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スラドのタレコミ,および日本語の記事はかなりミスリードな内容になっています.鵜呑みにしない方が良いです
例えば china daily の英語記事には- 優勝者は漢字(Chinese characters)を一分間に69文字入力できた- 普通の人だと漢字20文字程度と解りやすく数値が書いてあります.http://www.chinadaily.com.cn/a/201908/26/WS5d63b5f7a310cf3e35567ef9.html [chinadaily.com.cn]
伝統的にこの手のインタフェースは,性能を単位 bps に換算して議論します.事情を知らない人は「1分あたり691.55バイト」と書かれてもなんのことやらさっぱり理解できないでしょう.
次に技術的な話をすると,これは脳波を使ったスペラー(speller)と呼ばれる技術です.
スペラーは(少なくとも)20年ぐらい前から研究されています.詳しいことは「P300 スペラー」とかで検索してみてください.たくさん情報が出てくるはずです.
いろんな人が研究しているので,youtubeにもデモ動画がたくさんあります.例えばこれ.https://www.youtube.com/watch?v=gNW82jkHyao [youtube.com]
論文もたくさんあります.例えば2015年の論文には上手い人だと毎分60文字程度まで行けるよと書いてあります.https://www.pnas.org/content/112/44/E6058 [pnas.org]
と言うわけで,このニュースは- 昔からある技術- 今だに実用化されていない(つまり技術的に解決できてない課題がたくさんある)- ここ数年で性能が劇的に向上したわけでもない(少なくとも上記論文と大差ない)と言う背景があって,その上で「学生さんが新記録を出した(ただしchinese characters限定の記録)」と言う話題でしかありません
競争が行われって書いてあるし、さすがに誤読する人はいないと思うな。
#文字種類の多いchinese characterでの記録だから、英数字のみだとすると認識率がもっと上がる可能性あるけど、認識速度は下がる可能性もある。アルファベット入力だとどんな記録がでるのか興味あるところ
英語記事だとビットなのに日本語に翻訳されるとバイトになるとは・・・
自分が以前(10年以上前)見たときは、アルファベットが並んだパネルが被験者の前においてあって、被験者は自分が思う文字を凝視する。アルファベットが順番に点灯していって、被験者が考えている文字が明るくなったときに被験者の脳波にP300の反応が出るので、それで被験者が意識している文字がわかる、という仕組みだった。
でも、順番に明るくしていくこの方法じゃ精々数秒~数十秒に1文字しか入力できないだろう、なんか別の方法か?と思ったら、 上のビデオ [youtube.com]を見ると、検出方
文字の点滅のタイミングが脳波に現れるので
まさしく、そういうことができるのが外部刺激に誘発される電位であるSSVEPの特長なんですよね。内因性のP300だとこうはいかない。
というわけなので、実は「検出方法の基本となる原理」が同じとは言えないかも。
スペラーは(少なくとも)20年ぐらい前から研究されています. 詳しいことは「P300 スペラー」とかで検索してみてください.
これはこれでミスリーディングな書き方では?
P300によるスペラーは確かに古くからあるけど、10年くらい前にSSVEPに基づくスペラーが登場して性能の劇的な向上がおきた、というのがより正確かと。
# ここ数年で劇的に進歩したわけでない、今回の記事は大会で学生が新記録を出したというだけ、というのはおっしゃる通り
> - 今だに実用化されていない(つまり技術的に解決できてない課題がたくさんある)
この入力速度までくると、ALSなどの意識ははっきりしているが身体をほどんど動かせないような病気にかかっている人向けのコミュニケーションツールとして、十分実用レベルなんじゃない?
