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最近完成した堺太陽光発電所は、メガソーラと呼ばれる種類の太陽光発電所で、10MW(1万キロワット)の出力を持っている。しかし原子力発電所では、古いものでも1機あたり、400MW(40万キロワット)の出力を有しており、最新式の原発では1400MW(140万KW)もの出力を有する。1施設あたり通常4機ぐらいあるのが普通だろうから、仮に1機1000MWとすると、太陽光発電所と原発の1施設あたりの発電能力には400倍ものひらきがあることになる。
すなわち、太陽光発電のネックは単にそのコストだけならず、大量の土地が必要となることなのであり、現状いくら太陽光発電所を増やしたと
太陽光発電の出力は,最大出力。しかも稼働率は15-20%。(夜,曇り,雨天は出力が大幅に下がる)原発は,最大出力 = 定常出力。稼働率は80%。(定検で止める)
ここで4倍ほど出力が変わるので, 400 * 4 = 1600 倍 発電能力が違う。まあ,比較にすらならないレベル。
例え量子ドット太陽電池が実用化されて効率が2倍になったとしても計算は変わらない。
ですから,太陽光発電には大賛成ですが,日本ではメガソーラーは反対です。国土の狭い日本では屋根や余っている土地の有効活用には最適ですが,下手すると田畑を無くし環境を破壊しかねない。
>1施設あた
>太陽光発電の出力は,最大出力。しかも稼働率は15-20%。(夜,曇り,雨天は出力が大幅に下がる)>原発は,最大出力 = 定常出力。稼働率は80%。(定検で止める)
しかし、原発は需要の日内での変動にさえあまり対応できない。設置・運用・廃棄に多大なコストがかかる性質及び保安上の必要性から、比較的人口過疎地に大型のプラントを少数設置する以外の運用が難しく、需要地までの送配電ロスも大きい。太陽光発電は、需要の変動に(結果的とはいえ)ほぼ自動的に出力が連動する特性。しかもきわめて小口のプラントを需要発生地に多数設置していけるので、個々の費用は安く、かつ量産効果が見込める。小~中規模のものでも無人での自動運用が可能。同様に孫正義氏の提唱する電田構想はせっかくの太陽光発の特徴をスポイルするだけなので意義が感じられない。
両者の性質はまったく異なるものなのだから、単に「稼働率」がどうだから云々だけでは思考停止ですね。
電力というのは、単に不足しないだけでなく、需要と供給のバランスが取れていなければならない。だから、夜間など電力過剰となった場合、揚水発電をペイロードにしてエネルギを消費させている。もし、電力過剰となった場合にはどうなるか。答えは、周波数が変動して電力網が一斉にダウンしてしまう。だから、普段電力会社はこのような事態が起らないよう、発電所に指令を送って、電力網全体での発電量をコントロールしている。
太陽電池を分散させてという人もいる。しかし、もし、各所に分散した発電システムが自由気ままに電力を送りはじめたら、電力会社自
>太陽電池を分散させてという人もいる。しかし、もし、各所に分散した発電システムが自由気ままに電力を送りはじめたら、電力会社自身でコントロールを行なうことができず、下手をすれば一斉停電が起きかねない。これを回避するためには、スマートグリッドが各発電システムに導入される必要があるが
それは気のせいです。今だって電力会社は電力需給の供給側しかコントロールしていません。今年行われたような計画停電が超例外なだけで、需要の方はせいぜい予測するだけです。各建屋に設置するソーラーパネル発電は基本的にその建屋で消費する電力を補うものであって、売電分として流れるものはその差分。決して自由気ままに電力を送り始めたりはしません。需要予測自体は過去の統計と天候やその日の行事、あるいは工場の操業予定等々を考慮して立てられますが、そこに天候に発電量が左右される太陽光発電が入ってきてもこれは結局は基本的に現在の電力需要予測の延長線上に乗っかる話です。
太陽光発電施設が分散して広範に普及した場合に、電力品質に悪影響を与えないなんて誰が保障できよう。日本の高品質な電力は、日本の産業の柱であり、たった0.07秒間の電圧降下で莫大な損害をもたらした中部電力の事故 [srad.jp]は記憶に新しい。
・(Y2K, 2038年問題のように) マイコンがあるタイミングで正常に動作しなくなったり・似たような特性を持つコントローラが多勢になると波形がくずれはじめたり・各地域で保たれていた電力バランスが予想よりも広範な範囲で曇るなどしてバランスがくずれたり
本当にこれまでの信頼性が保てるかどうかは、(シミュレーションなどを行なった上で)慎重な議論が必要だと思う。
>本当にこれまでの信頼性が保てるかどうかは、(シミュレーションなどを行なった上で)慎重な議論が必要だと思う。
なぜそれを、「できない」と主張する側にこそ言わないのだろう?
