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まず「低温低湿」環境と「高温多湿」環境で比較ってのがちょっと変な気がします。
ただ、多湿で故障するのは一般的な話しです。下記文献のように内部で使用するアルミの腐食による故障は、湿度比の4.5乗に比例するんだからアレニウスの式、温度+10℃で故障率2倍よりかなり高いので当たり前のような気がします。
光・マイクロ波半導体 品質/信頼性ハンドブック 故障モードとメカニズム [renesas.com]によれば、
(2)アルミ腐食のメカニズムアルミ(AI)は,電気化学のイオン化傾向が高く,非常に腐食しやすい金属です。この電気化学反応は,印加するバイアスの影響を受けるため,バイアス値が増大す
低温低湿での故障率を下げようという話なら分かるけど、湿度が高いと壊れやすいって言われても、ねぇ、って感想。あと、もう少し詳しく見ると、一番やばいのは結露。高湿状態で温度が安定してなくて、というのもあるんじゃないかな。つまり平均値としての温度・湿度だけではHDDにとっての環境要因を正しく捉えていないのではないかと。
冷蔵庫とかクーラーとか、ああいう系統の冷却装置(=ヒートポンプ)を使えば自然と低湿になるし、温度は完全にコントロールできるから低温低湿になる。問題は水冷や空冷で十分に冷やしきれない場合。この研究が言ってるのは、「たとえ高温でも湿度が低ければ大した問題にはならない」及び「たとえ故障率が上がっても水冷・空冷の方が経済的」だから、要するに「温度は気にする必要がない」ってこと。
もちろん、全く冷却しなければ目に見えて故障するだろうけど、そういうことじゃなくて、冷却方法が外気の送風だけ(今のトレンド。GoogleやMSも採用)の場合、ヒートポンプ系のきっちりした冷却に比べて確かに故障率が高くなるが、それは外気に含まれる湿気が原因で、冷却性能が低い(=温度があまり下がらない)のは、湿度を下げにくいことに比べれば大したことがない、ということ。具体的に言うと、冷却装置で低温低湿にした場合にくらべ、水冷で高温低湿(外気を入れずに水の管との接触で冷やす)にすれば5割増し、空冷(涼しい外気を入れて、温まった空気を外に捨てる)で高温高湿にすれば最大3倍程度の故障率になる。でも、壊れた部分を取り換える方が冷房の電気代よりは格段に安いから、データセンターは全部空冷でいい、という結論。
ちなみにここで言ってる空冷は
4. コストのかからない冷却手段を活用する「コストのかからない冷却手段」とは、大型の空調装置や冷房を使わずにデータ センターから熱を取ることです。たとえば、外部の冷気、水の気化、蓄熱体など、自然環境を使って機器を冷却できます。地域の条件を利用し、すべてのデータ センターでコストのかからない冷却手段を活用しています。機械的な冷房装置を使う必要をなくすことは、省エネとコスト削減を実現する最大のチャンスです。
4. コストのかからない冷却手段を活用する
「コストのかからない冷却手段」とは、大型の空調装置や冷房を使わずにデータ センターから熱を取ることです。たとえば、外部の冷気、水の気化、蓄熱体など、自然環境を使って機器を冷却できます。地域の条件を利用し、すべてのデータ センターでコストのかからない冷却手段を活用しています。機械的な冷房装置を使う必要をなくすことは、省エネとコスト削減を実現する最大のチャンスです。
のこと。https://www.google.com/intl/ja_ALL/green/efficiency/datacenters/ [google.com]
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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家
多湿では壊れる (スコア:5, 参考になる)
まず「低温低湿」環境と「高温多湿」環境で比較ってのがちょっと変な気がします。
ただ、多湿で故障するのは一般的な話しです。
下記文献のように内部で使用するアルミの腐食による故障は、湿度比の4.5乗に比例するんだから
アレニウスの式、温度+10℃で故障率2倍よりかなり高いので当たり前のような気がします。
光・マイクロ波半導体 品質/信頼性ハンドブック 故障モードとメカニズム [renesas.com]によれば、
Re: (スコア:1)
低温低湿での故障率を下げようという話なら分かるけど、湿度が高いと壊れやすいって言われても、ねぇ、って感想。
あと、もう少し詳しく見ると、一番やばいのは結露。高湿状態で温度が安定してなくて、というのもあるんじゃないかな。つまり平均値としての温度・湿度だけではHDDにとっての環境要因を正しく捉えていないのではないかと。
Re:多湿では壊れる (スコア:2, 興味深い)
冷蔵庫とかクーラーとか、ああいう系統の冷却装置(=ヒートポンプ)を使えば自然と低湿になるし、温度は完全にコントロールできるから低温低湿になる。問題は水冷や空冷で十分に冷やしきれない場合。この研究が言ってるのは、「たとえ高温でも湿度が低ければ大した問題にはならない」及び「たとえ故障率が上がっても水冷・空冷の方が経済的」だから、要するに「温度は気にする必要がない」ってこと。
もちろん、全く冷却しなければ目に見えて故障するだろうけど、そういうことじゃなくて、冷却方法が外気の送風だけ(今のトレンド。GoogleやMSも採用)の場合、ヒートポンプ系のきっちりした冷却に比べて確かに故障率が高くなるが、それは外気に含まれる湿気が原因で、冷却性能が低い(=温度があまり下がらない)のは、湿度を下げにくいことに比べれば大したことがない、ということ。具体的に言うと、冷却装置で低温低湿にした場合にくらべ、水冷で高温低湿(外気を入れずに水の管との接触で冷やす)にすれば5割増し、空冷(涼しい外気を入れて、温まった空気を外に捨てる)で高温高湿にすれば最大3倍程度の故障率になる。でも、壊れた部分を取り換える方が冷房の電気代よりは格段に安いから、データセンターは全部空冷でいい、という結論。
ちなみにここで言ってる空冷は
のこと。
https://www.google.com/intl/ja_ALL/green/efficiency/datacenters/ [google.com]