もっとでかいディスプレイにもっとたくさんの文字を表示すれば効率は上がるんだろうか
スマホのソフトウェアキーボードみたいに一文字の部分と予測入力から選択できれば効率は上がるんだろうか
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これは鵜呑みにしてはいけない記事 (スコア:5, 参考になる)
スラドのタレコミ,および日本語の記事はかなりミスリードな内容になっています.鵜呑みにしない方が良いです
例えば china daily の英語記事には
- 優勝者は漢字(Chinese characters)を一分間に69文字入力できた
- 普通の人だと漢字20文字程度
と解りやすく数値が書いてあります.
http://www.chinadaily.com.cn/a/201908/26/WS5d63b5f7a310cf3e35567ef9.html [chinadaily.com.cn]
伝統的にこの手のインタフェースは,性能を単位 bps に換算して議論します.
事情を知らない人は「1分あたり691.55バイト」と書かれてもなんのことやらさっぱり理解できないでしょう.
次に技術的な話をすると,これは脳波を使ったスペラー(speller)と呼ばれる技術です.
スペラーは(少なくとも)20年ぐらい前から研究されています.
詳しいことは「P300 スペラー」とかで検索してみてください.たくさん情報が出てくるはずです.
いろんな人が研究しているので,youtubeにもデモ動画がたくさんあります.例えばこれ.
https://www.youtube.com/watch?v=gNW82jkHyao [youtube.com]
論文もたくさんあります.例えば2015年の論文には上手い人だと毎分60文字程度まで行けるよと書いてあります.
https://www.pnas.org/content/112/44/E6058 [pnas.org]
と言うわけで,このニュースは
- 昔からある技術
- 今だに実用化されていない(つまり技術的に解決できてない課題がたくさんある)
- ここ数年で性能が劇的に向上したわけでもない(少なくとも上記論文と大差ない)
と言う背景があって,
その上で「学生さんが新記録を出した(ただしchinese characters限定の記録)」と言う話題でしかありません
Re: (スコア:0)
競争が行われって書いてあるし、さすがに誤読する人はいないと思うな。
#文字種類の多いchinese characterでの記録だから、英数字のみだとすると認識率がもっと上がる可能性あるけど、認識速度は下がる可能性もある。アルファベット入力だとどんな記録がでるのか興味あるところ
Re: (スコア:0)
英語記事だとビットなのに日本語に翻訳されるとバイトになるとは・・・
Re: (スコア:0)
自分が以前(10年以上前)見たときは、アルファベットが並んだパネルが被験者の前においてあって、
被験者は自分が思う文字を凝視する。アルファベットが順番に点灯していって、
被験者が考えている文字が明るくなったときに被験者の脳波にP300の反応が出るので、
それで被験者が意識している文字がわかる、という仕組みだった。
でも、順番に明るくしていくこの方法じゃ精々数秒~数十秒に1文字しか入力できないだろう、
なんか別の方法か?と思ったら、 上のビデオ [youtube.com]を見ると、検出方
Re: (スコア:0)
まさしく、そういうことができるのが外部刺激に誘発される電位であるSSVEPの特長なんですよね。内因性のP300だとこうはいかない。
というわけなので、実は「検出方法の基本となる原理」が同じとは言えないかも。
Re: (スコア:0)
これはこれでミスリーディングな書き方では?
P300によるスペラーは確かに古くからあるけど、10年くらい前にSSVEPに基づくスペラーが登場して性能の劇的な向上がおきた、というのがより正確かと。
# ここ数年で劇的に進歩したわけでない、今回の記事は大会で学生が新記録を出したというだけ、というのはおっしゃる通り
Re: (スコア:0)
> - 今だに実用化されていない(つまり技術的に解決できてない課題がたくさんある)
この入力速度までくると、ALSなどの意識ははっきりしているが身体をほどんど動かせないような
病気にかかっている人向けのコミュニケーションツールとして、十分実用レベルなんじゃない?
ディスプレイ次第 (スコア:0)
もっとでかいディスプレイに
もっとたくさんの文字を表示すれば
効率は上がるんだろうか
スマホのソフトウェアキーボードみたいに
一文字の部分と予測入力から選択できれば
効率は上がるんだろうか