ちなみにどの程度の負荷(あるいは発電力)の変動に耐えられるかの指標で系統裕度があって、電力会社は通常これを越えない変動でおさまる様に供給力、あるいは系統切り替えを中央給電指令所で実施して対応している。話題にあげられた中部電力には確かこれを系統の各ノード毎に予め常に計算しておき、どうしても越えそうな場合には自動的に負荷遮断装置で切り離す系統安定化システムが入っていたと思う。それでも瞬低に繋がったのは、これはむしろ上位系において集約したGの問題であって、配電系統レベルで分散する太陽光発電にあてはめるには飛躍が大きいと思う。
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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン
太陽光発電と原子力発電 (スコア:5, 興味深い)
最近完成した堺太陽光発電所は、メガソーラと呼ばれる種類の太陽光発電所で、10MW(1万キロワット)の出力を持っている。しかし原子力発電所では、古いものでも1機あたり、400MW(40万キロワット)の出力を有しており、最新式の原発では1400MW(140万KW)もの出力を有する。1施設あたり通常4機ぐらいあるのが普通だろうから、仮に1機1000MWとすると、太陽光発電所と原発の1施設あたりの発電能力には400倍ものひらきがあることになる。
すなわち、太陽光発電のネックは単にそのコストだけならず、大量の土地が必要となることなのであり、現状いくら太陽光発電所を増やしたと
400倍どころではない (スコア:5, 興味深い)
太陽光発電の出力は,最大出力。しかも稼働率は15-20%。(夜,曇り,雨天は出力が大幅に下がる)
原発は,最大出力 = 定常出力。稼働率は80%。(定検で止める)
ここで4倍ほど出力が変わるので,
400 * 4 = 1600 倍 発電能力が違う。
まあ,比較にすらならないレベル。
例え量子ドット太陽電池が実用化されて効率が2倍になったとしても計算は変わらない。
ですから,太陽光発電には大賛成ですが,日本ではメガソーラーは反対です。
国土の狭い日本では屋根や余っている土地の有効活用には最適ですが,
下手すると田畑を無くし環境を破壊しかねない。
>1施設あた
Re: (スコア:0)
>太陽光発電の出力は,最大出力。しかも稼働率は15-20%。(夜,曇り,雨天は出力が大幅に下がる)
>原発は,最大出力 = 定常出力。稼働率は80%。(定検で止める)
しかし、原発は需要の日内での変動にさえあまり対応できない。設置・運用・廃棄に多大なコストがかかる性質及び保安上の必要性から、比較的人口過疎地に大型のプラントを少数設置する以外の運用が難しく、需要地までの送配電ロスも大きい。
太陽光発電は、需要の変動に(結果的とはいえ)ほぼ自動的に出力が連動する特性。しかもきわめて小口のプラントを需要発生地に多数設置していけるので、個々の費用は安く、かつ量産効果が見込める。小~中規模のものでも無人での自動運用が可能。
同様に孫正義氏の提唱する電田構想はせっかくの太陽光発の特徴をスポイルするだけなので意義が感じられない。
両者の性質はまったく異なるものなのだから、単に「稼働率」がどうだから云々だけでは思考停止ですね。
Re: (スコア:5, 興味深い)
電力というのは、単に不足しないだけでなく、需要と供給のバランスが取れていなければならない。だから、夜間など電力過剰となった場合、揚水発電をペイロードにしてエネルギを消費させている。もし、電力過剰となった場合にはどうなるか。答えは、周波数が変動して電力網が一斉にダウンしてしまう。だから、普段電力会社はこのような事態が起らないよう、発電所に指令を送って、電力網全体での発電量をコントロールしている。
太陽電池を分散させてという人もいる。しかし、もし、各所に分散した発電システムが自由気ままに電力を送りはじめたら、電力会社自
Re:400倍どころではない (スコア:0)
>太陽電池を分散させてという人もいる。しかし、もし、各所に分散した発電システムが自由気ままに電力を送りはじめたら、電力会社自身でコントロールを行なうことができず、下手をすれば一斉停電が起きかねない。これを回避するためには、スマートグリッドが各発電システムに導入される必要があるが
それは気のせいです。今だって電力会社は電力需給の供給側しかコントロールしていません。今年行われたような計画停電が超例外なだけで、需要の方はせいぜい予測するだけです。
各建屋に設置するソーラーパネル発電は基本的にその建屋で消費する電力を補うものであって、売電分として流れるものはその差分。決して自由気ままに電力を送り始めたりはしません。需要予測自体は過去の統計と天候やその日の行事、あるいは工場の操業予定等々を考慮して立てられますが、そこに天候に発電量が左右される太陽光発電が入ってきてもこれは結局は基本的に現在の電力需要予測の延長線上に乗っかる話です。
Re:400倍どころではない (スコア:3)
太陽光発電施設が分散して広範に普及した場合に、電力品質に悪影響を与えないなんて誰が保障できよう。日本の高品質な電力は、日本の産業の柱であり、たった0.07秒間の電圧降下で莫大な損害をもたらした中部電力の事故 [srad.jp]は記憶に新しい。
・(Y2K, 2038年問題のように) マイコンがあるタイミングで正常に動作しなくなったり
・似たような特性を持つコントローラが多勢になると波形がくずれはじめたり
・各地域で保たれていた電力バランスが予想よりも広範な範囲で曇るなどしてバランスがくずれたり
本当にこれまでの信頼性が保てるかどうかは、(シミュレーションなどを行なった上で)慎重な議論が必要だと思う。
Re: (スコア:0)
>本当にこれまでの信頼性が保てるかどうかは、(シミュレーションなどを行なった上で)慎重な議論が必要だと思う。
なぜそれを、「できない」と主張する側にこそ言わないのだろう?
ちなみにどの程度の負荷(あるいは発電力)の変動に耐えられるかの指標で系統裕度があって、電力会社は通常これを越えない変動でおさまる様に供給力、あるいは系統切り替えを中央給電指令所で実施して対応している。
話題にあげられた中部電力には確かこれを系統の各ノード毎に予め常に計算しておき、どうしても越えそうな場合には自動的に負荷遮断装置で切り離す系統安定化システムが入っていたと思う。それでも瞬低に繋がったのは、これはむしろ上位系において集約したGの問題であって、配電系統レベルで分散する太陽光発電にあてはめるには飛躍が大きいと思う。