)から売電しなければならない上に、福島の事故が起きる前には老朽化した原発の再開許可まで出してる状況ですが。
クリーンエネルギーになれば万事解決、というのは、残念ながら今はまだ夢物語ですね。だからこそへんな期待をせず、現状を追認しながら未来へのシフトを考えていくことが大事なのでしょう。
以前にも書きましたが [srad.jp]、ドイツが外国から購入している電力は数%です。また近年は他国に売る電力が増え、純輸出国になっています(出典:IEA Electricity Information)。「フランスから売電」もしてはいるでしょうが、自然エネルギーによる電力の供給比率は輸入分の電力の2倍、17%に達しています。この比率は今後10年で40%に達する見込みです [www.bmu.de]。
またドイツは現時点でも毎年5TWh前後(原発の年間発電量とほぼ同じ)自然エネルギーによる発電量を増やしています [erneuerbare-energien.de]ので、毎年1基づつぐらいなら、廃止しても輸入が急増するようなことは無いでしょう。
海外電力調査会:データ集:各国の電気事業:ドイツ [jepic.or.jp]には「ドイツには現在、原子力発電設備が17基2,043万kWあり、総発電量に占める比率は約23%(2009年現在)に達しています。」とありましたが、「現時点でも毎年5TWh前後(原発の年間発電量とほぼ同じ)自然エネルギーによる発電量を増やしています」というのはどういう計算なのでしょうか(原発1基辺り、稼働率50%?)
うぉ、これは失礼しました。「原発1基分の年間発電量とほぼ同じ」の間違いです。お詫びして訂正いたします。毎年原発1基分ぐらい増やしているので、年1基づつ廃止なら、輸入量を増やさなくても済むことは済む、という趣旨です。
逆にいきなり6基も7基も廃止すると、さすがに輸入やガス・石炭等が増えちゃって、埋め合わせるのに数年かかるでしょうね。今の報道内容だとそこまでやっちゃいかねない勢いですけど、現時点で原発数基分の電力を輸出してるのは経済的にそれなりに大きなメリットのはずなので、どうなりますやら。
>原発数基分の電力を輸出
すみません、また舌足らずになりました。「輸入分を差し引いてなお原発数基分の電力を輸出している」というのが正確な表記です。
…いや、ご指摘の趣旨はそこじゃ無いですね。「5TWh」の数字が間違ってますね。正しくは「8TWh(弱)」です、訂正します。
まず、原発1基分にしては少なすぎます(大変失礼しました)。平均定格出力1GWとして、×24時間×365日×稼働率0.7~0.9ぐらい=6~8TWh。
また比較対象の方も、同様に少なすぎます。こちらのファイル [erneuerbare-energien.de]より、一番最近の2004年から2009年までの5年間を取りますと、再生可能エネルギーによる発電量は56TWhから95TWhに増えています。差し引き39TWh/5年=平均で年間8TWh弱の増加。
「原発1基分」という趣旨自体は変わりませんが、大ボケでした (_._; ご指摘、感謝します。
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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward
そろり前進中 (スコア:2, 参考になる)
今回の原発事故が無くても、近年化石燃料の値段が上がってきて、困ったことになっているのはご承知の通りです。
その対策の一環として太陽光以外の再生可能エネルギーを増やす方針は以前から打ち出されていて、その施策の一つが 「全量買い取り制度」 [meti.go.jp]です。現在のドイツよりはだいぶ控えめな内容ですけど、それでも現状よりは助成水準が上がります。また発電量ベースなので、”回らない風車”なんてトラブルも減らせるかと(きっちり発電しないと、元が取れない)。
1年以上かけて制度設計されてきたんですが、先日国会に提出されたそうです(すごいタイミングですが、たまたまそういう時期に震災が起きた)。
もちろん再生可能エネルギーも決して「魔法の杖」というわけではなく、欠点・課題もたくさんあります。
でもそれ
Re:そろり前進中 (スコア:0)
ドイツですが、
長年にわたり電力不足に悩まされており、
フランス(電力の元は原子力)から売電しなければならない上に、
福島の事故が起きる前には老朽化した原発の再開許可まで出してる状況ですが。
クリーンエネルギーになれば万事解決、
というのは、残念ながら今はまだ夢物語ですね。
だからこそへんな期待をせず、
現状を追認しながら未来へのシフトを考えていくことが大事なのでしょう。
Re:そろり前進中 (スコア:1)
以前にも書きましたが [srad.jp]、ドイツが外国から購入している電力は数%です。また近年は他国に売る電力が増え、純輸出国になっています(出典:IEA Electricity Information)。「フランスから売電」もしてはいるでしょうが、自然エネルギーによる電力の供給比率は輸入分の電力の2倍、17%に達しています。この比率は今後10年で40%に達する見込みです [www.bmu.de]。
またドイツは現時点でも毎年5TWh前後(原発の年間発電量とほぼ同じ)自然エネルギーによる発電量を増やしています [erneuerbare-energien.de]ので、毎年1基づつぐらいなら、廃止しても輸入が急増するようなことは無いでしょう。
Re: (スコア:0)
海外電力調査会:データ集:各国の電気事業:ドイツ [jepic.or.jp]には「ドイツには現在、原子力発電設備が17基2,043万kWあり、総発電量に占める比率は約23%(2009年現在)に達しています。」とありましたが、「現時点でも毎年5TWh前後(原発の年間発電量とほぼ同じ)自然エネルギーによる発電量を増やしています」というのはどういう計算なのでしょうか(原発1基辺り、稼働率50%?)
Re:そろり前進中 (スコア:1)
うぉ、これは失礼しました。「原発1基分の年間発電量とほぼ同じ」の間違いです。お詫びして訂正いたします。
毎年原発1基分ぐらい増やしているので、年1基づつ廃止なら、輸入量を増やさなくても済むことは済む、という趣旨です。
逆にいきなり6基も7基も廃止すると、さすがに輸入やガス・石炭等が増えちゃって、埋め合わせるのに数年かかるでしょうね。
今の報道内容だとそこまでやっちゃいかねない勢いですけど、現時点で原発数基分の電力を輸出してるのは経済的にそれなりに大きなメリットのはずなので、どうなりますやら。
Re:そろり前進中 (スコア:1)
>原発数基分の電力を輸出
すみません、また舌足らずになりました。「輸入分を差し引いてなお原発数基分の電力を輸出している」というのが正確な表記です。
Re:そろり前進中 (スコア:1)
…いや、ご指摘の趣旨はそこじゃ無いですね。「5TWh」の数字が間違ってますね。正しくは「8TWh(弱)」です、訂正します。
まず、原発1基分にしては少なすぎます(大変失礼しました)。
平均定格出力1GWとして、×24時間×365日×稼働率0.7~0.9ぐらい=6~8TWh。
また比較対象の方も、同様に少なすぎます。
こちらのファイル [erneuerbare-energien.de]より、一番最近の2004年から2009年までの5年間を取りますと、再生可能エネルギーによる発電量は56TWhから95TWhに増えています。差し引き39TWh/5年=平均で年間8TWh弱の増加。
「原発1基分」という趣旨自体は変わりませんが、大ボケでした (_._; ご指摘、感謝します。